動く図形の面積のポイント〜二つの図形が動く時・相対的位置・重なる面積の形を追いかける・少し動かして考える・増える面積と減る面積・問題 11(5)解法〜|中学受験・算数実践72

前回は「直角二等辺三角形の斜辺・対角線の長さの比較〜問題のヒントを探す・「2回掛けた数字・自乗」を比較・問題 11(4)解法〜」の話でした。

目次

問題11(5)(再掲載)

二つの図形が動く時:相対的位置

動く図形の問題(新教育紀行)

(2)で「相対的位置」を考えましたが、「二つの図形が動く」ままでも「9秒後の状況」は分かります。

具体的な「〜秒後の状況」は、相対的位置を考えなくても出来ます。

動く図形の問題(新教育紀行)

「相対的位置」を考えなくても、「Aが右に〜cm動いて・・・」と考えても解けます。

(5)のように「重なる面積が最大」となると、「二つが動く状況」は非常に考えにくいです。

動く図形の面積:相対的位置・片方の図形を止める(新教育紀行)

(2)と同様に「相対的位置」を考えて、「BにAが3cm/秒の速さで向かってくる」状況を考えましょう。

動く図形の面積:相対的位置・片方の図形を止める(新教育紀行)

この時、逆の「AにBが3cm/秒の速さで向かってくる」を考えても同じです。

「相対的」ということは、「逆を考えても同じ」なので自分が好きな方で考えましょう。

重なる面積の形を追いかける

動く図形の面積:相対的位置・片方の図形を止める(新教育紀行)

AとBが接してから、重なる面積がどうなるか描いてみましょう。

動く図形の面積:相対的位置・片方の図形を止める(新教育紀行)

重なる部分は、直角二等辺三角形になって、しばらく大きくなります。

動く図形の面積:相対的位置・片方の図形を止める(新教育紀行)

どこまで、「似た状況が続く」か考えましょう。

Aの右下の角がBの直角になるまで、
重なる部分は直角二等辺三角形だね!

それまでの
時間を考えればいいね!

26/3秒後までは、重なる部分・面積は大きくなってゆきます。

動く図形の面積:相対的位置・片方の図形を止める(新教育紀行)

その後は、(2)で考えた状況に近くなります。

ここは、(2)と
同じように考えられそう!

動く図形の面積:相対的位置・片方の図形を止める(新教育紀行)

重なる部分が増えるから、
面積も増えるね!

少しずつ、重なる部分が
増えていく感じだね。

動く図形の面積:相対的位置・片方の図形を止める(新教育紀行)

「重なる部分の面積=B(台形の面積)-青色の直角二等辺三角形」と考えてみましょう。

Bのうち、重なっていない部分は
青色の直角二等辺三角形だね!

こっちの青色の直角二等辺三角形は
小さくなっていくね!

「重なっていない部分の面積」が小さくなっていくから、
「重なった部分の面積」は増えていくね!

動く図形の面積:相対的位置・片方の図形を止める(新教育紀行)

10秒後には、上のような状況になります。

ここまで、重なる部分・面積が大きくなるのは、図を描いて「明らか」として良いでしょう。

少し動かして考える:増える面積と減る面積

動く図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

この後、少しAを右に動かしてみましょう。

ここからは
少し難しそう・・・

重なる部分がだいぶ大きくなった10秒後から、Aは赤から、青に移動します。

ずっと大きくなり続けた重なる部分の面積をどう考えるか、が問題です。

ちょっと小さくなった
気がする・・・

赤の時が
一番大きいのかしら。

中学以降の数学であれば、面積を立式して具体的に分かります。

算数の範囲では、面積の立式は少し難しいので、「面積がどうなるか?」を考えましょう。

図を見た感じでは、10秒後の赤の状況が「重なる部分が一番大きい」感じがします。

動く図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

重なる部分の「増える部分・面積」と「減る部分・面積」を考えましょう。

動く図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

「増える面積」と「減る面積」を描いて、比較してみましょう。

動く図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

「減る面積」の方が、少し大きそうです。

確かに
そんな気がするけど・・・

どうみても、
緑の「減る面積」の方が小さいけど・・・

動く図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

「減る面積の方が大きい」が分かれば、「赤の時が、重なる部分・面積が最大」と分かります。

上の図で、「青色の部分 > 緑色の部分」を示すことを考えてみましょう。

算数実践 57で「長さ」を考えましたが、同じように「面積」の大小を考えてみましょう。

続きは次回ご紹介します。

新教育紀行

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