中学高校のカラーの中で成長する子どもたち〜学校と塾の異なる役割・「子どもたちが成長する空間・場」の学校・「中高一貫校」と「高校入試実施校」・学校での様々な刺激〜|進学先の中学高校での人生2

前回は「この先の「中学高校での学び」を楽しみに〜「中学高校独自のカラー」に染まりながら個性確立・大事な「人生の軸」を持つ〜」の話でした。

目次

「中高一貫校」と「高校入試実施校」:学校での様々な刺激

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雲と空(新教育紀行)

6年間過ごした小学校から中学生になる子どもたち。

小学生→中学生→高校生→大学生→・・・と成長してゆき、それぞれが大きな一区切りになります。

中高一貫校に通っていると「中学校と高校の境界」は、かなり曖昧になります。

環境が大きく変わらないので、

いよいよ高校生だから、
もっとしっかりしなきゃな・・・

と強く思いますが、学校環境も周囲の顔ぶれも大して変わらない場合は、

なんとなく高校一年生というより、
中学四年生って気持ちかな・・・

「高校生」というよりも、中高六年間で「一年生から六年生まである」ような錯覚を感じることもあります。

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武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

僕が通っていた武蔵中学・高校では、当時高校入試がありました。

140名ほどだった中学から上がってくる生徒たちに、新たに「高校入学組」の30名ほどが加わります。

そして、合計170名ほどになりました。

現在、武蔵は高校受験を廃止して「完全中高一貫」となりました。

30/140=約21%で、周りの友人たちに新たに20%ほど顔ぶれが変わり、

おっ、新たな
同級生が来たぞ・・・

高校に入ると、こんな気持ちになりますが、「高校入学組」の方々は、

高校受験合格して、
やっとこの学校入れた!

凄まじいテンションで、学校に「乗り込んでくる」感じです。

それに対して、中学の三年間を校舎で過ごした「内部生」たちは、

なんか、すごい
勢いだな・・・

みんな「慣れた環境」で漫然と過ごしている中、「新たな同級生」の意気込みに少し押されます。

よしっ!
僕はドイツ語を勉強するぞ!

内部生が、中学三年から学び始めるフランス語・ドイツ語・中国語・韓国朝鮮語の第二外国語。

武蔵は、この「第二外国語を学ぶ」極めて少数派の学校の一つです。

俺は
やっぱりフランス語だ!

中国語も楽しそうだし、
韓国朝鮮語のハングルも面白そうだ・・・

「高校入学組」の方々は、日本で「極めて数少ない学びの環境」に夢見て、

キラキラ・・・
ピッカーン・・・

みんな瞳が輝いていました。

さらに、

みんな、すごく
勉強できるな・・・

「高校入学組」は、つい最近まで猛勉強していたので、かなり学力が高いです。

ここで、「内部生」たちは、

これは、まずい・・・
僕ももっと勉強しないと・・・

こんな風に「大いなる刺激」を受けて、勉強に励む傾向があります。

高校入試がなくなり、完全中高一貫となった今は状況が異なりますが、当時は「高校入学組」は大きな存在でした。

そして、この点こそが「中学と高校の最も大きな違い」でもありました。

現在、高校入試を「実施している学校」と「実施していない学校」があります。

「完全中高一貫」も良いですし、高校から新たな刺激がある環境も良く、様々な側面があります。

中学高校のカラーの中で成長する子どもたち

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武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

いずれにしても、長い時間、特色ある教育理念やカラーのもとに過ごす子どもたち。

最近は「完全中高一貫」が比較的多いので、6年間を「特徴ある環境」で過ごします。

そして、この「特徴ある環境・カラー」の中で成長する子どもたちは、そのカラーに染まってゆくでしょう。

建物の校舎もまた、「学校の教育理念・カラー」に染まり、「その学校ならではの雰囲気」を持ちます。

この「染まる」は、建物のデザイン・設計も関係あるかもしれませんが、もっと深淵であると考えます。

私立の中学高校の場合は、設立時に「大いなる教育理念」があります。

そして、学校の存在期間は、校舎がある期間より長いことが多いです。

そのため、校舎・建物もまた「長い学校の歴史」に染まってゆくのでしょう。

私立の中学高校では、親は多額の学費を払います。

子どもが志望校に入れたは
良いけど、結構学費高いのね・・・

国立・公立校と比較すると、はるかに多額の学費を払う責務を負う親たち。

親の経済力によりますが、この負担は一般的に「かなりの負担」です。

かつて、武蔵中学の社会の問題で「経済力による教育格差」が取り上げられました。

親は大変ですが、子どもたちにとっては、

「大変」と言われても、
僕は一生懸命勉強して、この学校入ったよ・・・

確かにお金払うのも
大変そうだけど・・・

という気持ちで、お金のことを言われても困ります。

日本は小さい頃の「お金の教育」が
足りなすぎる!

と主張する方もいらっしゃいますが、実際に日本はそういう面が強いかもしれません。

いずれにしても、新たに中学校に入る方々は、

図書館が
あるから行ってみよう!

専用の実験室が
あるから、そこでの実験が楽しみ!

各学校が用意しているカリキュラムや施設等を、6年間フル活用しましょう。

勉強も大事ですが、部活にもぜひ入ると良いでしょう。

大学受験のことが、少し頭をよぎるかもしれません。

例えば、中学一年生になる直前の方の場合、

そういえば、5年後は、
もうすぐ高校三年で、大学受験かぁ・・・

大学受験も
頑張らないと・・・

特に中学の3年間は通う中学校・高校の雰囲気・カラーを楽しみましょう。

学校と塾の異なる役割:「子どもたちが成長する空間・場」の学校

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種子島の海(新教育紀行)

中学校から塾に通う方もいらっしゃるでしょう。

学校と塾では、役割が全く異なると考えます。

基本的に、学校は「同級生と接しながら子どもたちが成長し、各学校の考える勉学に励む」場です。

そして、塾は「勉強して、試験の成績を良くする」場と考えます。

中学・高校は「大学受験の為の前座のプロセス」ではないのです。

塾で教える先生方に立派な方々が多数いらっしゃいますが、学校とは役割が全く違います。

「学校は学校、塾は塾」とハッキリ区別して過ごした方が、実りある6年間が過ごせるでしょう。

後になれば「あっという間」の中高の6年間。

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左上から時計回りに東京大学、京都大学、早稲田大学、慶応大学(Wikipedia)

6年間は理系の大学・大学院(修士課程)、あるいは医学部等の期間に相当し「かなり長い」のです。

文系の大学を出てらっしゃる方は、4年間の方が多いでしょう。

この時、文系の方は、中高一貫校に通う場合「最も長く過ごす環境」になる可能性があります。

そもそも、大学の場合、「大学で過ごす時間が短い」場合があります。

理系の学生は、基本的に「朝から晩(夕方)まで大学」になり、時には大学で徹夜することもあります。

今日は、
製図室(実験室)で徹夜だな・・・

さらに、場合によっては土曜日(日曜日)も大学の図書館などに通うことがあります。

実験のレポート
書かないと・・・

対して、文系の方は環境が大分異なり、大学で過ごす時間は「比較的短い」傾向があります。

中高六年間は「学校で過ごす時間は基本的に朝から夕方まで」で長いです。

さらに、思春期を過ごすという意味では、その六年間は「大学よりも大事」とも言えるでしょう。

このように考えた時、中高六年間の大部分を過ごす「学校での時間」は極めて重要な期間です。

勉強も大事ですが、中学受験した方にとっては「せっかく苦労して手に入れたチケット」です。

そこで、中学・高校での人生を思い切り楽しみにしましょう。

晴れて進学する中学校・高校ですから、大学受験などの勉強であまり悩むよりも、

A中学校いったら、
〜したいな・・・

B中学校行ったら、
〜をやってみたいな・・・

など、夢を膨らませると良いでしょう。

そして、各学校のカラー・校風を楽しみにして、新たな人生を歩んでみましょう。

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