前回は「社会の知識チェック問題 7〜人物と出来事の暗記〜」でした。
今回は明治初期の実業家です。
1.土佐藩出身の実業家。
後藤象二郎らに引き立てられ、事業を始める。
三菱商会を設立し、明治政府の海運業を引き受け急成長。三菱財閥創業者。
2.日本の近代郵政事業の創設者。
郵便事業以外にも鉄道敷設・陸運業創設にも深く関わり、近代日本の郵便・運送業の確立に尽力する。

1は岩崎弥太郎です。

坂本龍馬とも縁があり、海援隊を率いていた竜馬と組んでいた時期もありました。

非常に商才が高い人物で、後藤象二郎のバックアップがあり、新政府に食い込みます。
後藤はかなりのやり手で、後藤・岩崎のコンビはインサイダーまがいのことをして財をなします。

土佐藩の事業とも言える海運事業会社・九十九商会で重役を務め、三川商会を経て三菱商会となり、この会社が三菱財閥の基礎となります。
海運事業の大きな転機は1874年の台湾出兵でした。
台湾出兵以前に「朝鮮へ攻め込む」征韓論で西郷・板垣らが下野します。
その際、大久保利通らは「戦争よりも内治優先」を掲げます。

その直後、対外遠征を大久保は強行したのでした。
これには、大久保の兄貴分であった西郷も怒り心頭だったでしょう。

一蔵どん。
内治優先で、征韓に反対したのは、一体なんだったごわす?
嘘でござったのか!?


その際、台湾への軍隊の輸送を英国に打診しますが、英国は「中立」を理由に拒否します。
困った明治政府は、岩崎の三菱商会に運送業を全て委託し、三菱商会は急成長します。
その後、明治政府御用達の会社となり、丸の内周辺の土地を「タダ同然」とも言える価格で払い下げられた三菱財閥。
その後三菱地所などの様々な会社を持つ日本一の巨大財閥へと成長しました。
三菱商会は現在の日本郵船です。
2は前島密です。


「郵便事業の父」とも言われる人物です。
郵便はじめ、様々な運送業の確立に深く関わりました。
岩崎弥太郎の三菱商会へ明治政府の運送業を任せる提言を、大久保利通に行いました。
いわば三菱商会、後の日本郵船は岩崎と前島の合作とも言える会社です。
大久保利通が一時期「大阪遷都」を考えていた時期に、「江戸遷都論」を主張して大久保を説得した人物でもあります。
近代日本の国家としての礎を築いたとも言え、日本が急速に「欧米に追いついてゆく国力を持つ」基礎を作りました。
岩崎・前島らが近代国家の経済面の骨格を作り、日本が強国となりました。
そして、日清・日露の戦いで勝利を収めるのです。