記述問題への姿勢〜解答例への姿勢と個性・記述問題で問われていること・「自ら答えを作る」姿勢・気づいたことを書く〜|中学受験

前回は「記述問題対策・最大のポイント〜「書けない」から「書ける」へ・記述・レポートへの姿勢・採点の方向性・採点基準・武蔵中学の先生・教員たちの考え方・出題者の意図・受験生が何を、どう考えるか?〜」の話でした。

目次

記述問題への姿勢:解答例への姿勢と個性

公園の桜(新教育紀行)

「記述問題」に対しては、苦手意識を持つ方が多いです。

男子小学生

何を、どう書けば
良い点がもらえるのか、分からない・・・

女子小学生

「正しい答え」が
良く分からない・・・

受験である以上、「良い点をもらう」必要がある試験。

選択式問題や「答えのみ」の問題であれば、

女子小学生

答えは「〜」だから、
今度から出来るようにしよう!

「正しい答え」が分かりやすいです。

対して、記述式問題は「概ねの答えの方向性」がある場合でも「解答例」になります。

記述式問題に対しては、過去問題集などでも

塾講師

これが
解答です!

このように書いてあることはなく、

塾講師

これは、
解答例です。

解答と記載されているはずです。

それは、

塾講師

この解答以外は
✖️です。

このように「記述問題の答えを一つに絞る」ことは不可能だからです。

「解答例」であるために、

男子小学生

結局、「正しい答え」は
何になるの?

女子小学生

何を書けば
満点になるの?

こう受験生たちは感じるのでしょう。

「解答」ではなく「解答例」になる記述問題に対しては、「解答例は一つの答え」です。

男子小学生

そうだけどさ・・・
「一つの答え」じゃ困る・・・

女子小学生

「正しい答え」を
知りたい・・・

「一つの答え」である以上、「多少のアレンジはあって良い」と考えましょう。

その「アレンジ」は、それぞれの方の個性次第です。

記述問題で問われていること

モーツァルト(Wikipedia)

記述式試験は難しく考え過ぎず、みなさんが得点を高めて欲しいと思います。

武蔵中の教育理念を具現化したような、音楽K先生。

K先生の授業では、「モーツァルトに関するレポート」の課題がありました。

筆者が中学三年生の頃だったと記憶しています。

「自分の意見」を求められることが多い武蔵中のレポート。

全員のレポートの採点を終えた後、K先生の講評が授業でありました。

武蔵中K先生

みんな、この間のモーツァルトの
レポートは、なかなか面白かった!

こう始まった講評で、K先生は続いて、

武蔵中K先生

コメントはそれぞれのレポートに書いたが、
一言、みんなに伝えたいことがある・・・

ここで、一呼吸置いたK先生。

武蔵中K先生

モーツァルトに関して君たちが色々と調べたり、
本などに書いてあることを・・・

武蔵中K先生

そうした事実を自分なりにまとめたり、
書くことは良い・・・

武蔵中K先生

君たちの勉強に
なるからだ・・・

「よく学んだ話」になるかと思いきや、K先生は続けて、

武蔵中K先生

ただし、
そればかり、ダラダラとレポートに書くな!

武蔵中K先生

私が聞きたいのは、
君たちの意見なんだ!!

こうK先生から叱咤激励を受けたのでした。

音楽は入試にはありませんし、芸術的側面もあります。

そのため、少し特殊かもしれませんが、求める傾向は似ています。

僕がいた頃の武蔵中学は、社会科や音楽は非常に面白い先生ばかりでした。

独特・特殊で、とても面白い授業をされる方ばかりでした。

今の武蔵中学とは少し違うかも知れませんが、

武蔵中高教員

私が聞きたいのは、
君たちの意見なんだ!!

このような「武蔵独特の姿勢」は残っているでしょう。

「試験で点数を追い求める姿勢」が強くなると、

男子小学生

何を書けば、
良い点数がもらえるか?

このような「良い点数を求める」姿勢が強くなりがちになります。

この「何を書けば良いか」という姿勢は、「答えは何か?」という姿勢です。

そして「答えが分かっている」前提です。

対して、記述問題を出題する学校の目的は、

記述の出題者

明確な答えがない時、
「答えを作る・見出す」力を持ってほしい・・・

このような「志願者の自主性」を求めているのでしょう。

「自ら答えを作る」姿勢:気づいたことを書く

左上から時計回りに東郷平八郎 連合艦隊司令長官、大山巌 満州軍総司令官、児玉源太郎 満州軍総参謀長、秋山真之 第一艦隊参謀(Wikipedia)

記述式の学校の多くは、「自らの意見を持つこと」が最も奨励されます。

記述式は「しっかりした理解度を問う」問題です。

「独自性を持つ子供かどうか」を面接ではなく、紙に書いてもらうことで判断しています。

「様々な答えが考えられる」タイプの記述式試験。

「思ったことを遠慮なく、むしろハッキリと主張して」書きましょう。

その「独自の考え方」を各中学校の採点者は待っているのです。

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麻布中では、鹿鳴館の風刺画の問題が出題されました。

この問題を考えるポイントを、上記リンクでご紹介しています。

ここでは、「共通することを答える」ので、「ある程度、答えの範囲がある」問題です。

「絵・グラフなどの資料を見て共通点・相違点」を考える社会の問題では、よく観察しましょう。

「理科実験のような気持ち」が良いでしょう。

風刺の内容・解答例

・外面ばかり西洋化しても、内面は猿のような人物であること

・外面と内面が乖離していること

この風刺画は、「外面ばかり西洋化している日本」を、小馬鹿にしている欧米の視点があります。

解答例のようなことを書くことが「求められている」のですが、採点者によって点数は様々でしょう。

この風刺画のように、「文明開花の頃の日本を馬鹿にした」風刺画はたくさんあります。

そのため、「文明開花の頃の日本は欧米から馬鹿にされていた」ことを知っていると答えやすいです。

一方で、それを「知らなくても良い」のが記述問題の方向性です。

解答例のように、当時の社会情勢を総合的に書ければ最も良いですが、

男子小学生

人が映るはずの鏡に猿が
映っている・・・

男子小学生

これは、どういう
ことなのだろう?

「どういうことだろう?」と「分からない」場合もあるでしょう。

男子小学生

こういうことな
気がするけど、合っているかな・・・

あるいは「答えに自信がない」場合もあるかも知れません。

考えてわかればよいですが、

男子小学生

ちょっと
分からない・・・

このように「答えになるであろうこと」が分からない時。

そういう時でも白紙にしないで、何か書くようにしましょう。

「人が映るはずの鏡に猿が映っている」という「観察した事実」だけでも、

採点者

これは、しっかりと
絵を観察出来ている・・・

採点者

「猿」から風刺画の視点を
書いてほしいけど・・・

採点者

大事なポイントはしっかり
分かっているから、〜点かな・・・

このように点数が入ることもあるでしょう。

ある程度の範囲で色々書けるに解答対して、ハッキリ個性を出すことが求められている記述問題。

記述問題を出す中学校を志望する場合は、「自ら答えを作る」姿勢が大事です。

理科・社会で「ハッキリと・思い切り自らの意見を書く」を、念頭に考えましょう。

合格に大きく近づくでしょう。

次回は下記リンクです。

新教育紀行

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