動く点と図形の面積のグラフを描くコツ・ポイント〜まずは最大・最小・最も大きな特徴を考える・図形の対称性とグラフの対称性・問題10(5)解法〜|中学受験・算数実践59

前回は「動く点と出来る図形の面積のポイント〜大体の傾向をつかむ・グラフを理解・グラフを描いてみる・問題10(5)〜」の話でした。

目次

問題10(5)(再掲載)

動く点と図形の面積のグラフを描くコツ・ポイント

動点と正三角形(新教育紀行)
動く点と正三角形(新教育紀行)

点Fが辺BA上をBからAに移動するとき、正三角形HFCの面積は「Fが辺ABの中点」の時、最小となります。

そして、「正三角形HFCの面積がどのように変化するかのグラフ」を具体的に考えてみましょう。

グラフを描く考え方(新教育紀行)

グラフを描くときは、部分的に描かず、全体を描くようにしましょう。

ここでは、BからAに向けて点F(動点P)が動いてゆきます。

動く点は「動点P」と表記されることが多いです。

今回のような問題では、縦軸の「最小値から下」は関係ないです。

実験問題(新教育紀行)

理科の実験問題では、「縦軸・横軸が0から始まる」ことが多いです。

実験では「0以下(マイナス)が大事なこと」もありますが、それは高校以上なので「0以上」とします。

確かに
実験問題では、温度とか長さとか0〜あるね・・・

でも、関係ないなら
あっても意味ないんじゃないのかな・・・

「関係ない」ですが、上の方だけ考えると全体的なスケール感が分からなくなってしまいます。

この問題のように「変化する割合」を考えるとき、「〜%はどのくらいの量か」を実感することが大事です。

方眼紙(Wikipedia)

方眼紙などに、縦軸も横軸も、原点0が現れるように描きましょう。

グラフの描き方

・全体的なスケール感が大事

・原点(0)が表示されるように、大きく描く

ここでは「画面の分かりやすさ・見えやすさ」を重視して、上部のみ表現します。

まずは最大・最小:最も大きな特徴を考える

動く点と正三角形(新教育紀行)

(4)で△FCHの面積の最小値は75と分かりました。

「動点Fが点B」にある時、そして「移動した最後=点A」にある時は、面積は最大の100となります。

動点Fが点Aにある場合は、具体的に考えなかったですが、矢印の話を考えると分かるでしょう。

矢印と図形問題(新教育紀行)

これらを元に、まずは最大・最小を考えます。

まずは
「最大と最小」なの?

グラフを考えるとき、グラフを読むときは「最も特徴的な状況」を把握することが大事です。

確かに
「最大と最小」は大きな特徴だね!

グラフを理解する・描く

・最も大きな特徴である「最大・最小」を把握

・グラフの直線・曲線の大体の雰囲気と傾向を把握

グラフを描く考え方(新教育紀行)

具体的に「最大と最小となる点」をプロットしてみましょう。

横軸は「辺BAの距離=1.0」と考えましょう。

辺BAの中点Mは、1.0/2=0.5の位置となります。

上のグラフで赤い点が「最大と最小となる点」をプロットした点です。

図形の対称性とグラフの対称性

グラフを描く考え方(新教育紀行)

次に「寄り道」で分かった、76と84をプロットしてみましょう。

(1)(2)で問題には出ませんでしたが、寄り道で考えたことが「問題で誘導されている」と考えます。

ここからは、大事な対称性を考えてみましょう。

動点Fが辺BCの中点Mにある時を境に「同じ」になります。

正三角形の対称性(新教育紀行)
図形の対称性

・ある線で折り返すと、きれいに折り返せる(折り返したら同じ)

・対称性のある図形には、様々な特徴(辺の長さが等しい、角度が等しい)がある

そこで、面積のグラフも同様に「対称性をもつ」ことになります。

グラフを描く考え方(新教育紀行)

図形が「対称性を持つ」とグラフは、どうなるでしょうか。

図形的に「折り返して同じ」
だから・・・

あっ、
ひょっとして!

この続きの話は、次回ご紹介します。

新教育紀行

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