合格の可能性の伸ばし方〜試験終了間際に解法に気づいた時・試行錯誤の痕跡を描く姿勢・考えていることは、どんどん書く:懸命に取り組む姿勢・学校側が欲しい人材へ・「積極的に書いて・描く」姿勢〜|中学受験・算数

前回は「突破力の伸ばし方〜算数の入試問題・様々な工夫・過去問の取り組み方・得点力を高める・状況をしっかり・明確に理解する姿勢・瞬発力を鍛える姿勢〜」の話でした。

目次

試験終了間際に解法に気づいた時

図形問題:辺の比に注目(新教育紀行)

上の図において「AS : SP」を求める問題。

面積比・辺の比のそれぞれに注目する解法を、ご紹介しました。

記述式や「考えるプロセスを書きなさい」というタイプの本試験・本番で、

なかなか、
上手くいかないな・・・

と試行錯誤して、色々と補助線を引いてみます。

図形問題:辺の比に注目・図形の外に出る(新教育紀行)

試行錯誤を続けて、「図形の外」に補助線を引いてみたら、

あ、これで
いけそうだ!

と思うけど、もうすぐ時間切れです。

でも、もう
30秒しかない・・・

これでは、
答えまではいかなそうだ・・・

と考えます。

こういう時は、

せっかく、もう少しで
出来たのに・・・

とがっかりせずに、

よし、分かるところまでは、
最後の最後まで解いてみよう!

とポジティブに考えて、一生懸命答案に書いてみましょう。

試行錯誤の痕跡を描く姿勢

f:id:Yoshitaka77:20211101153650j:plain

このような時も、「分かっているところまで」は、きちんと表現する姿勢が大事です。

そして、実際に「補助線を引いた」ところで、

それでは、
終わり!

となったとします。

「最後の最後まで頑張った」のですが、「補助線を引いて」終了してしまいました。

図形問題:辺の比に注目・図形の外に出る(新教育紀行)

上の図では、問題文の比に補助線しか描かれてないです。

そして、「自分で求めた比」は、何も書かれていません。

さすがに、
これでは点にならないんじゃない?

ところが、「問題を解く鍵」である「外部に線を延長する補助線」の発想が出来ています。

そして、肝心の「相似三角形を見出す補助線」もきちんと引かれています。

それはそうだけど、
何も解いてないよ・・・

最も大事なポイントは押さえられていて、解答に辿り着ける痕跡は明確に分かります。

まだ解答のはじめだから、
「何も解いてない」と同じじゃない?

とお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。

少なくとも、カラーのある名門校の数学教師がこの答案を見て、

これは
0点!

とする可能性は「非常に低い」でしょう。

むしろ、考え方としては発展性があるように感じます。

「与えられた図形内で収まっている」のではなく「図形の外に出ている」からです。

考えていることは、どんどん書く:懸命に取り組む姿勢

図形問題:辺の比に注目・図形の外に出る(新教育紀行)

この補助線を引いた後、答えに至るまでは「いくつかの相似形」に着目して考えます。

そのため、「大事な補助線を引いた後」に「しっかりとした相似形の考え」が必要です。

一方で、「一生懸命補助線を考えて、引いた」姿勢は大事です。

それこそが「大事なポイント」です。

その後、「相似形を作って、比を少しずつ押さえてゆく」より、難しいでしょう。

懸命に取り組む姿は微笑ましく、そういう努力をする子は、どの学校も「欲しい」のです。

塾の模試では、上記のような例は

これは
0点!

になるかもしれません。

塾の考え方次第です。

これは、「塾の考え方の優劣」ではなく、「志望校の思考性」と「塾の思考性」に違いです。

模試は懸命に取り組むべきですが、模試は「点数をつけて合格力を測る」です。

入試は学校が「欲しい生徒(人材)」を選出するプロセスです。

こここそが、「模試と本試験の最大の違い」です。

模試と本試験の違い

・模試:点数をつけて、受験生の合格力測定・判定

・本試験:学校が「自校が望む・欲しい生徒・人材」を選出するプロセス

学校側が欲しい人材へ:「積極的に書いて・描く」姿勢

武蔵中学・高校のヤギたち(新教育紀行)

「生徒を採用する側」であれば、成績だけが判断の基準にはならないと考えます。

単純な成績優秀者だけでなく、「将来的に発展しそうな子」を採用(入学)したくなるものです。

受験時に、ある程度の学力があることも
大事なことだが・・・

「なんらかの特殊才能がありそうな」生徒に、
ぜひ入って欲しい。

そして、「何か本質的なこと」の痕跡だけでも、それを発見すると、

お、いいね!

と考えるでしょう。

そのために、記述式や「プロセスを書いてください」という「採点が大変」な形式にしているのです。

そこで、懸命に取り組んでいる姿を、堂々と目一杯表現しましょう。

そして、「学校側が欲しい人材」になってみましょう。

僕は一生懸命、
この学校に入るために努力してきました!

これだけの力を
持っています!

と紙の上でアピールしてみるのです。

そういうアピールのある解答・答案をみると、採点者は、

うん、
なかなか良い!

よし、
一生懸命頑張ったね!

と点をあげたくなるものです。

そうした姿勢は、「本試験だから出来る」ことかも知れません。

日頃の勉強の時から、「出来るだけ頑張る姿勢」を持って学ぶことが大事だと思います。

そのためには、日頃の勉強で「積極的に書いて・描く」姿勢で取り組んでみましょう。

新教育紀行

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