前回は「回路のわかりやすい考え方 3〜回路全体をイメージ 1〜」の話でした。
合成抵抗を求める

回路を流れる電流・電圧の全容が分かりました。
今回は、合成抵抗を考えてみましょう。
「合成抵抗」って難しく感じるよ。
公式は暗記したよ。
「合成抵抗」というと、確かに「難しそうな」言葉ですね。
名前の通り「合成した」だけで、「抵抗をまとめる」とイメージしましょう。
回路をA,Bに分けて、順次考えましたが、回路が下のようですと、すぐに分かりますね。

同じ電池(電圧)で、「抵抗が1つだったら、どうなるか」を考えます。

これを「基本的回路」と呼びましょう。
「基本的回路」の電流と、先ほどの回路の電流を比較しましょう。

同じ電池(電圧)なので、等式が出来ます。

すると、「基本的回路」の電流と、先ほどの回路の電流の関係式がわかります。

これまで考えてきた、AとBの部分をまとめて「一つの抵抗だったら」と考えましょう。
でも、一つじゃないよね。
「まとめたら、どうなるか」をイメージしましょう。
それが「合成したら、どうなるか」です。

基本的回路と比較すると、同じ電圧で電流が、6/7倍になりました。
そこで、電流x抵抗が同じですから、抵抗は逆数の 7/6倍になります。

この7/6を「合成抵抗」と呼びます。
これで、合成抵抗が分かったわ。
こういうことだったのね。
公式を理解する大事さ
算数実践で、「公式を考える・理解する大事さ」をご紹介しました。
理科も同様で、電気・かっ車などの「公式」は理解しましょう。
電気は、基本を学んだ後に「合成抵抗は、この逆数とこの逆数を足して、そして逆数にすると求まります」と教わります。
「こうすれば求まります」は、試験では有用ですが、最も大事な「理科への好奇心」が失われます。
公式を使うとパパッとできる問題もありますが、上記のように「原理的に考える」としっかり、全て分かります。
理科はイメージして、描いて、全体を理解するようにしましょう。
複雑な回路の問題も、慣れると抵抗と電流の関係から、短い時間で全容が把握できるようになります。
それには、最初は描いて、しっかりイメージが大事です。