アインシュタイン 10〜イタリアへ〜|若き頃のエピソード

前回は「アインシュタイン 9〜逃避行〜」の話でした。

科学者 Albert Einstein(Wikipedia)
目次

イタリア・ミラノへ

ミラノ(新教育紀行)

軍隊なんか、
大嫌いだ!

ビスマルクの元、軍国主義に近い帝国主義へまっすぐ向かっていたドイツ。

そのドイツで窒息しそうになったアインシュタイン。

ドイツ宰相 Otto von Bismarck(Wikipedia)

ドイツの雰囲気は
僕には合わない・・・

16歳になったら強制的に兵役につかされることは、

何がなんでも
嫌だ!!

根っからの自由人的発想だったアインシュタインには、兵役などもってのほかでした。

そして、一人置いてかれたドイツから、家族のいるイタリアへ向かったのでした。

ヨーロッパの「精神的中心」と言われるイタリア。

現在では「ヨーロッパ」というと、まずは「英独仏」の三強が挙げられます。

左上から時計回りにスナーク英首相、ショルツ独首相、メローニ伊首相、マクロン仏大統領(Wikipedia)

イタリアは、どうしても四番目という位置になります。

一方で、昔から「ヨーロッパの文化の中心」とも言えるローマの存在が光ります。

そして、ルネサンスの中心地であるフィレンツェもあるイタリアは、ヨーロッパの方々にとって「花の都」なのです。

そのイタリアに駆け込むようにして逃げたアインシュタイン。

ドイツと
全然雰囲気が違う!

軍国主義で覆われたドイツに比べて、自由な雰囲気のイタリアで伸び伸びします。

生まれた国の国籍を放棄:無国籍へ

イタリアに来た16歳のアインシュタイン少年は、重大な決断をします。

なんと、

もう、ドイツの
国籍はいらない!

ドイツ国籍を放棄してしまいます。

当時、国籍放棄の手続きは難しいことではなかったようです。

しかし、他国の国籍を取得するのは容易ではありません。

「他の国の国籍があるから、ドイツ国籍を手放す」のなら、まだ分かります。

しかし、当時のアインシュタイン少年は「ドイツ国籍しか有していなかった」のです。

「無国籍」となったアインシュタイン。

これを16歳にして決断したアインシュタイン少年は、よほど思い切りの良い子だったのでしょう。

例えば、あなたが日本人で「日本国籍を有する」時、様々な意味であなたを日本国が守ってくれます。

日本にいる間は「日本国籍を有する人間」として適切に処遇される権利があります。

あるいは、外国に滞在している時に思わぬことが起きた時、日本大使館や総領事に駆け込めば、

日本の国籍を
持つ方ですね。

日本政府が
お守りしましょう。

と現地の外交官などの方が守ってくれます。

それが、「無国籍」となると親や親族が守ってくれても、「守ってくれる大きな存在=国」がなくなります。

これは、非常に心細いことです。

まして、ドイツの国外であるイタリアにいるアインシュタインにとって、「無国籍」は辛い立場のはず。

でも、
無国籍でいいの!

パスポートが強い国

良い面もあれば、悪い面もたくさんある日本。

欧米と比較すると画一的な教育といわれ、「引かれたレールを歩く」ことを求められる面も多いです。

「国籍」というと、真っ先に関係があるのがパスポートです。

外国に行った経験がある方は分かりますが、海外に行ったら「まずはパスポート」となります。

到着した空港などで、まずパスポートを差し出して、「私は〜人(国籍)です」と申告する必要があります。

各国の外交関係によって、「Visaの取り扱い」が異なり、国によって「パスポートの強さ」があります。

それでは、日本は「どの程度パスポートが有効な国」なのでしょうか。

日の丸:日本の国旗(Wikipedia)

2023年は「世界2位」です。

近年、「世界で最もパスポート強い国:1位」にも何度かなった実績のある日本。

2023年はシンガポールに抜かれて2位となりましたが、それでも「菊の紋章」のパスポートは非常に強いのです。

雑誌TIMEの「有志以来の100人」に一人も入らない日本。

世界中を揺るがせているウクライナ戦争では、欧米・ロシア・中国などの話ばかりで、日本は「蚊帳の外」です。

それでも、「パスポートで自由に行ける国が非常に多い」のは非常に大きなことです。

僕は
無国籍・・・

ドイツ国籍放棄後、5年ほどの間「無国籍」であったアインシュタイン少年。

16歳から20歳くらいの間、不安だったに違いないでしょう。

若くして、「自らの道をゆく」大いなる決断しました。

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