前回は「アインシュタイン 10〜イタリアへ〜」の話でした。

無国籍のアインシュタイン少年
ドイツ国籍を放棄したアインシュタイン少年。
ドイツ国籍以外に他の国籍を保有しているならば、この決断は分からなくはないです。
しかし、「ドイツ国籍しか持っていなかった」アインシュタイン少年。

僕は
無国籍・・・
ドイツ国籍がなくなった瞬間に「無国籍人」となってしまいました。
この後5年ほどの間、16歳から20歳の間を無国籍で過ごしました。
「無国籍」というとアインシュタインの時代から少し遡りますが、脱藩者であった坂本龍馬が思い浮かびます。
脱藩者・坂本龍馬





土佐藩を
脱藩したぜよ!
当時、「藩=国」のような存在でした。
そのため、土佐藩を脱藩した坂本龍馬は、いわば無国籍の人間となりました。



無国籍ぜよ。
「薩長連合の立役者の一人」として八面六臂の活躍をした坂本龍馬。
後世の私たちからみると、幕末で「最もカッコいい男性」最有力の一人である素浪人・坂本龍馬。
僕もカッコいいと
思う。
しかし、「土佐藩の背景」を持たなくなった坂本龍馬。
代わりに「自分の背景」を一生懸命求めます。


そこで出会ったのが、勝海舟でした。
自由のメリット



勝先生の弟子に
してください!



面白そうな
奴だな。



ま、
いいだろう。
当時、徳川幕府の最有力者の一人であった勝海舟。
「土佐藩の枠」を脱して自由となった坂本龍馬は、自由人でありながら徳川幕府の力を背景にします。



徳川幕府の
内部から世を変えたい!
龍馬の発想は、土佐藩士ではないデメリットを「メリットに転換」することでした。
そして、時代を切り拓いて行こうと考えます。



徳川幕府は
新たな時代に合わせて、大改革の必要がある!
幕府の機関である海軍伝習所の類似機関である「海軍操練所」を作った勝。



新たな世には
海軍が必要だ。
龍馬たちに「海軍の実践」を学ばせます。



みんな、
頑張れよ!



頑張るぞ!
しかし、幕府から見たら、この海軍操練所の面々は「激徒」であり「危ない連中」でした。
勝は、
不穏な連中を操練所に集めている。
あの海軍操練所は
潰した方が良さそうだな。
そのため、1年経たずに廃止となりました。



えっ、
もう終わり?!
龍馬はとてもガッカリしたでしょう。
当時、徳川幕府において勝麟太郎(海舟)は政治力をある程度持っていました。
しかし、勝の性格もあり、勝には敵が多かったのです。
自由のデメリット
この時、龍馬は海軍操練所の塾頭として活躍していました。
いくら勝海舟の庇護があると言っても、所詮は脱藩人です。
坂本って誰?
土佐藩を
脱藩した人物らしいが・・・
そいつは
大丈夫なのか?
幕末末期は「脱藩して活動する」のが流行っていました。
後の世からみると「幕末」ですが、当時はバリバリの「徳川幕府の世」だったのです。
国家体制とも言える幕藩体制の中にあって、ほとんどの藩士は「藩の意向に従って行動」していたのです。
「自分の藩を背負って生きる」ことは、藩のレッテルが貼られてしまいます。
そのため生きにくい状況もありましたが、なんと言っても
拙者は
A藩の藩士で・・・
と言えば、
ああ、A藩の
方ですか。
となり、信用につながります。
龍馬としては、



もう土佐藩には
居たくない!
という非常に強い意志で脱藩して、いわば無国籍となったのです。
土佐藩士ならば、
土佐藩士の
坂本さん。
となり、土佐藩は比較的大きな藩だったので影響力もあります。
「大きな藩の影響力」は、すなわち「大きな信用力」となります。



やはり、
脱藩人は信用がないのかな・・・
徳川幕府の老中・若年寄などの政治家・官僚から見たら、「脱藩人」は「よく分からない存在」だったのです。
自由を愛するアインシュタイン少年



デメリットも
多いけど・・・





ドイツの軍国主義的
発想は絶対嫌!



僕は自由に
生きたい!
高校生の年齢にして、実に思い切った決断をしたアインシュタイン少年。
イタリアの地で、新たな人生を模索します。



将来、どこの国籍を
持つことになるんだろう・・・
飛び回る龍馬
自由のメリットを噛み締めていた龍馬は、「自由のデメリット」で挫折を味わいます。
「無国籍」の龍馬は、一面恵まれた環境にありました。
実家が「才谷屋」という商売をしていて、非常に裕福だったのです。
全国を行脚して八面六臂の活躍をした龍馬でしたが、旅はお金がかかります。



お金が
どんどんかかる・・・
時には、



お金が
なくなってきた・・・
という時もありますが、その時は実家に連絡して、



お金を
下さい。
と言えば、大金が貰える環境にいたのです。
実家が非常に裕福だったからこそ、龍馬は脱藩できた面も現実としてはありました。
日本を飛び回っていた龍馬は、ある人物に出逢います。

