前回は「不安を落ち着いた気持ちへ〜岩倉具視「もう少しだけ耐えて飛翔」・鋼鉄の精神を持つ男・異常な迫力を持っていた岩倉具視・忍耐から生まれる力〜」でした。
世阿弥「初心を貫く」:初心忘るべからず
![新教育紀行](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/Fuji37m.jpg)
今回は世阿弥の言葉です。
世阿弥は、室町幕府の足利義満将軍の頃に活躍しました。
そして、能の奥義をまとめた「風姿花伝」を著したのです。
能は日本の伝統芸能の非常に重要な一つです。
世界に対して日本の文化を発信するにあたり、世阿弥の功績は計り知れないものがあります。
世阿弥は、こう言っています。
ただ、返すがえす
初心忘るべからず!
ただ、返すがえす、初心忘るべからず!
挫折をよしとする気持ち:西郷隆盛の二度の島流し
![新教育紀行](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/230319NSKB129m.jpg)
世阿弥に様に、文化を芸術の高みにまで昇華させる人物でも、
なかなか、
上手くいかない・・・・
どうしても
思っていた方向と違う・・・
悩んだ時期があったはずです。
それでも世阿弥は、
自分の初心を
忘れないで、とことん貫いてゆこう!
と考えて、大変大きな足跡を残しました。
この世阿弥の「成し遂げたこと」は、世阿弥自身が持って生まれた能力によることも大きいでしょう。
「持って生まれた能力」をどのような方向に持っていくかで、人生は全く異なった結果になります。
私は、この道を
選んだのだから、これを貫こう!
誰しも「挫折しかける」時は必ずあるものです。
むしろ「挫折したことがない」方は、意外と大成しないものです。
![新教育紀行](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
薩摩藩士の下級藩士出身の立場ながら、明治維新の原動力の最も大きな一人となった西郷隆盛。
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
おいどんは、
二度も島流しになったごわす!
一度目:1859年2月から1862年2月の三年程:奄美大島
二度目:1862年7月から1864年2月の一年半程:沖永良部島
合計四年半ほどの「あまりにも長い時間」を島流しで過ごした西郷。
島流しの経験は一度で十分ですが、二度も島流しにあった西郷。
これは、「幕末の時代」だから起きた事態でしたが、西郷の性格にも多大な問題がありました。
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg?resize=80%2C80&ssl=1)
皆が、鹿児島や江戸・京で
活躍しているのに・・・
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg?resize=80%2C80&ssl=1)
おいどんは、
ここで人生を過ごすのか・・・
特に二度目の沖永良部島への島流しは、壮年時代の一年半にも及び、本当に死にかけた西郷。
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/746ddd7a718208edd3a11373181bb499-1.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/746ddd7a718208edd3a11373181bb499-1.jpg?resize=800%2C800&ssl=1)
わざわざ藩主である島津久光に、
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg?resize=80%2C80&ssl=1)
あなたは地ゴロ(田舎者)ですから、
大したことは出来ません・・・
と喧嘩を売った西郷隆盛。
封建時代は、現代では考えられないほど藩主(国父であった久光は事実上)は強権を持っていました。
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/746ddd7a718208edd3a11373181bb499-1.jpg)
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/746ddd7a718208edd3a11373181bb499-1.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/746ddd7a718208edd3a11373181bb499-1.jpg?resize=80%2C80&ssl=1)
こ、
こやつ・・・・・
藩主が、
お前は
切腹!
と決定すれば、脱藩でもしない限りは「切腹しなければならない」異常な世界です。
挙げ句の果てに、久光との約束を違えた(諸説あり)西郷は、
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/746ddd7a718208edd3a11373181bb499-1.jpg)
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/746ddd7a718208edd3a11373181bb499-1.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/746ddd7a718208edd3a11373181bb499-1.jpg?resize=80%2C80&ssl=1)
もうお前は
さらに遠くへ島流し!
であり、島津久光としては、
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/746ddd7a718208edd3a11373181bb499-1.jpg)
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/746ddd7a718208edd3a11373181bb499-1.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/746ddd7a718208edd3a11373181bb499-1.jpg?resize=80%2C80&ssl=1)
切腹させたいが、
過酷な環境に追い込み、死ぬのを待とう・・・
という本心があったでしょう。
九州・鹿児島とは全く異なる、熱帯地方の島で「吹きさらし」の牢屋に入れられた西郷は、
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg?resize=80%2C80&ssl=1)
こ、これは・・・
本当に死んでしまう・・・
本当に死を感じるほどの環境に一度は追い込まれました。
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg?resize=80%2C80&ssl=1)
おいどんは、
ここで朽ち果てるか・・・
月照との自殺未遂もあり、少なくとも二度「明確に死にかけた」経験を持っていた西郷。
幕末の武士は「死と隣り合わせ」の経験を持つ人物が多数いた時代です。
ところが、「死と隣り合わせ」と「本当に死にかける」ことは全く異なります。
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg?resize=80%2C80&ssl=1)
おいどんは、
何度も死にかけたごわす・・・
この異常な経験が、「西郷隆盛を西郷隆盛ならしめた」と言えるでしょう。
もし、「島流しが一度もなかったら」と仮定した時。
幕末の西郷隆盛の「超人的な活動」は、なかったでしょう。
この意味では、「挫折もまたよし」と考えることが大事です。
この「死ぬほどの挫折」まで経験する必要はないとしても、「ある程度の挫折」は人を強くします。
「合格できる」と思う強い気持ち
![新教育紀行](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/110706Musashi124m-1.jpg)
![新教育紀行](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/110706Musashi124m-1.jpg?resize=800%2C600&ssl=1)
受験生の方々にも、ぜひ「初心忘るべからず」当日まで過ごして欲しいと思います。
西郷のように、
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg?resize=80%2C80&ssl=1)
何度も死にかけた
ごわす・・・
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/855254600beda1823dd1165a0d0eedc6.jpg?resize=80%2C80&ssl=1)
四年半ほども
島流しになったごわす・・・
という方もいます。
「時代が違う」ので西郷のこの挫折は現代日本では、経験することは出来ないです。
模試の成績が
思ったより良くなくて・・・
合格判定が
下がっちゃった・・・
これらの「模試の成績」や「合格判定」は、受験生にとっては非常に大事です。
ところが、最終的には「合格できれば、どうでも良いこと」でもあります。
模試の
成績が・・・
と悩むこと。
それは、のちになってみたら「どうでも良いこと」を悩んでいるかもしれません。
それよりは、
模試の経験を
活かそう!
と考えることが遥かに大事なことです。
もう少し「初心」を固く守って、日々過ごしましょう。
少しでも学力を高めて、健康に過ごして試験当日へ向かってゆきましょう。
そして合格を勝ち取りましょう。
次回は下記リンクです。