前回は「偏差値と低学年の教育 2」の話でした。
受験・受験業界に欠かせない存在「偏差値」

「偏差値」は、受験・受験業界に欠かせない存在となっています。
とにかく、
A中学の偏差値は〜、
B中学の偏差値は〜・・・
とすぐになります。
模試を受けると、子どもたちは、偏差値によって序列化されます。
さらに、偏差値によって「合格判定」が下されます。
あなたの偏差値は
63です。
あなたの第一志望校の偏差値は
65です。
よって、あなたの合格可能性は
60%ほどです。
これは「一つの例」です。
このような感じで、中学受験〜大学受験全てにおいて、「偏差値抜きには語れない状況」となっています。
特に小学校低学年の子どもには、この数字は当てはめないで欲しいです。
中学受験の偏差値:志望校と子ども

上の記事内では、「サピックスで偏差値50(=平均的学力)が高校受験の偏差値70」と表現されています。
これは、「行きすぎた偏差値中心主義」であり、「誤った偏差値の解釈」と考えます。
中学受験しない小学生の中に、学校の勉強をしっかりやっている優秀な子供がいます。
そういう子は、各学校に一人か二人はいると思います。
そういう子は高校受験〜大学受験の時に頑張って、成果を出すのでしょう。
「中学受験するかどうか」は、親や家庭の考え方に過ぎないと考えます。
「中学受験する」ことも「中学受験生」も特別視する必要はないのです。
この記事を見て、「高校受験生を低く評価しすぎでは」とも思いました。
ならば「サピックスの模試で偏差値60の子供は、高校受験における偏差値いくつなのか?」と思ってしまいます。
50→70以上(72くらい?)相当であれば、60→80といかなくても、75〜77程度にはなるでしょう。
試験の内容や母集団によりますが、「偏差値75以上」というのは、かなり高いハードルです。
そもそも、全然違う存在である小学生(中学受験生)と中学生(高校受験生)を「比較する」こと自体、無理があります。

偏差値に対する姿勢
偏差値は、同一目標の「ある母集団」によって大きく変わるものです。
学習内容や学年が異なる場合で、比較することに「意味がない」のです。
子どもが塾の模試などを受けて、偏差値が出ている場合、良いならそれはそれで良いでしょう。
あっ、僕の今回の偏差値は、
第一志望校の偏差値を超えた!
良かった!
続けて頑張ろう!
「良くない時」が問題です。
私の第一志望校の偏差値は、
67なんだけど・・・
私の偏差値は
65だった・・・
あと2・・・
あと2増やさないと・・・
と、子どもたちは大変です。
良くなければ、あまり気にしすぎない方がよいでしょう。
気にしなくて
いいの?
どうしても気にはなるでしょうから、その試験・模試の復習に集中しましょう。
そして、一生懸命「出来なかった問題」をしっかりと理解して、
次、似た問題が出たら、
絶対できる!
ようにしましょう。
合格判定やコメント等は、「参考程度にする」のが良いでしょう。
合格を目指す姿勢:学力を上げる
また、勉強して高い点数を目指す姿勢は大事ですが、「偏差値を上げること」が目的ではありません。
最終目的は学力を上げて、「志望校に合格すること」であることを念頭において頂きたく思います。
学力をあげれば、偏差値も一緒に上がってくれます。
・学力を上げること
・「偏差値を上げること」は特段考えない
・学力をあげれば、偏差値も自然と上昇してゆく
子どもが小学校4年生以下の親は、「偏差値という数字」に惑わされず、幅広い興味を持ってもらうようにしましょう。
そうでないと、「偏差値という数字」ばかり追い求めるようになってしまう懸念が出てきます。
小学校5年からは、「少し気にする」気持ちが良いでしょう。
そして、小学校6年からは「志望校合格への参考値」として偏差値、合格判定とは付き合うのが良いように思います。
子どもが、
最近、理科が
結構好き・・・
とか、
なんだか、
歴史が楽しくなってきた!
になると、勉強が楽しくなり、成績も上がり、好循環になってとても良いでしょう。
好きな科目ができることは、子どもの長期的な成長につながります。
そして中学受験〜大学受験においても、志望校に合格しやすいでしょう。