偏差値と学力〜受験・受験業界に欠かせない存在「偏差値」・合格を目指す姿勢・偏差値ではなく学力を上げる〜|中学受験・高校受験・大学受験・子どもの教育

前回は「偏差値と小学校低学年の教育〜低年齢化する中学受験の通塾開始学年・過熱化する中学受験界と小学生たち・小学校低学年の学びと本質的な学力・幅広い興味と好奇心〜」の話でした。

目次

受験・受験業界に欠かせない存在「偏差値」

武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

「偏差値」は、受験・受験業界に欠かせない存在となっています。

とにかく、

A中学の偏差値は〜、
B中学の偏差値は〜・・・

とすぐになります。

模試を受けると、子どもたちは、偏差値によって序列化されます。

さらに、偏差値によって「合格判定」が下されます。

あなたの偏差値は
63です。

あなたの第一志望校の偏差値は
65です。

よって、あなたの合格可能性は
60%ほどです。

これは「一つの例」です。

このような感じで、中学受験〜大学受験全てにおいて、「偏差値抜きには語れない状況」となっています。

特に小学校低学年の子どもには、この数字は「参考程度」にするのが良いと考えます。

中学受験の偏差値:志望校と子ども

新教育紀行
武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

偏差値が絶大な影響力を持つ中、「偏差値を上げ方」が受験を制する鉄則のように語られます。

ところが、偏差値は「一つの指標」に過ぎない数字です。

場合によっては、「中学受験と高校受験の偏差値を比較」している記事も見受けます。

これは、「行きすぎた偏差値中心主義」であり、「誤った偏差値の解釈」と考えます。

中学受験しない小学生の中に、学校の勉強をしっかりやっている優秀な子供がいます。

そういう子は、各学校に一人か二人はいると思います。

そういう子は高校受験〜大学受験の時に頑張って、成果を出すのでしょう。

「中学受験するかどうか」は、親や家庭の考え方に過ぎないと考えます。

「中学受験する」ことも「中学受験生」も特別視する必要はないのです。

ある中学受験の大手塾の模試で「偏差値50は、高校受験の偏差値70」という記事を見かけました。

この記事を見て、

高校受験生を
低く評価しすぎでは・・・

と思いました。

ならば、

大手塾の模試で偏差値60の子どもは、
高校受験における偏差値いくつなのか?

と思ってしまいます。

50→70以上(72くらい?)相当であれば、60→80といかなくても、75〜77程度にはなるでしょう。

試験の内容や母集団によりますが、「偏差値75以上」というのは、かなり高いハードルです。

そもそも、全然違う存在である小学生(中学受験生)と中学生(高校受験生)を「比較する」こと自体、無理があります。

合格を目指す姿勢:偏差値ではなく学力を上げる

偏差値は、同一目標の「ある母集団」によって大きく変わるものです。

学習内容や学年が異なる場合で、比較することに「意味がない」のです。

子どもが塾の模試などを受けて、偏差値が出ている場合、良いならそれはそれで良いでしょう。

あっ、僕の今回の偏差値は、
第一志望校の偏差値を超えた!

良かった!
続けて頑張ろう!

「良くない時」が問題です。

私の第一志望校の偏差値は、
67なんだけど・・・

私の偏差値は
65だった・・・

あと2・・・
あと2増やさないと・・・

と、子どもたちは大変です。

良くなければ、あまり気にしすぎない方がよいでしょう。

気にしなくて
いいの?

どうしても気にはなるでしょうから、その試験・模試の復習に集中しましょう。

そして、一生懸命「出来なかった問題」をしっかりと理解して、

次、似た問題が出たら、
絶対できる!

ようにしましょう。

合格判定やコメント等は、「参考程度にする」のが良いでしょう。

また、勉強して高い点数を目指す姿勢は大事ですが、「偏差値を上げること」が目的ではありません。

最終目的は学力を上げて、「志望校に合格すること」であることを念頭において頂きたく思います。

学力をあげれば、偏差値も一緒に上がってくれます。

受験勉強の目的

・学力を上げること

・「偏差値を上げること」は特段考えない

・学力をあげれば、偏差値も自然と上昇してゆく

子どもが小学校4年生以下の親は、「偏差値という数字」に惑わされず、幅広い興味を持ってもらうようにしましょう。

そうでないと、「偏差値という数字」ばかり追い求めるようになってしまう懸念が出てきます。

小学校5年からは、「少し気にする」気持ちが良いでしょう。

そして、小学校6年からは「志望校合格への参考値」として偏差値、合格判定とは付き合うのが良いように思います。

子どもが、

最近、理科が
結構好き・・・

とか、

なんだか、
歴史が楽しくなってきた!

になると、勉強が楽しくなり、成績も上がり、好循環になってとても良いでしょう。

好きな科目ができることは、子どもの長期的な成長につながります。

そして中学受験〜大学受験においても、志望校に合格しやすいでしょう。

新教育紀行

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