前回は「てんびん算と食塩水の問題〜『なぜ?』と考え方〜」でした。
実社会と「てんびん算」
「バランスを取る」という本質的な考え方の「てんびん算」。
このコンセプトは、実社会でも大変有効です。
例えば、株式投資をしていて、ある株を100円で300株購入したとします。
その後、同株が急落し79円になったとします。
20%以上の含み損を抱え、頭を抱えてしまいます。
弱ったな・・・
株式投資をしている方なら、誰しも経験することです。
株価はまた戻るかもしれませんし、さらに上昇するかもしれません。
場合によっては、下落した時はチャンスです。
チャンスなのか・・・
それとも、さらに下落するのか・・・
・・・・・
少し考えてみて、
チャンスだ!
と判断したとします。
どのくらいの株を購入して、購入金額を下げるのが良いでしょうか。
本質的には「混ぜること」=「バランスをとること」
この時、てんびん算のコンセプトが生きます。
ここでは、思い切って400株購入して、取得株価を下げましょう。
食塩水の時と同様に、今回は株価を濃度と同じように考えて、株数を水量と考えます。

100円の時の300株より多いので、「79円と100円の中央の89.5円」よりは下がりそうです。
食塩水の時と同じように、株数でバランスが取られ、釣り合います。

ここで、100-79=21円を「3:4」に按分します。
すると、21/7=3円となり、釣り合いの株価は
79+3×3=88円となります。

実際の株式投資の際には、これほど綺麗な数字にならないことが多いです。
大まかな数字を頭に描くことは、時間も掛からず大変有効です。
株式投資に限らず、取引先との交渉等色々な実社会で、このコンセプトは役立ちます。
実生活において、高校生の時に習う微分積分を使用することは、数学者・サイエンティスト等以外の方はありません。
一方で、こういうコンセプトを理解しておくと、実生活の幅が広がるでしょう。
このように「基本的な算数の考え方」は、知っておくと重宝します。

「算数(数学的)コンセプト」と実生活
「本質的なコンセプト」を頭で考えながら仕事したり、生活してみるのも面白いです。
子どもが中学校受験の勉強をしている時は、一緒に考えられます。
せっかく学んだ算数を、ただ「受験のため」にするではなく、活用する方法があるかもしれません。
学んだことを様々に展開することは、頭を使うので能力の向上につながりますし、なにより楽しいですね。
「てんびん算のコンセプト」に限らず、色々な考え方を頭で思い描いて、楽しみながら学べると一番良いでしょう。
てんびん算が
なんとなく、分かってきた・・・
要するに、
「バランスをとる」ことだね。
そして、子どもの知的好奇心が大いに刺激されることでしょう。
そして、その「知的好奇心」のアップは、学力アップにもつながると考えます。