前回は「暗記問題対策〜解き方〜 2」の話でした。
社会の暗記問題で年号や人名を答える場合は「知らないと解けない」ことが多いです。
今回は、選択肢から選ぶ問題の効果的攻略法です。
文章の後、問題がたくさん並んでいて「正しいものを次のア〜エから一つ選びなさい」という形式の問題です。
こういう問題は、知っていて
あっ、これだ!
と解けるのが望ましいです。
でも、「全てを知っているようにする」ことは大変困難です。
今回は知識としていまひとつあやふやで悩む場合、合理的に考えて正答率を上げる方法を具体例で考えます。
開成中学校の2020年の社会第2問を取り上げます。

この問題の後に、多くの小問が並びます。
次の問4を考えてみてください。

開成中学校志望の方は、すでにやったことがあるでしょう。
やったことがない方で、答えがパッと分かったら、とても良いですね。
入試当日、こういう形式の問題は出来るだけ確保したいです。
「ある程度の知識があるけど、パッとわからない場合」の考え方をご紹介します。

まず最初に、「正しいもの」か「誤っているもの」は非常に大事です。
これは当然のことですが、時間に追われている試験では、時々これを勘違いしてしまうことがあります。
それを防ぐために「正しいもの」なら「下線を引く、丸をつける」などしてましょう。
そして、「正しいものを選ぶんだね!」と頭に入れましょう。
アは「約3%」は「約」がある以上、間違いにはならない可能性が高いので、「調」という言葉が正しいかになります。
これは本当は「租」なのでxですが、確実にわからない時は△として次に進みましょう。
こういう時、悩み過ぎて時間をかけ過ぎないことが重要です。
イは全体的には正しそうです。
「豪族」「国司」という言葉が引っかかりますが、どうでしょうか?
これは「豪族」ではなくて「貴族」が任命されますのでxですが、いまひとつ不安ですので、△で進みましょう。
ウは平城京の話で、平城京・平安京などは中国の都市の真似をして、道路は碁盤目状でした。
全体的に正しそうです。
「朱雀大路」という言葉が正しいか微妙なところです。
全体的な内容は正しそうですので、○に「ちょっと不安」マークを入れる感じで次へどんどん進みましょう。
こういう記号は、自分の好きな書き方=オリジナルでもいいです。
エは「〜はなかった」とあります。
これは知識として、「防人がいた」と「あった」と思えばxになりますが、仮に「はっきりとは分からない」とします。
歴史の話で「なかった」と全否定するのは大変なことです。
「あった」かもしれないのです。
「なかった」と完全否定することは非常に困難なので、これはxにしてしまいましょう。

上記の感じでメモします。
ここからは、可能性として、どうやら「ウが正しいかな」と感じますね。
答えは(ウ)です。
このように消去法と確率的に考えて、選択肢の問題を詰めてゆくことができます。
歴史的な話で「〜はなかった」とあったら、基本的に即座にxです。
知識として「知っていて解ける」ことがベストです。
現実的には、「知らないこと」や「知識としてあやふやなこと」が出る可能性は十分にあります。
このように合理的に考えて、少しでも得点を高めてゆき、合格へどんどん近づいてゆきましょう!