算数・数学で「取るべきライン」を確実に獲得する姿勢〜「試験時間があっという間」の算数数学・平常心で「実力を出し切る」こと・焦らずに全体を眺める戦略的思考〜|中学受験・高校受験・大学受験

前回は「合格の秘訣と最大のポイント〜暗記より算数数学を固める姿勢・暗記を固める姿勢・「病気にはならない!」という強い意志〜」の話でした。

目次

「試験時間があっという間」の算数・数学:解答欄の状況と確認

武蔵中学・高校の校舎(新教育紀行)

大学入試は、多くの方にとって前哨戦である共通テストが終了しました。

中学入試は関西圏で一つの山場を迎え、関東圏では入試まで残り少なくなりました。

近年の中学受験の様々な入試問題を見てみました。

例えば、60分ほどの時間で「大問5〜6問=小問12題」ほどの難易度が比較的高い問題が出題されています。

大問には小問が2~3題あり、単純計算で小問一題あたりの時間は5分程度となります。

これは、非常に高いハードルです。

ただ計算するだけの計算問題も非常に複雑で、意外と時間がかかりそうです。

「ただの計算問題」とはいえ、東大生ですら「全部間違わない」のは、至難の業です。

出題形式は「答えのみ」や、

答え以外に文章・図などを
書きなさい。

という形式があります。

「答え以外に文章・図などを書きなさい」は「記述式」の一種と考えられます。

「文章・図など書く」中学受験算数には、「解答欄がそれほど広くない」こともあります。

自分の志望校の過去問をたくさんやってきた受験生も、もう一度「解答欄の確認」をしましょう。

「答えのみ」であれば「解答欄の確認」は不要ですが、少しでも「文章・図など書く」場合は、

このくらいの広さに
考えていることを表現するんだ・・・

問題文と同様に、解答欄にも各学校のカラー・教育理念が表れています。

解答欄が小さめの学校は、

端的に、簡潔に
考えていることを表現してもらいたい・・・

と教員たちは考えているでしょう。

武蔵中学のように解答欄が広い学校は、

思考に枠をかけず、
思ったことをどんどん表現して欲しい・・・

と教員たちは考えているのでしょう。

「問題を解く力」も大事ですが、少しでも記述タイプがある時は「表現する力」も大事です。

志望校の解答欄の確認

・解答欄のサイズに合わせて、試験当日「「どのように書くか」を事前に考えておく

・試験当日、どのような解答欄に答えるかをイメージする

解答欄は多少変わることはあっても、大きく変わることはなさそうです。

それは、解答欄は「学校の教育理念・カラーは大きくは変わらない」ためです。

「記述式」は自らの考え方をしっかり表現することが大事ですが、算数は他の科目と大きく異なります。

社会や国語などは、

考えれば、
少しは分かりそう・・・

なことがあります。

対して、算数は、社会や国語と異なり、

分からないと、
なにも書きようがない・・・

面があります。

難しい問題がズラッと並んで、わずか60分ほどで解かなければならない受験生。

「時間内に様々な問題を解決する高い能力」が求められます。

そのために学んで、ある一定の能力を獲得し、その上で「非常に高い訓練」を経る必要があります。

試験場では「60分」という「試験時間があっという間」に感じられる環境です。

その中「いかに合格点に到達するのか」が非常に大事な視点となります。

その結果、「1分、1秒を争う」事態となりがちなのが算数・数学です。

一方で、

1分、
1秒を争う!

と焦りすぎても良くないのが算数・数学の一つの側面と言えるでしょう。

算数・数学で「取るべきライン」を確実に獲得する姿勢

てんびん算の考え方(新教育紀行)

このような試験においては、学力も大事ですが「平常心を持つこと」も非常に大事です。

落ち着いてやれば、
できたのに・・・

なぜ、ここに
気づかなかったのかな・・・

ということを、後になって気づくことも多いのが現実です。

数多くの問題を「テンポ良く、効率よく」できれば良いのですが、実際にはそうも行きません。

そして、機械ではなく人間なので「その時の調子や精神」も非常に大きく影響します。

合格するには、各科目で一定の点数を確保する必要があり、中でも算数は最も大事です。

各学校で、「受験者平均点」と「合格者平均点」が公表されていることが多いです。

「合格者平均点」は、算数の場合55%〜65%程度が多いでしょう。

すると、算数が非常に得意な方以外は、「算数で60%〜65%を確実に取ること」が望まれます。

それより高い分には大いに良いのですが、まずはこのラインを確実にしましょう。

問題の難易度によりますが、「ほぼ全部解いて、60〜65%を獲得する」のは難しい面があります。

「60〜65%を獲得する」のは大変そうに見えることもあります。

一生懸命
勉強してきたけど、大丈夫かな・・・

算数・数学は得意な方でも、時々「勘違い」などで思うようにいかないことがあります。

しまった・・・
問題文を勘違いした・・・

まずは、「65%程度を確実に獲得する」と考えると「35%程度は出来なくても良い」ことになります。

およそ1/3の問題は、できなくても良いことになります。

算数・数学で「取るべきライン」を確実に獲得する姿勢

・まずは「65%=2/3程度」の確実な得点を目指す

・「35%=1/3程度」は「出来なくても良い」と割り切る姿勢

算数・数学が得意な方は「高みを目指して、合格に弾みをつける」のが良いですが、

よしっ!
算数で周りの子に差をつけるぞ!

力みすぎると、

ちょっと緊張して、
いつも通りの力が出なかった・・・

ということもありうるので、まずは「65%程度+α」が良いでしょう。

僕は算数が得意だけど、
まずはある程度しっかり出来ることを目標!

が良いでしょう。

平常心で「実力を出し切る」こと:焦らずに全体を眺める戦略的思考

動く図形の問題(新教育紀行)

「1/3の問題は、できなくても良い」と考えると「出来そう」ですが、結構ハードルが高いです。

「2/3=65点をしっかり獲得する姿勢」を持つことが大事でしょう。

この点数には「答えだけ」なのか「記述式で部分点があるのか」で大きく異なります。

「分かる・分からない」の差が大きい算数・数学は、

これは、
どう考えれば良いのか・・・

「多少分からなければ出来ない」ので、「部分点を狙う」のは他の科目よりやや難しい傾向にあります。

武蔵中学のように「問題数が比較的少なく、記述する範囲が多い」学校は多少異なります。

全部は分からなくても、
分かるところはハッキリ書こう!

記述などの「解答欄が比較的広い」学校は、「考えているカケラ」を重視する傾向があります。

補助線一本引いてあれば、

大事なポイントに
気付いているな・・・

ここは
3点あげて良いな・・・

「思考の片鱗」に対して、部分点を与える学校もあるでしょう。

記述などの「解答欄が比較的広い」学校

・「思考の片鱗」に部分点を与える傾向が強い

・「自分が考えていること」はハッキリと書く・表現する

いずれにしても、「自分ができる問題をしっかり見定める」ことが非常に大事になります。

「一分を争う」どころか「一秒を争う」試験において、

はじめ!

よしっ!
始まった!

試験開始後は、多くの方が焦って一生懸命問題文を開いて、解き始めます。

この時、すぐに一問目に取り掛からず、

こういう
問題なんだ・・・

「焦らずに全体を見渡す」ことに少し時間を割くことが良いでしょう。

試験時間が60分であれば「1分程度、全体を見渡して」自分が解くべき、出来そうな問題を考えてみましょう。

問題の難易度もありますが、

あっ、
私が得意なニュートン算だ・・・

なんか、
この問題は出来そう・・・

こっちの問題は、
ちょっと難しそうかな・・・

それぞれの方の得意分野や個性によって、問題に取り組む順序は変わるでしょう。

そして、

この問題から
やろう!

と方針を固めて、取り組むのが良いでしょう。

それでは
始め!

という号令とともに、試験用紙を猛烈な勢いで開く方もいます。

よしっ!
頑張るぞ!

「頑張る」気持ちは大事ですが、猛烈な勢いで開いてもゆっくり開いても、5秒も変わらないです。

大事なことは「ポジティブな平常心」で「実力を出し切ること」です。

落ち着いて、ページはゆっくり開いて、まず算数・数学は全体を見渡しましょう。

算数・数学で全体を見渡す姿勢

・焦らずにゆっくりとページをめくって、「ポジティブな平常心」キープ

・合格するために「自分が解くべき問題」を明確にして解く

自分に出来る問題を確実に獲得して、その上で「少しでも上を目指す」姿勢。

これは一つの「戦略的思考」であり、試験などの勝負事では「戦略」は非常に大事です。

この「自らの方針を決定する姿勢」が、特に算数・数学では合格に近づく姿勢と思います。

受験生の皆さん、試験当日頑張ってください。

新教育紀行

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