合格の秘訣・ポイント〜焦らず、全体を眺めてみる〜|中学受験〜大学受験

前回は「合格の秘訣・ポイント〜記述問題への姿勢〜」の話でした。

大学入試は、多くの方にとって前哨戦である共通テストが終了しました。

中学入試は関西圏で一つの山場を迎え、関東圏では入試まで残り10日ほどとなりました。

灘中学、甲陽学院中学などの今年の入試問題を見てみました。

60分ほどの時間で、大問5〜6問、小問12題ほどの難易度が比較的高い問題が出題されています。

大問には小問が2~3題ありますから、単純計算で小問一題あたりの時間は5分程度となります。

これは、非常に高いハードルです。

ただ計算するだけの計算問題も非常に複雑で、時間がかかりそうです。

出題形式は「答えのみ」や「答え以外に文章・図などを書きなさい」と言う形式があります。

「答え以外に文章・図などを書きなさい」は「記述式」の一種と考えられます。

「記述式」は、自らの考え方をしっかり表現することが大事ですが、算数は他の科目と大きく異なります。

社会や国語など「考えれば、少しは分かりそう」な科目に対して、算数は「分からないと書きようがない」面があります。

難しい問題がズラッと並んで、わずか60分ほどで解かなければならない受験生。

「一定の能力があること」と「非常に高い訓練」を経て、「時間内に解決する高い能力」が求められます。

試験場では「60分があっという間」に感じられる環境です。

その中「いかに合格点に到達するのか」が非常に大事な視点となり、「一分、一秒を争う」事態となります。

このような試験においては、学力も大事ですが「平常心を持つこと」も非常に大事です。

「落ち着いてやればできた・・・」ということを、後になって気づくことも多いです。

こうした数多くの問題を「テンポ良く、効率よく」できれば良いのですが、実際にはそうも行きません。

合格するには、各科目で一定の点数を確保する必要があり、中でも算数は最も大事です。

各学校で、「受験者平均点」と「合格者平均点」が公表されていることが多いです。

「合格者平均点」は、算数の場合55%〜65%程度が多いでしょう。

すると、算数が非常に得意な方以外は、「算数で60%〜65%を確実に取ること」が望まれます。

それより高い分には大いに良いのですが、まずはこのラインを確実にしましょう。

その時、「ほぼ全部解いて、60〜65%を獲得する」のは非常に難しい面があります。

「60〜65%を獲得する」のは大変そうですが、逆に考えると「35%〜40%程度は出来なくても良い」ことになります。

およそ1/3の問題は、できなくても良いことになります。

この点数には「答えだけ」なのか「記述式で部分点があるのか」で大きく異なります。

「分かる・分からない」の差が大きい算数・数学は、「部分点を狙う」のは他の科目よりやや難しい傾向にあります。

武蔵中学のように「問題数が比較的少なく、記述する範囲が多い」学校は異なります。

いずれにしても、「自分ができる問題をしっかり見定める」ことが非常に大事になります。

「一分を争う」どころか「一秒を争う」試験において、試験開始後は、皆焦って一生懸命問題を解きます。

この時、「焦らずに全体を見渡す」ことに少し時間を割くことが良さそうです。

試験時間が60分であれば、「1分程度、全体を見渡して」自分が解くべき、出来そうな問題を考えてみましょう。

そして、「この問題からやろう!」と方針を固めて、取り組むのが良いでしょう。

それでは始め!

という号令とともに、試験用紙を猛烈な勢いで開く方もいます。

その気持ちは分かりますが、猛烈な勢いで開いてもゆっくり開いても、5秒も変わらないでしょう。

大事なことは平常心で、「実力を出し切ること」です。

自分に出来る問題を確実に獲得して、その上で「少しでも上を目指す」姿勢。

この姿勢が、特に算数・数学では合格に近づく姿勢と思います。

受験生の皆さん、頑張ってください。

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