相似形を発見するコツ・ポイント〜全体を見渡して見えてくる解く鍵・同じ角度を探す・相似形と相似比・問題 13(4)解法〜|中学受験・算数実践91

前回は「図形を算数的に考えるコツ・ポイント〜異なる説明をする大事さ・自分で思考する学び・「〜ではない」状況を具体的に考える・角度に注目・図形を作る辺は「長さと角度」が大事・問題 13(3)解法〜」の話でした。

目次

問題 13

問題13:二つの正方形(新教育紀行)
問題13:二つの正方形(新教育紀行)

全体を見渡して見えてくる解く鍵

問題13:図形全体を見渡す(新教育紀行)

緑色の部分の面積を求めましょう。

(4)の問題である「緑色の部分の面積」を求めるにあたり、大事なことがあります。

それは、まずは「これまでわかった状況」を整理する・俯瞰する姿勢です。

図形問題が解ける姿勢

・問題の条件を全て描きこむ:同じ長さ・同じ角度など

・図形の性質などを描く過程で、条件を頭で整理するので解きやすくなる

でも、
問題解かなきゃ、って気が焦るよ・・・

このように図形でも何でも、本試験・模試の際に、焦ってしまいがちな算数(数学)。

他の科目も焦ったり、「一秒でも早く」という気持ちになるかもしれません。

特に算数(数学)は、その傾向があります。

それは、

解法・解くきっかけが、
分かれば一気に進むのに・・・

という気持ちになるからでしょう。

他の理科・社会・国語等では、「一気に進む」ということは少ないです。

一方で、「解法の鍵」が分かれば一気に進むことが多い算数(数学)。

「解法の鍵」が見つからないと、「迷路に入ってしまう」気持ちになります。

小問の構成

1.最後の問題のみだと難しいため、ヒントを作って解きやすくする

2.問題を分け、出来る部分を明確にして、採点の際に点数の差が出やすくする

今回は、小問が4つに分かれています。

前までの(1)〜(3)で分かったことや考えたことを使う可能性が大きいので、それも考えましょう。

そのためには、最初は「全体を見渡す」俯瞰する姿勢が大事です。

問題13:図形全体を見渡す(新教育紀行)

ここで、「これまでわかったこと」を描いて、全体を見渡してみましょう。

直角が、たくさんあります。

図形問題と直角

・180度から直角を引くと直角:180-90=90

・直角は同一角度が見つけやすい→相似形が見つかりやすい

これは、「正方形が二つ」ある時点で、直角が「4個 x 2 = 8個」あるので、

直角が沢山あるのは
当たり前だけど・・・

と、考えるかもしれません。

問題を解くプロセスにおいて、AE・DからEGへの垂線(垂直な線)など、さらに直角が見えます。

うん。
たくさん直角がある!

そして、この図形全体をじっと見てみましょう。

手を動かしても良いですし、頭の中でイメージしても良いです。

次にすることは、何でしょうか?

相似形を
探すことだよ!

同じ角度が見つかった時

・相似形を探す

・「同じくらいの大きさ」の相似形の時、「同じ(合同)図形」かどうか考える

相似形を発見するコツ・ポイント:同じ角度を探す

問題13:図形全体を見渡す(新教育紀行)

「相似形」を見つけることが大きな鍵になることが多い図形問題。

相似形は
どこだ?

と、はやる気持ちになります。

確かに「相似形が見つかる=解く鍵」であることが多い、図形問題。

相似形とその条件

・ある形AとBが「相似」

→片方の図形を拡大・縮小すれば、もう一方の図形となる

・相似の条件

←→対応する角度が同一

←→対応する辺の比が同一

「相似形を見つける」プロセスにおいて、「良い補助線を見つける=解く鍵」になる傾向があります。

「直角が多い」ということは、ある線に対して「直角となる線が多い」ということになります。

上の図で、赤い線は全てが「直線AGに対して直角」となります。

図形を作る辺を考える

・辺は「長さと角度」で決まる

・それらの辺が「どのようにつながっているか」を考える

図形問題は「長さ」ばかりではなく、「角度」に注目すると視野が広がるでしょう。

上の図で「赤い線は全て平行」となります。

平行な線があると、
相似形が沢山あるね!

相似形と相似比

問題13:図形全体を見渡す(新教育紀行)

二組の相似形が見えてきました。

しかも「それぞれの相似形の辺の長さが、たくさん分かる」状況です。

これで、
一気に進められる!

問題13:図形全体を見渡す(新教育紀行)

具体的に相似比を考えてみましょう。

これらの相似形の対応する辺の長さが分かるので、考えてみましましょう。

問題13:図形全体を見渡す(新教育紀行)

左側の水色の線の二組の相似形の相似比は、「7.5 : 3」です。

問題13:図形全体を見渡す(新教育紀行)

右側の水色の線の二組の相似形の相似比は、「3 : 4.5」です。

問題13:図形全体を見渡す(新教育紀行)

これで、それぞれの三角形の相似比がわかり、さらに「1.5が公約数」です。

「7.5 : 3」と「3 : 4.5」の関係があるので、一気に「7.5 : 3 : 4.5 =5 : 2 : 3」です。

問題13:図形全体を見渡す(新教育紀行)

これで、辺の比が連比で一気に求まり、進められます。

問題13:図形全体を見渡す(新教育紀行)

ちょっと待ってください。

これは「間違った考え方」です。

えっ、
なぜなの?

もう一度、相似を考えてみましょう。

そして、「どこが間違っているのか?」を考えてみましょう。

相似形の条件をもう一度復習しながら、自分の手で描いて考えてみると力がつきます。

「どこが間違っているのか?」を「全体を見渡して」しっかり考えてみましょう。

新教育紀行

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