前回は「算数実践90〜問題 13(3)解き方・考え方と角度と基礎〜」の話でした。
問題 13(再掲載)


図形を解く鍵:全体を見渡す

緑色の部分の面積を求めるにあたり、大事なことがあります。
それは、まずは「これまでわかった状況」を整理する・俯瞰する姿勢です。
でも、
問題解かなきゃ、って気が焦るよ・・・
このように図形でも何でも、本試験・模試の際に、焦ってしまいがちな算数(数学)。
他の科目も焦ったり、「一秒でも早く」という気持ちになるかもしれません。
特に算数(数学)は、その傾向があります。
それは、
解法・解くきっかけが、
分かれば一気に進むのに・・・
という気持ちになるからでしょう。
他の理科・社会・国語等では、「一気に進む」ということは少ないです。
一方で、「解法の鍵」が分かれば、一気に進みがちな算数(数学)。
「解法の鍵」が見つからないと、「迷路に入ってしまう」気持ちになります。
だからこそ、最初は「全体を見渡す」俯瞰する姿勢が大事です。
全体を見渡して、見えてくるコト

ここで、「これまでわかったこと」を描いて、全体を見渡してみましょう。
直角が、たくさんあります。
これは、「正方形が二つ」ある時点で、直角が「4個 x 2 = 8個」あるので、
それは、
そうでしょ。
と、考えるかもしれません。
これまでの問題を解くプロセスにおいて、AE・DからEGへの垂線(垂直な線)など、さらに直角が見えます。
うん。
たくさん直角がある!
そして、この図形全体をじっと見てみましょう。
手を動かしても良いですし、頭の中でイメージしても良いです。
次にすることは、何でしょうか?
相似形を
探すことだよ!
そうですね。
相似形を追い求めること:全体を見ること
「相似形」を見つけることが大きな鍵になることが多い図形問題。
相似形は
どこだ?
とはやる気持ちになります。
確かに、「相似形が見つかる=解く鍵」であることが多い、図形問題。
そのプロセスにおいて、「良い補助線を見つける=解く鍵」になる傾向があります。

「直角が多い」ということは、ある線に対して「直角となる線が多い」ということになります。
上の図で、赤い線は全てが「直線AGに対して直角」となります。
すると、「赤い線は全て平行」となります。
平行な線があると、
相似形があるね!
相似形と相似比

二組の相似形が見えてきました。
しかも「それぞれの相似形の辺の長さが、たくさん分かる」状況です。
これで、
一気に進められる!

具体的に相似比を考えてみましょう。
これらの相似形の対応する辺の長さが分かるので、考えてみましましょう。

左側の水色の線の二組の相似形の相似比は、「7.5 : 3」です。

右側の水色の線の二組の相似形の相似比は、「3 : 4.5」です。

これで、それぞれの三角形の相似比がわかり、さらに「1.5が公約数」です。
「7.5 : 3」と「3 : 4.5」の関係があるので、一気に「7.5 : 3 : 4.5 =5 : 2 : 3」です。

これで、辺の比が連比で一気に求まり、進められます。

ちょっと待ってください。
これは「間違った考え方」です。
えっ、
なぜなの?
もう一度、相似を考えてみましょう。
そして、「どこが間違っているのか?」を考えてみましょう。
図形問題が得意な方にとっては、難しいことではないかもしれません。
「どこが間違っているのか?」を「全体を見渡して」しっかり考えてみましょう。