斜めの正方形と補助線のコツ・ポイント〜相似形を見つけるポイント・「似た図形」を探す・難しい形は分割・「良い補助線」を描くコツ・他の補助線と比較・問題 13解法(2)〜|中学受験・武蔵中・算数実践85

前回は「斜めの正方形と相似形と長さのポイント〜「一組の相似形」発見・問題の条件を振り返る姿勢・直角三角形の辺の長さ・描いた条件から発見・条件を組み合わせて立式・問題 13解法(1)〜」の話でした。

目次

問題 13

問題13:二つの正方形(新教育紀行)
問題13:二つの正方形(新教育紀行)

相似形を見つけるポイント:「似た図形」を探す

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

(1)の「BFの長さ」を求める際には、まずは相似形を発見しました。

相似形とその条件

・ある形AとBが「相似」

→片方の図形を拡大・縮小すれば、もう一方の図形となる

・相似の条件

←→対応する角度が同一

←→対応する辺の比が同一

「補助線を引いて、相似形を見つける・発見する」問題もありますが、「図形の中に相似形がある」ことも多いです。

図形の中に相似形があるのか、
ないのかはパッとわかる方法があるの?

図形問題によるので「パッと分かる鉄則」はないように思います。

そっか・・・
ないんだ・・・

一つの考え方としては、「図形の中に似た図形を探す」のも良いでしょう。

相似形は「ある図形とある図形が」で、「(互いに)ている」図形です。

確かに「相似」っていう
言葉はそうね!

「問題の図形をジッと見て、似ている図形を探す」と相似形が見つかる可能性が高まるでしょう。

相似形を見つけるコツ

・「」は「(互いに)ている」図形だから、似ている図形を探す

・相似形は、同じ向きではなく「互いに直角」など向きが異なることがある

この問題では、黄色の相似形同士が「互いに直角」である点が、少し相似形と気づきにくい点です。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)
図形問題で「手が止まった」時

・「何か使っていない条件」を探す

・分かったことと「問題の条件」を組み合わせる

図形問題に限らず、問題を解いている途中手が止まったら、「他の条件を探す」ようにしましょう。

正方形の性質

・全ての辺が同じ長さ

・全ての角が同じで直角

正方形は非常に特殊で「基本となる図形」です。

「三角形の中にいくつか正方形がある」問題などもあります。

これらの問題を考えるときは、正方形の問題は「正方形の性質」を強く意識しましょう。

「基本的考え方」をしっかり身につけて学力アップ

問題13:二つの正方形(新教育紀行)

この(2)の問題は、図形問題の非常に大事なことがたくさん詰まっている良問です。

似た問題を
やったことあるよ!

という方もいらっしゃるでしょう。

そう言えば、今回は
小問が4つあるから、前後の問題が関係あるのかな?

小問の構成

1.最後の問題のみだと難しいため、ヒントを作って解きやすくする

2.問題を分け、出来る部分を明確にして、採点の際に点数の差が出やすくする

試験の後半の図形問題や文章題では、小問に分かれていることが多いです。

その場合は、「前の問題が後ろの問題のヒント」の場合があるので、意識しましょう。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

(1)の考え方が
使えるのかな?

問題を考えながら「(1)で分かったこと・考えたこと」を意識します。

算数・数学の基本的なことを学んだ上で、少し難しめの問題を解いた時、

解答を読めば
分かるけど・・・

どう勉強したら、
こういう解法が思いつくの?

と思う方が多いと思います。

この時、

算数・数学は、
数多くの解法のパターンを頭に入れることが大事!

という勉強の仕方もあります。

実際に「数多くの解法パターンを頭に入れる」ことは、「近道の一つ」かもしれません。

「決められた時間内での解決力アップ」に対して、効率的側面があります。

すると、

では、やっぱり、
たくさんのパターンを習得するのが良いんだ・・・

たくさん
解法パターンを覚えよう!

と考える方も多いでしょう。

今年あるいは過去において、中学受験〜大学受験で合格した先輩たちの中にも、

たくさんパターンを
覚えた方が早いぜ!

という方もいらっしゃるでしょう。

中学受験の小学生・高校受験の中学生は、塾や先生の方針によると思います。

大学受験の高校生は、最終的には「自分で学ぶ姿勢」は「それまでの学び方で決定」するのでしょう。

「解法パターンを多く身につける」考え方も良いかもしれません。

ここでは、「基本的考え方」をしっかり身につける考え方をご紹介します。

斜めの正方形と補助線のコツ・ポイント:難しい形は分割

問題13:図形の補助線の考え方(新教育紀行)

こういう小問に分かれた問題は、「分かったこと」を前提に次に進みます。

図形問題では、「分かった長さ・角度」などを図形に描きましょう。

問題13:図形の補助線の考え方(新教育紀行)

答える面積の図形は「不整形の五角形」の面積です。

この面積を「一気に求める」のは難しいです。

「一気にやるのが難しい」時は、「分割する・分ける」のが算数・数学の大事な基本です。

問題13:図形の補助線の考え方(新教育紀行)

そして、

2つか3つくらいの
図形に分けられないか?

を考えてみましょう。

分ける図形の数は少ない方が考えやすいです。

あまり多くの図形に分割すると「考えることが増えてしまう」ので、シンプルにしましょう。

難しい図形や対象

・難しい図形・考える対象は、分ける・分割する

・「分ける・分割する」とき、「分けすぎる」と大変なので、出来るだけシンプルに

「良い補助線」を描くコツ:他の補助線と比較

問題13:図形の補助線の考え方(新教育紀行)

改めて、問題のブルーの図形を「分ける」ことを考えてみましょう。

やっぱり
補助線入れないと出来ないね・・・

こういう問題の解法では、

こう補助線を
入れると分かる!

と教わると、

なぜ、その補助線が
思いつくの?

と感じる方が多いでしょう。

僕も小学校6年生の模擬試験の図形問題で、

この補助線が分かれば
良いけど・・・

と悩んだ記憶があります。

「良い補助線を引く」のは、ヒラメキでもセンスでもなく、「描いていると見えてくる」のです。

見えるように
なるの?

慣れてくると勘が磨かれてきて、なんとなく

こういう
補助線かな?

と、分かるようになります。

問題13:図形の補助線の考え方(新教育紀行)

例えば、このような補助線を引いてみましょう。

五角形の図形が、三角形と不整形の四角形に分かれました。

問題13:図形の補助線の考え方(新教育紀行)

三角形の面積は分かりそうですが、不整形の四角形の面積は求めるのが難しそうです。

問題13:図形の補助線の考え方(新教育紀行)

これは
ちょっと大変そうね・・・

もう一本
補助線入れてみようか?

問題13:図形の補助線の考え方(新教育紀行)

この不整形の四角形の面積は、もう一本補助線を入れれば、「分かりやすい三角形に分割」出来ます。

すると、面積が求まりそうです。

よしっ!これで、
辺の長さを求めてゆけば良いんだ!

このように分割して考えても解けます。

ここで、「正方形の条件」を思い出しましょう。

問題13:図形の補助線の考え方(新教育紀行)

「正方形」というのは、非常に特殊な基本的図形です。

正方形の性質と描き方・作り方をもう一度考えてみましょう。

正方形の作り方(新教育紀行)

上の辺BCから正方形ABCDを作ってみましょう。

正方形の作り方(新教育紀行)

一辺を「その辺と同じ長さ」平行移動すれば、正方形を作ることができます。

別の方法で正方形ABCDを作ってみましょう。

正方形の作り方(新教育紀行)
正方形の作り方(新教育紀行)

これは
分かるけど・・・

ここで、少し考えてみましょう。

「問題をたくさん解く」のも大事かもしれません。

一方で「しっかり理解する」姿勢を身につけるのも大事です。

「問題の考え方」をしっかり身につける姿勢を身につけると、受験期中盤から学力が飛躍的に上がるでしょう。

新教育紀行

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次