前回は「2024年受験への対策〜今年の問題の傾向と来年・武蔵中学算数〜」の話でした。
記述試験への姿勢
2023年の武蔵中学の算数の出題の良い点・悪い点の話と、今後の対策の話でした。
今回は、記述試験に対する対策を考えてみましょう。
中止が決定しましたが「記述式導入」が真剣に検討されていた、大学入学共通試験。
僕が大学受験生の頃は「センター試験」と呼ばれていました。
共通の一斉試験とは「相反する性質」とも言える「記述式」の問題。
米国の名門大学アイビーリーグでは、「テストの成績」の重率を大きく下げる方針となりました。
あくまで「紙の上での適正試験」となるペーパーテストですが、本来は記述式の方が望ましいのでしょう。
一方で、記述式は採点者の負担も大きいのが現実です。
社会の記述試験には、「考え方次第で答えが変わる」可能性が大きい問題があります。
そのような問題は、学校・教員のカラーで採点しているのでしょう。

記述式問題の採点方法
今回は、算数の記述式問題の採点に関する話です。
武蔵中学・高校時代の実体験をもとに、話をご紹介します。
高校時代の化学の先生で、M先生というかなり年配の先生がいらっしゃいました。
おそらく、当時すでに60歳を超えていたと思います。
中学・高校時代に、このような年配の先生に教わることは大事なことだと思います。
高度成長期からバブル景気にかけて「核家族化」が急速に進行した日本。
子どもたちは「日頃、おじいちゃん・おばあちゃんと接する機会」が少ない時代です。
中学・高校などの学校で、こういう先生との出会いは大事です。

M先生の試験で、熱化学方程式に関する定期テストがありました。
よしっ
頑張るぞ!
高校1年生だったように記憶していますが、当時、数学・物理・化学が得意だった僕。
特に数学と物理は得意である以前に、とても好きで「趣味に近い存在」でした。
M先生の試験は50点満点でしたが、ここでは分かりやすく100点満点とします。
大問2問のM先生の試験は、下記のような内容でした。
1問目:熱化学方程式を立式して、熱量などを計算する記述問題:小問(1)〜(3)
2問目:熱化学方程式に関する性質等を文章答える記述問題
熱化学方程式は、それほど難しい分野ではなく、「化学現象をしっかり理解して立式」することが大事です。
化学現象をきちんと立式できていれば、その後の計算は比較的容易です。
1問目も
2問目もバッチリ答えた!
全部確実に出来た僕は、自信満々で試験を終了しました。
正しい立式と計算ミス

中間試験・期末試験いずれも、連日試験が続きます。
結構ハードな環境ですが、そういう経験が中学生・高校生にとっては大事でしょう。
化学の試験が終わって、下校します。
下校の際、友人と試験の話をしてみると、
あれ?
答えが違うな?
友人も自信があるらしく、お互い「考え方」を確認すると、二人とも合ってそうです。
考え方は、
ちゃんと合っているのに・・・
なぜ、
答えが違うんだろう・・・
悩んだ僕は、もう一度計算して「衝撃の事実」を知りました。
しまった!
計算ミスした!
なんと、計算ミスで(1)が間違っていたのでした。
理科の問題では「(1)の結果を利用して、(2)へ」「(2)の結果を利用して、(3)へ」という形式がよくあります。
つまり、「(1)で計算ミスしたので、(1)〜(3)の全てで答えが違った」ことが判明したのです。
!!!!!
これには、大きな衝撃を受けました。

中学生・高校生にとっての定期試験
たかが、一回の
定期試験なんだから・・・
と考える方もいらっしゃるかもしれません。
数学や理科が得意な人間にとっては、試験は大事です。
「自分が学んだ成果を試す」試験は、高校球児にとっての「野球の対抗試合」みたいな存在です。
高校球児が対抗試合で負けて、涙しているのをみて、
たかが、一回の
試合なんだから・・・
と言う「心ない人」は少ないでしょう。
「まだまだ子ども」の中学生・高校生。
それぞれが、それぞれのフィールドで一生懸命頑張っているのです。
そうした中学生・高校生にとっては、「試験・テストは真剣勝負の場」でもあるのです。
とにかく、「自信満々だった」はずなのに「計算ミスで、大問一題がほぼ全滅」となった僕。
これは・・・・・
この後も定期試験で様々な科目が続きますが、一気にテンションが下がってしまいました。
それでも、
数学は
さらに頑張ろう!
と懸命に気持ちを取り直しました。
「入試の本番」でも、「失敗しても、あきらめずに頑張る!」気持ちは非常に大事です。