算数・理科の記述問題の採点者の姿勢1〜記述式問題の採点方法・武蔵中学の理科の実話・紙の上での適正試験であるペーパーテスト・中学生高校生にとっての定期試験・正しい立式と計算ミス〜|中学受験

前回は「各中学のカラーと校風が反映された試験〜減点主義の試験への姿勢・武蔵中学算数への対策・図形の基本的性質を理解・「考える力」と「知っていること」・気になった算数の問題と今後〜」の話でした。

目次

紙の上での適正試験であるペーパーテスト

武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

中学受験の入試問題を見てみると、実に多彩でよく考えられている問題が多いです。

各学校の入試担当者の先生方は、

我が校の生徒を
選抜するには、こういう問題はどうだろうか・・・

こういう問題に対して、
どう考えるのかを問いたい・・・

一生懸命考えて、出題しているのでしょう。

各学校ともに校風やカラーが、入試問題に強く反映されます。

受験生たちは、

この問題が70〜80%
解けるようにならないと・・・

とても大変ですが、少しずつ学力を上げてゆきましょう。

今回は、記述試験に対する対策を考えてみましょう。

中止が決定しましたが「記述式導入」が真剣に検討されていた、大学入学共通試験。

僕が大学受験生の頃は「センター試験」と呼ばれていました。

共通の一斉試験とは「相反する性質」とも言える「記述式」の問題。

米国の名門大学アイビーリーグでは、「テストの成績」の重率を大きく下げる方針を明確に打ち出しました。

あくまで「紙の上での適正試験」となるペーパーテストですが、本来は記述式の方が望ましいのでしょう。

一方で、記述式は採点者の負担も大きいのが現実です。

社会の記述試験には、「考え方次第で答えが変わる」可能性が大きい問題があります。

そのような問題は、学校・教員のカラーで採点しているのでしょう。

記述式問題の採点方法:武蔵中学の理科の実話

武蔵中学・高校の「すすぎ川」(新教育紀行)

今回は、算数や理解の記述式問題の採点に関する話です。

武蔵中学・高校時代の実体験をもとに話をご紹介します。

高校時代の化学の先生で、M先生というかなり年配の先生がいらっしゃいました。

おそらく、当時すでに60歳を超えていたと思います。

中学・高校時代に、このような年配の先生に教わることは大事なことだと思います。

高度成長期からバブル景気にかけて「核家族化」が急速に進行した日本。

子どもたちは「日頃、おじいちゃん・おばあちゃんと接する機会」が少ない時代です。

中学・高校などの学校で、こういう先生との出会いは大事です。

M先生の試験で、熱化学方程式に関する定期テストがありました。

よしっ
頑張るぞ!

高校1年生だったように記憶していますが、当時、数学・物理・化学が得意だった僕。

特に数学と物理は得意である以前に、とても好きで「趣味に近い存在」でした。

M先生の試験は50点満点でしたが、ここでは分かりやすく100点満点とします。

大問2問のM先生の試験は、下記のような内容でした。

M先生の化学の試験

1問目:熱化学方程式を立式して、熱量などを計算する記述問題:小問(1)〜(3)

2問目:熱化学方程式に関する性質等を文章答える記述問題

熱化学方程式は、それほど難しい分野ではなく、「化学現象をしっかり理解して立式」することが大事です。

化学現象をきちんと立式できていれば、その後の計算は比較的容易です。

1問目も
2問目もバッチリ答えた!

全部確実に出来た僕は、自信満々で試験を終了しました。

中学生・高校生にとっての定期試験:正しい立式と計算ミス

武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

中間試験・期末試験いずれも、連日試験が続きます。

結構ハードな環境ですが、そういう経験が中学生・高校生にとっては大事でしょう。

化学の試験が終わって、下校します。

下校の際、友人と試験の話をしてみると、

あれ?
答えが違うな?

友人も自信があるらしく、お互い「考え方」を確認すると、二人とも合ってそうです。

考え方は、
ちゃんと合っているのに・・・

なぜ、
答えが違うんだろう・・・

悩んだ僕は、もう一度計算して「衝撃の事実」を知りました。

しまった!
計算ミスした!

なんと、計算ミスで(1)が間違っていたのでした。

理科の問題では「(1)の結果を利用して、(2)へ」「(2)の結果を利用して、(3)へ」という形式がよくあります。

つまり、「(1)で計算ミスしたので、(1)〜(3)の全てで答えが違った」ことが判明したのです。

!!!!!

これには、大きな衝撃を受けました。

たかが、一回の
定期試験なんだから・・・

と考える方もいらっしゃるかもしれません。

数学や理科が得意な人間にとっては、試験は大事です。

「自分が学んだ成果を試す」試験は、高校球児にとっての「野球の対抗試合」みたいな存在です。

高校球児が対抗試合で負けて、涙しているのをみて、

たかが、一回の
試合なんだから・・・

と言う「心ない人」は少ないでしょう。

「まだまだ子ども」の中学生・高校生。

それぞれが、それぞれのフィールドで一生懸命頑張っているのです。

そうした中学生・高校生にとっては「試験・テストは真剣勝負の場」でもあるのです。

とにかく「自信満々だった」はずなのに「計算ミスで、大問一題がほぼ全滅」となった僕。

これは・・・・・
はぁ〜・・・

この後も定期試験で様々な科目が続きますが、

もう嫌になって
しまうけど・・・

一気にテンションが下がってしまいました。

それでも、

数学は
さらに頑張ろう!

と懸命に気持ちを取り直しました。

新教育紀行
魚雷を被弾した米空母ヨークタウン(歴史群像2002年2月号 学研)

「入試の本番」でも「失敗しても、あきらめずに頑張る!」気持ちは非常に大事です。

人生と学びと受験

・「勝つこと=合格すること」を明確な目標に持つ

・「合格する」という大目標目掛け、全力を尽くす

上の話は中学校・高校の定期試験で、これはこれで中高生にとっては非常に大事な勝負です。

一方で、中学受験〜大学受験では「失敗したら、敗北(不合格)」となってしまいます。

複数の科目を受ける受験生たちは「防衛ライン」を明確にして、勝負に出るのも良いでしょう。

そして、何かの科目等で大失敗することもあり得る事態なので、そういう時は、

後悔しても
仕方ない!

次でこの失点分も
巻き返してみせる!

という強い気持ちを持つことは大事です。

合格つかむ大事な姿勢

・全力を尽くして、全てを投入する気持ちで

・渾身の一矢報いて、合格目指す

今回は実話から「試験で大きなミスをした」際の心構えの話でした。

次回は、武蔵中学M先生の「計算ミスに対する採点姿勢」から記述試験の採点方法と勉強法を考えます。

新教育紀行

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