「あなたの意見」をハッキリ書く姿勢〜「知っていること」と意見・日本海海戦勝利の大きな理由・戦争に勝った理由を考える・日本海海戦を戦った将兵をイメージ〜|時事問題と対策7・中学受験・社会

前回は「理由を自分なりに考える姿勢〜軍事国家大日本帝国の歴史・新興国大日本帝国vs歴史的強国ロシア帝国・奇跡的大勝利だった日本海海戦〜」の話でした。

目次

問題(5)(6)

新教育紀行
ウクライナ戦争と日露戦争(新教育紀行)

「あなたの意見」をハッキリ書く姿勢:「知っていること」と意見

新教育紀行
日露戦争(Wikipedia)

このように「あなたの知っていること」と「あなたの意見」を尋ねる記述問題が、最近よく見受けられます。

こういう問題は、もし

ちょっと、
分らない・・・

「知っていること」が
ないから、意見も書けない・・・

と感じることがあっても、「分かる範囲で」書きましょう。

でも、「知っていること」が
ないと、「意見」につながらないのでは?

「知っていること」が前提で、その後に「意見」があるので、そういう面もあります。

一方で、こういう問いを出す出題者が聞きたいことは、実は「知っていること」より「意見」なのです。

「あなたの意見を聞きたい」のですが、突然「あなたの意見を書いて下さい。」と言われると、大抵の方は困ります。

大人だって、突然

〜の件で、
あなたの意見を書いて下さい。

と言われたら、ビックリします。

だから、「あなたの知っていること」を前触れにして、「あなたの意見」を求めているのです。

上のように「あなたの意見を求めている」は、かなり武蔵中的な発想です。

武蔵中に関しては、この考え方は合っているので、武蔵中志望の方は「あなたの意見はハッキリ」書きましょう。

麻布中など他の学校は、学校のカラーや内情をよく知りませんが、「意見」がある時は大体似た方針と考えます。

大きな反響を呼んだ、2022年の麻布中学の社会の入試問題。

「移民問題」に関してですが、これは「大人や大学生が尋ねられても、困る」問題です。

それを、あえて「小学生である」麻布中受験生に「尋ねた」のです。

見方によっては、「小学生相手に行き過ぎ」という意見もあるでしょうし、「とても良い」という意見もあるでしょう。

いずれにしても、「知っていること」が「ない」あるいは「ほぼない」でも、想像してみるのも良いでしょう。

世の中に報道されたり、書籍・ネットに記載されていることは、事実の一部であることも多いです。

そして、政治的内容や二国間・多国間関係は、「表に出ない事実」もまた多いのです。

ですから、「どこかに書いてなくても、想像したこと」が「ある」あるいは「あると考えられる」こともあります。

日本海海戦勝利の大きな理由

戦艦三笠と東郷平八郎 連合艦隊司令長官(Wikipedia)

日本海海戦で欧米先進国の多くの予想を「裏切って」大勝利した日本海軍。

バルチック艦隊の航路(Wikipedia)

バルチック艦隊が、はるばるロシアからやってきた時に、日英同盟が非常に有効に効いた話をご紹介しました。

勝利した最も大きな要因の一つが、日英同盟および英国の積極的協力でした。

ロンドン(新教育紀行)
日露戦争における日英同盟

・日英同盟を結んでいた大英帝国が、全面的に日本を支援した。

・大英帝国が、諸外国に働きかけをして、日本に有利な世論になることに協力した。

・影響力の強い大英帝国が、日本が戦争に必要な費用の借入などに協力した。

上のようなことが、考えられます。

今回は、勝利に実際に貢献した日本海軍の組織を想像してみましょう。

東郷 平八郎 連合艦隊司令長官(日露戦争)(Wikipedia)

東郷平八郎 連合艦隊司令長官のもと、戦った日本海軍が大きな成果を上げました。

おそらく、猛烈な訓練をして「一糸乱れず」大いに戦ったのでしょう。

日英同盟、および英国の協力の話は「知っている」ことに含めたいですが、想像もしてみましょう。

戦争に勝った理由を考える:日本海海戦を戦った将兵をイメージ

東郷平八郎 連合艦隊司令長官(国立国会図書館)

日本海軍(連合艦隊)がロシア海軍(バルチック艦隊)に勝つために、最も必要なことはなんでしょうか。

日本海軍の攻撃が
バルチック艦隊に大きな打撃を与える、ことかな。

大英帝国の協力は有難いけど、
日本海軍がバルチック艦隊の艦船を倒す、かしら。

そうですね。

戦争は、上手い外交関係や兵站線(補給など)が非常に大事です。

それらの「外交の駆け引き」や「後方支援」を含めて、全てが「戦争の一部」とも言えます。

しかし、なんといっても最前線で戦う将兵が、頑張って敵を倒さなければなりません。

特に海の戦いである「海戦」は、撃った砲弾が敵に当たらなければ、意味がないのです。

そこで、下記のようなことが想像され、事実でしょう。

日露戦争における日本海軍(連合艦隊)の戦い

・バルチック艦隊が来るまでの長い期間、猛烈な訓練を続け、砲撃の能力・実力を上げた。

・東郷連合艦隊司令長官の元、司令部の将軍(幕僚)たちが一致団結してまとまり、戦いへの明確な方針をまとめた。

・東郷長官・幕僚たちのもと、将兵たちの心が一つにまとまり、バルチック艦隊を迎撃する体制が整った。

これらのことを、自分なりに書いてみましょう。

これらは「事実」であると考えられますが、「本当の事実は何か?」はハッキリしないこともあるのです。

戦艦三笠と東郷平八郎長官(Wikipedia)

あるいは、日本海軍(連合艦隊の準備」に関しても考えてみましょう。

日露戦争における日本海軍(連合艦隊)の準備

・バルチック艦隊が来るまでの長い期間、日本海軍(連合艦隊)の艦船の万全なメンテナンスが出来た。

・バルチック艦隊が来るまでの長い期間、幕僚たちが、様々な作戦を検討する時間が出来た。

・バルチック艦隊が来るまでの長い期間、海戦に必要な砲弾などの軍需物資の調達を万全に出来た。

これらのこともまた、「事実」と「意見」の境界が曖昧な点もあります。

歴史は「何が事実か?」というのは、歴史家・専門家の間でも意見が割れることが沢山あります。

これらをまとめ、(6)の答えは、

(5)日本海海戦勝利の理由:解答例

・日英同盟を結んでいた大英帝国が、全面的に日本を支援した。

・大英帝国が、諸外国に働きかけをして、日本に有利な世論になることに協力した。

・影響力の強い大英帝国が、日本が戦争に必要な費用の借入などに協力した。

・バルチック艦隊が来るまでの長い期間、猛烈な訓練を続け、砲撃の能力・実力を上げた。

・東郷連合艦隊司令長官の元、司令部の将軍(幕僚)たちが一致団結してまとまり、戦いへの明確な方針をまとめた。

・東郷長官・幕僚たちのもと、将兵たちの心が一つにまとまり、バルチック艦隊を迎撃する体制が整った。

・バルチック艦隊が来るまでの長い期間、日本海軍(連合艦隊)の艦船の万全なメンテナンスが出来た。

・バルチック艦隊が来るまでの長い期間、幕僚たちが、様々な作戦を検討する時間が出来た。

・バルチック艦隊が来るまでの長い期間、海戦に必要な砲弾などの軍需物資の調達を万全に出来た。

これらの事実・意見を、いくつか書けば良いでしょう。

新教育紀行

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