記述・考える問題対策 1〜西郷隆盛・大久保利通・薩摩同一町内出身の威人たち〜|中学受験・高校受験・大学受験・社会

前回は「思考力を問う問題 9〜江戸と東京〜」の話でした。

幕末〜明治の威人(偉人)たち

東京圏の中学受験の山場である2月1日まで、本日を入れて3日となりました。

受験生の方々は、健康第一で当日まで体調を整えてください。

高校受験〜大学受験の方は、本番まで残す所あと少しで、最後の追い込みの学習と健康管理をしましょう。

今日は、主に中学受験の方向けに「超直前に少し考えよう」という話です。

ちょっとした知識で総まとめを行い、記述対策にもなるでしょう。

冒頭の写真をご覧ください。

みなさん、幕末〜明治の時代の有名な方々です。

下記の問題を考えてみましょう。

考える問題 1

1.上の写真の方々の名前を、全員答えて下さい。

2.この4名から、好きな一人を選び、歴史的背景と共にあなたの意見を述べて下さい。

3.この4人は、江戸時代における同一藩の出身者です。その藩の名前を答えて下さい。

4.この4人は、江戸時代〜現代の同じ藩・県の同一町内出身です。

 なぜ狭い町内からこの4名が登場したのかを、歴史的背景などを踏まえてあなたの意見を述べて下さい。

下に答えを書きますので、ほんの3~5分で良いので、考えてみましょう。

1~3の答えは下記です。

1~3の答え

1.左上から時計回りに西郷隆盛、大久保利通、大山巌、東郷平八郎

 (大山巌の巌は、漢字でなくても良いでしょう)

2.これは多くの方が西郷を選ぶと思いますが、自分なりに書いてみましょう。

3.薩摩藩(中学受験では薩摩は「さつま」で良く、高校受験以降は漢字で書けるようにしましょう)

1~2は比較易しく、3も多くの方がご存じだったと思います。

では、4に行きましょう。

これらの幕末〜明治の有名人たちが同じ薩摩藩であること以上に「同一町内」出身なのです。

その町の名前は、旧薩摩藩からしばらくの間は「下加治屋町」と言われ、現在「加治屋町(かじやちょう)」と言われます。

大作家 司馬 遼太郎(司馬遼太郎の戦国 朝日新聞出版)

狭い町である下加治屋町の
出身者たちが・・・

「倒幕から日露戦争まで、
主役を務めた」と言っても過言ではない。

大作家・司馬遼太郎さんは、上記のようなことを繰り返し話しています。

とても貧しい家出身だった西郷隆盛(吉之助)と大久保利通(一蔵)。

「とても貧しい」という印象からは、「薩摩藩の中心から大きく外れた町出身」と感じます。

現在の加治屋町(かつての下加治屋町)は、鹿児島の中心である鹿児島中心駅からすぐ近くです。

鶴丸城跡(新教育紀行)

歴代藩主がいた鶴丸城よりも「中心地に近い」と言える場所に、現在の加治屋町は存在します。

それは、西郷たちの影響によるのかも知れませんが、鶴丸城と加治屋町(下加治屋町)はそれほど離れていません。

上記4名以外に、村田新八・黒木為禎なども下加治屋町出身者です。

東郷・大山の二人は、日露戦争では「東郷が海軍・連合艦隊司令長官、大山が陸軍・満州軍総司令官」です。

「倒幕の主力だった薩摩藩」の小さな町出身者が、日露戦争においても「陸海の頂点」に立っていたのです。

これは、なぜでしょうか。

一つには、郷中教育による「強い結びつき」があります。

後に西南戦争で「政府軍に反乱を起こした」西郷ですが、西郷の影響力は西南戦争後も絶大でした。

西南戦争(Wikipedia)

これらの4名が同一の「加治屋町内出身」である理由は、いくつか考えられます。

4の答え

a.新政府において、明治維新の中心勢力である薩摩藩の力が非常に強かったから。

b.維新を成し遂げた西郷隆盛と大久保利通は幼馴染であり、郷中教育などにより4人の連帯感が非常に強かったから。

c.若き頃の西郷隆盛と共に過ごした経験のある大山巌・東郷平八郎に対して、畏敬の念があったから。

d.新政府において強い立場であった薩摩出身の軍人の多くが、西南戦争で亡くなったから。

e.伊藤博文・井上馨ら政治の中心となった長州に対して、軍事面で薩長のバランスを取る必要があったから。

f.幕末期から大山巌・東郷平八郎の優れた軍人としての才能が際立っていたから。

g.同じ郷里・郷党出身なので、お互いに引き立て合う面があったから。

上記のような理由が考えられ、他にもあるでしょう。

gは「縁故主義」とも言えますが、この時代良かったことは「縁故で引き立てられる人物が優れていたこと」です。

こういう問題が出題されたときは、

こういうことも
考えられるかな?

と思ったら、書いてみましょう。

でも、合っている
かな・・・

こういう「歴史的事実の背景」に「100%確実な理由」は少なく、大抵の場合は「諸説あり」となります。

特に記述試験が出題される学校受験者は、「思ったことをハッキリ書く」ようにしましょう。

書いていないと採点者には、伝わらないのです。

「自信がないから」と白紙、あるいは「ほとんど書かない」では、採点者は「点のつけよう」がないのです。

何か書いてあれば、
点のつけようがあるのだけど・・・

何も答案に書いてないなら、
0点。

ちょっとこれは
分からないかも・・・

ということが理科・社会などであった場合も、

こういうこと
かな・・・

と思うことは、書いてみましょう。

後回しかな・・・

でも良いでしょう。

大学受験のように試験時間が長いなら良いですが、中学受験の短い試験時間では難しい面があります。

「後回しにして戻る」時間が「ない」可能性の方が高いでしょう。

超直前期の今は「試験への超前向きな姿勢」を確立して、当日に臨みましょう。

新教育紀行

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次