電気・電流の実戦的問題の考え方 2〜電流が分かれるところ・流れる電流をイメージ・電圧が「かかっている」か「かかっていない」か考える・自分が「流れる電流」になるイメージ・抵抗は避ける・状況をまとめて比較・基本をしっかり考えて「楽しく解ける」姿勢〜|中学受験・理科

前回は「電気・電流の実戦的問題の考え方 1〜電気の明るさ・電圧と電流・電圧と電流のイメージ・電圧が電流を流す・電圧と電流を描く・流れる電流をイメージ・電圧:電池で電流が「上がる高さ」をイメージ〜」の話でした。

目次

電流が分かれるところ:流れる電流をイメージ

2018年愛光中・理科(四谷大塚ドットコム)

続けて、図3の回路を考えます。

一つの電池で、電圧が①上がります。

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電流が流れて、二つに分かれる線があります。

電線が分かれるところは、基本的に電流が流れます。

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ここで、四角で閉じた回路を考えましょう。

閉じた回路は、三角でも四角でも丸でも同じです。

そして、「閉じた回路の両端で、電圧が同じ」です。

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まず、この回路には、電圧がかかっていません。

確かに、
電池とかがないね。

電圧が「かかっている」か「かかっていない」か考える

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上の図の赤線の部分は、電流があると「電流x抵抗(1)」の電圧が下がる(電圧降下)が発生するはずです。

電圧がかかっていないため、電流=0となります。

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電流を主役に考えると、このように「電流が流れない理由」が不明瞭になります。

「電圧が主役」であれば、「かかる電圧」や「下がる電圧(電圧降下)」を考えると、分かりやすいでしょう。

すると、最初に考えた、「電線が分かれるところで、電流が分かれる」はこの回路では起きません。

そのため、「電池一つに電球(抵抗)一つ」となるので、流れる電流が求まります。

図4に行きましょう。

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直列電池は、「電流が次々持ち上げられる」ので、2倍の電圧がかかります。

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電流が流れてゆき、一つの電球(抵抗)の後に、三つに分かれる点があります。

ここで、「電流が分かれる」イメージを描きましょう。

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そして、この緑色の「閉じた回路」を考えましょう。

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それぞれに電流が流れると考えると、一番上の電線は抵抗がないので、電圧が下がりません。(電圧降下0)

自分が「流れる電流」になるイメージ:抵抗は避ける

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他の二つの電線では、電球(抵抗)があるので、電圧が下がります。

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この場合、「電圧が下がらない」と「電圧が下がる」の二つが考えられます。

ところが、「閉じた回路の電圧が上がる・下がる分は同じ」なので、おかしいです。

2つのパターンが
考えられる、ってことかな?

でも、その場合、
「答えは2つ」ということ?

特殊な状況でない限り、理科の状況で「2つの状況が発生しうる」ことはありません。

じゃ、どっちに
なるのかな・・・

この時、電流はどうなるか、イメージしてみましょう。

または、「自分が流れる電流になった」ことを考えてみましょう。

私が「流れる電流」になった
イメージ?

電熱線(電線)の抵抗を考えたときに、「電流が抵抗を受ける」イメージを考えました。

それと同じように、「電流が抵抗を受けない」と「ググッと抵抗を受ける」イメージを考えましょう。

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電流は「抵抗がない方がラク」です。

電流も人間も動物も一緒で、みんな「抵抗は嫌」なのです。

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そこで、流れる電流は、

こっちには、抵抗があって、
あっちには抵抗がないから・・・

抵抗がない方に
行こう・・・

と考えます。

抵抗がある方(電線)には、
行かない!

と考える電流は、抵抗がない電線の方に流れます。

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すると、電流が受ける抵抗は、最初の一つの電球(抵抗)だけになるので、電流が求まりました。

状況をまとめて比較:基本をしっかり考えて「楽しく解ける」姿勢

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これで、全ての回路の電流が求まったので、まとめましょう。

実際の試験でも、上のように電流を書き込むと良いでしょう。

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上下や、電流が流れない電球を選んで、答えになります。

このように、電気・電流・回路の問題は、「電圧を主役にして、流れる電流を描く」と必ず出来ます。

そして、「閉じた回路(三角・四角・丸でも図形は何でも)」での両端の電圧は必ず同じです。

閉じた回路で、「電圧は上がった分だけ下がる」のが法則です。

この法則をしっかり理解して、回路の問題を考えてみましょう。

そこで、自分で「閉じた回路」を考えてみて、

この両端の電圧が同じだから、
電流がこうなって・・・

と考えれば、どのような回路が出ても解けるようになります。

すると、「電気の問題は全部解けるようになる」ようになるでしょう。

てこの「回転する力(モーメント)」を考えたとき、色々な点を支点に考えました。

この時のように、「ただ問題を解いて終わり」だけではなく、回路でも支点で自分で考えてみましょう。

この閉じた回路は、
どうなっているかな・・・

この閉じた回路でも、
電圧が同じだから・・・

回路をパターン暗記して、「この場合は、こう」と覚えようとすると、つまらなくなります。

「つまらなくても、問題が解ければ良い」かも知れません。

一方で、理解して考えた方が「楽しくて、ちゃんと解ける」傾向があります。

当日の試験で出来れば良いですが、少し変わった変化球の回路や電気の設定があると、

これって、何の回路の
パターンだったかな・・・

困ることがあります。

「電圧が主役で、流れる電流を実際に描く」ことをぜひ、やってみましょう。

模試で出来なかった電気などの問題があったら、もう一度やってみましょう。

前に
一回復習したよ。

「しっかり出来るようになること」が大事です。

ぜひ、もう一度やってみて、出来なかった場合はしっかり復習してみましょう。

そして、「試験当日にしっかりできる」ようにしましょう。

新教育紀行

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