時には自信を持って勢いを得る「学びの姿勢」〜太田道灌「奢らざるものもまた、久しからず」・江戸東京を生んだ道灌〜|中学受験・高校受験・大学受験

前回は「自信を持って合格へ〜孫正義「まずは自信をもつ」・坂本龍馬に憧れて高校中退して米国へ・司馬遼太郎「竜馬がゆく」・合格判定や偏差値の不安より「根拠なき自信」〜」の話でした。

目次

太田道灌「奢らざるものもまた、久しからず」:江戸東京を生んだ道灌

新教育紀行
戦国武将 太田道灌(Wikipedia)

今回は、戦国武将の太田道灌の言葉をご紹介します。

関東管領の扇谷上杉家の家宰(家老)の子として生誕した太田道灌。

太田道灌

この道灌は、
将来は関東管領を補佐するのだ!

太田道灌

そして、「関東に道灌あり!」と
皆に思わせて見せる!

子どもの頃から優秀だった道灌は、家柄が良かったこともあり、少し「お調子者」でした。

「お調子者」くらいなら良いですが、多少傲慢だった道灌に対して、

室町時代の人S

道灌・・・
「奢れるものも久しからず」ですよ・・・

このように、道灌に対して、たしなめて注意する人がいました。

New Educational Voyage
壇ノ浦の戦い(Wikipedia)

「奢れるものも久しからず」は、有名な平家物語の冒頭の言葉です。

平家物語

祇園精舍の鐘の声、
諸行無常の響きあり。

平家物語

娑羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらはす。

平家物語

驕れる人も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし。

平家物語

猛き者もつひにはほろびぬ、
ひとへに風の前の塵に同じ。

この平家物語の冒頭の一節は、「平家の盛衰」が極めて簡潔にまとめられた名文です。

平家物語の言葉

奢れるものも、久しからず。

現代も有名ですが、道灌の頃は「教養ある人」にとって「必須の知識」だった平家物語。

当然、道灌は、この言葉を知っていましたが、

太田道灌

平家物語の
言葉くらい知ってるよ・・・

太田道灌

ただ、清盛が栄華を極めてのは、
「奢ったから」でもあると思う・・・

こう考えた、若き道灌は、言葉を付け足して、

太田道灌

「奢らざるものもまた、
久しからず」だと思います!

太田道灌の言葉

奢らざるものもまた、久しからず。

そして、太田道灌は、自らに大いなる自信を持ち、「上杉家の家宰」を遥かに超えた立場となりました。

太田道灌

江戸に我が
城を築くのだ!

そして、当時は「東国の小さな漁村の一つ」だった江戸に城を築いた太田道灌。

一時は、「関東の権勢を握る勢い」だった太田道灌によって、江戸は重要拠点へと発展しました。

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徳川幕府初代将軍 徳川家康(Wikipedia)
徳川家康

江戸に
徳川幕府を開く!

その後、徳川家康によって、1603年に江戸に徳川幕府が開設されて、現代の東京に至ります。

「現代の東京=江戸の昔」に関する話を、上記リンクでご紹介しています。

道灌の「江戸城建築の意図」の詳細は不明ですが、後世の視点から見れば、

太田道灌(架空)

この道灌が、
東京の基礎を作ったのだ!

道灌は、「東京の父」と言えなくもないでしょう。

時には自信を持って勢いを得る「学びの姿勢」

新教育紀行
空と雲(新教育紀行)
男子小学生

太田道灌は、言った通りに
「奢って成功した」ってことかな・・・

女子小学生

でも、それは
太田道灌が凄すぎるからだよね・・・

確かに、太田道灌は、当時の武将の中では「ピカイチ」の能力を持った人物でした。

一方で、この「奢らざるものもまた、久しからず」を言った道灌の立場から考えれば、

太田道灌

私自身の
大いなる成功は、私の能力によるが・・・

太田道灌

その能力に自信を持って、
「奢ったこと」も大事だった!

このように「自己に自信を持った」姿勢も大事だったのでしょう。

「自信」とは「自己を信じる」と書きます。

つまり、自信と持つかどうかは「自分次第」となります。

道灌の頃も、子どもたちは武術や稽古などで、ある程度は「ランクづけ」があったと思われます。

室町時代の子どもの教育に関する、詳細な資料は不明ですが、

室町時代の人T

確かに道灌は
武術も古典の学びも、よく出来る・・・

小さな頃から、文武両道の優等生だったであろう道灌には、「良い評価」が下されていたでしょう。

現代では、この評価に関しては、成績やテストの点数などで「数値化」されます。

学校の先生P

山田くんの成績は、
算数4、理科3・・・

五段階評価などで成績が明確に決められ、

学校の先生P

山田くんの算数のテストは90点で、
理科は70点・・・

小学校のテストでは、毎回具体的な点数が付きます。

中学受験生の場合は、さらに塾で多数のテスト・模試があり、

男子小学生

今回の模試では、
総合点で335点だった・・・

女子小学生

私は320点で、
前回より下がっちゃった・・・

「点数が付く」ことは、自己の成績や立場が「数値化されること」につながります。

これは「とても分かりやすい」ですが、「点数が付けられる」側の子どもたちは大変です。

ここで、「良い成績の科目」に対して、自信を持つ姿勢が大事です。

男子小学生

僕は、
算数が今一つだけど・・・

男子小学生

社会は歴史が得意で、
地理も出来るようになったから、良い成績が多い!

算数が少し不得意でも、社会で良い点数が取れる人は、

男子小学生

僕は社会が出来るから、
算数もきっと出来るようになる!

このように「社会が出来る」ことに自信を持って、「他の科目も大丈夫」と考えてみましょう。

女子小学生

私は、理科の電気とか
実験問題とか不得意だけど・・・

女子小学生

国語は、説明文も
物語文も大体良く出来る・・・

理科や算数が「やや不得意」でも、国語などが良い成績の人は、

女子小学生

国語が良い成績だから、
理科もきっと伸びるはず!

理科などの「不得意科目」も「きっと伸びるはず」と考えると良いでしょう。

自分の得意科目・得意分野に大いなる自信を持って、勢いを得る姿勢は、学びの上では大事です。

そして、ポジティブな気持ちで勉強を続けると良いでしょう。

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