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山川捨松 5~天皇という存在〜

前回は「山川捨松 4~日本の危機感〜」の話でした。

山川(大山)捨松(Wikipedia)
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江戸幕府の立ち位置

日米修好通商条約を強行調印した井伊直弼大老。

井伊 直弼(Wikipedia)

ひと昔前であれば、大きな問題ではなかったのです。

それは、江戸幕府が朝廷から「大政を委任されていた」政府だったからです。

江戸幕府は、日本政府だ!

政府である江戸幕府が、
外国との調印をして何が悪い?

井伊大老の本音でした。

じゃ、誰が、どの組織が責任持って、
外国との調印をするんだ?

現代日本で、日本政府が諸外国と調印する権限は、日本政府・外務省に委ねられています。

例えば、日本政府・外務大臣が、米国と新たな協定に調印した時、

勝手に調印すんなよ!

と主張する方は、基本的に存在しないでしょう。

この意味では、江戸幕府・井伊大老の言い分は「正しかった」のです。

幕府と天皇

しかし、時代は大きく変わっていました。

強気の井伊大老でしたが、あまりに次々と外国との関係が出てきた時代。

国内の政治だけであれば良かったのですが、対外関係において、日本中で議論が沸騰します。

江戸幕府は弱腰だ!

天皇の許可なく、
調印するとはけしからん!

孝明天皇(Wikipedia)

中でも「夷人(外国人)嫌い」の孝明天皇。

調印など、もってのほか!

そもそも、日本の天皇は「日本の中心的存在」であり「絶対的存在」です。

しかし、鎌倉幕府以降、混乱期はあるものの「政治は武家が代理して実施する」ことになっていました。

そのため、「天皇には建前的な許認可権がある」のみで、「実質的権限はない」のでした。

当時、外国との関係構築に悩んでいた幕府は、様々な意見を諸大名から募ります。

そして、「天皇の許可を建前的に得て、条約締結の反対派を封じる」策に出ました。

調印してはダメだ!

しかし、あべこべに天皇に反対され、挫折します。

天皇が反対?

なら、朝廷が諸外国と折衝するのか?

それは、出来ないだろう。

その結果、「調印強行」した井伊大老でした。

将軍は具体的な政治には、
それほど関与しない。

実質的には、私が総理大臣なのだ。

総理大臣が、諸外国との条約を決断して、
何が悪い?

しかし、「徳川幕府の屋台骨」は、グラグラと揺らいでいました。

山川捨松(咲子)が生まれる頃、日本は非常な変革期にあったのです。

大丈夫なのかしら。

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