前回は「山口多聞 36〜大混乱〜」の話でした。

大混乱の各空母

連戦連勝の第一航空艦隊の空母・赤城・加賀・飛龍・蒼龍。
その全ての空母において、待機している雷撃隊の兵装転換の指令が、目まぐるしく変更となりました。

「魚雷から爆弾へ、そしてまた爆弾から魚雷へ」の時間を浪費するだけの指令。
各空母の飛行場は、空前の騒ぎとなります。
なんとかやるぞ!
頑張るぞ!

おい、魚雷をこっちだ!
爆弾を外したぞ!
爆弾は、その辺に置いて、
魚雷を早く!
そうだな。
とにかく、魚雷だ。
この間、Midway島攻撃に向かっていた100機以上の飛行機が空母に帰還してきます。
各空母は、大荒れで収拾のつかない状況となります。

その中、米軍の雷撃隊・爆撃隊が次々に各空母へ襲いかかってきます。
攻撃から防御へ
日本から遥かに遠いMidway島まで「攻撃に向かった」連合艦隊の大部隊。

兵装転換により「発艦できない=攻撃できない」状況が続きます。
そして、攻撃から防御に回ります。

「攻撃に行ったのに、防御を続ける」という、あべこべの状況となります。
各空母艦長の懸命な操艦と、零戦の迎撃によって、辛うじて米軍の攻撃を回避します。

この頃、ちょうど米空母を発艦した爆撃隊・雷撃隊も攻撃に加わり、次々と米軍がやってきます。
敵機来襲!
零戦発艦!

雷跡(魚雷の跡)
左30度!
面舵一杯!
当時は能力が高く、百戦錬磨の達人たちが操縦する零戦で、米戦闘機を次々と撃墜します。
やったぞ!
逃げ惑う日本空母
米軍の攻撃を回避して、逃げ惑う日本の空母。

飛龍も
敵の攻撃から回避せよ!


山口司令官が指揮する第二航空戦隊の空母飛龍・蒼龍および軽巡・駆逐艦たちも必死に攻撃を回避します。


各空母の飛行場で、必死に発艦準備を進める将兵たち。
おい、魚雷を早く!
今、移動します!
急げ!


赤城に魚雷、
向かってくる!
取舵一杯!
魚雷の回避成功!
爆弾飛来!
面舵一杯!
次々やってくる米軍の、度重なる攻撃をなんとかかわす赤城。





ふーっ。



危なかった・・・



兵装転換、
急げ!



飛行場、
急げ!
大急ぎで
やっております!
飛行場を叱咤激励する草鹿参謀長でした。





飛龍が最初に発艦するのだ!



急いでくれ!
もう少しです!



頼んだぞ!



なんとか・・・



なんとか、
早く発艦するのだ!
祈る思いで、魚雷への兵装転換完了を待つ山口司令官でした。