山口多聞 31〜暗中模索〜|ミッドウェー

前回は「山口多聞 30〜楽観的な日本海軍〜」の話でした。

山口多聞 司令官(Wikipedia)
目次

ズレる思惑

次々と米海軍の電信を補足する戦艦大和の敵信傍受班。

戦艦大和(Wikipedida)

内容の解読はできないものの、電波を補足すれば「発信元の位置」がほぼ計算できます。

すると、「どこで、何が行われるか」は、多少なりとも想像可能です。

つまり、「電信を打つ=電波を発する」のは、敵味方双方にとってリスクが大きいのです。

そのため、敵に位置を知られないために大和は「無線封鎖」を優先していました。

電波を発すると・・・

大和が攻撃される
恐れがあります。

まあ、大丈夫か。

空母でも、
この程度の電波は捕捉出来ているでしょう。

そうだな。

ならば、赤城へは
知らせんでも良いか・・・

楽観論に押され、草鹿参謀長との約束を無視する山本長官でした。

そして、大和傍受班は、前線機動部隊・旗艦の赤城へ「傍受通信」を知らせなかったのです。

暗中模索

一方、最前線の空母機動部隊は、これらの米軍の電信を捕捉できていませんでした。

草鹿龍之介 第一航空艦隊参謀長(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社)

重大な米軍の電信を補足できない赤城の司令部では、

やはり米空母は、
出てこないのではないか?

最前線の機動部隊では暗中模索の状況でした。

米空母が出てくるなら、
Midway島周辺で、敵信が盛んになるはず!

第一航空艦隊 旗艦 空母赤城(Wikipedia)

目視で確認できる距離ならば、電波を発しない発光信号もあります。

しかし、Midway周辺で米空母が出動するためには、米軍内の電信が不可欠です。

そして、その敵信は
大和なら、必ず傍受出来る!

山本長官とは「すべての敵信を赤城司令部へ連絡」することを
約束している。

それが「ない」ということは・・・

米軍は盛んに動いていたのですが、赤城司令部は「動きが少ない」と感じていたのです。

少ない索敵計画

戦争において、「敵がどこにいるのか?」は最も大事な情報です。

その上で「敵がどのくらいの数か?どこを狙っているのか?将軍は?」などが大事な情報となります。

特に、広大な太平洋で作戦を展開する日米の海軍の艦隊。

ミッドウェー作戦地図(歴史街道 2022年8月号 PHP研究所)

太平洋は世界で最も大きい海で、面積はおよそ1.66億km2。

日本列島がおよそ440個入る、「非常に広大な面積」です。

当時、米国は英国と共に対独戦を大西洋で戦っていましたが、大西洋の面積はおよそ0.86億km2。

太平洋面積の約半分なのです。

広い太平洋において「敵がどこにいるか?」は、日米双方にとって「最重要事項」でした。

まず敵を見つけなければ!

敵を見つけるには、電波の傍受も大事ですが、具体的には索敵機という飛行部隊を飛ばして目視で発見します。

出来るだけ
索敵機を多く!

しかし、「米空母は出てこない」という先入観のある草鹿参謀長は、

索敵機を増やすと、攻撃隊が
少なくなる・・・

索敵機は少なめで、
攻撃に主眼を!

そんなことでは
ダメだ!

前線司令部では、思惑が大きくズレていました。

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