前回は「山口多聞 23〜米軍の底力〜」の話でした。

戦艦大和建造の目的
「世界最大の戦艦」を目指して建造された戦艦大和。
大和の建造は、軍最高の機密「軍機」扱いでした。
海軍・日本政府の最高幹部クラス以外は、知らないように秘匿されて、建造されました。

米海軍は、太平洋と大西洋を移動する際に、パナマ運河を通行する必要があります。
そのため、「パナマ運河を通行できるサイズ」が、米海軍艦艇の最大サイズとなります。
このサイズを超える大きさが、戦艦大和のサイズでした。
戦艦大和より
大きな戦艦は、米国はつくれない。
世界最強の戦艦を作るのだ!
世界最強の戦艦:大和
そして、海戦のモデルは、ロシアに対して完勝した日本海海戦でした。

「巨大戦艦の巨砲」で、「敵戦艦の砲弾が届かない位置から砲撃する」ことが目的でした。
さらに、
分厚い装甲で、
浮沈戦艦にするのだ!
という理念のもと、非常に頑丈に造られました。
名前は様々な案が出ましたが、最終的に「日本」の別の名前である「大和」に決まります。
「戦艦大和」の存在自体が「日本」の姿となり、「日本の守護神」としての役割を期待されました。
「最大の攻撃力と最高の防御力を併せ持つ」日本海軍秘蔵の戦艦大和。
ついに初陣となります。
戦艦大和の位置
米軍が総力を上げて、日本側の情報を集め、万全の準備を進める中、ミッドウェー作戦が発令されました。


私が大和に乗り込み、
主力部隊を率いる!
攻撃の主力は、山口司令官の所属する「機動部隊」です。
しかし、山本長官が率いるため、戦艦大和の部隊が「主力」となります。


この「主力部隊」の位置が、大きな問題でした。
なんと、攻撃の最前線の空母機動部隊の遥か後方、約300マイル=約500kmに位置していたのです。
艦船の時速は、種類によります。
戦艦大和は重い船体のため、最高時速27ノット(50km)でした。
つまり「最高時速で向かっても10時間かかる」位置に、大和はいたのでした。





戦いが始まってから、
大和は間に合うのか?
この「主力部隊が遥か後方にいる」理由は、諸説あります。


本来ならば、攻撃に弱い空母に対して、



戦艦大和が、
盾になってみせる!
くらいの男気が欲しいものでした。
しかし、逆に大和が前線ではなく「守られる」立場でした。



これは、戦艦大和の
出番があるのだろうか・・・



大和建造への思いと、
ズレてないだろうか・・・