山口多聞 24〜日本の作戦計画〜|飛龍と大和

前回は「山口多聞 23〜米軍の底力〜」の話でした。

山口多聞(Wikipedia)
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戦艦大和建造の目的

「世界最大の戦艦」を目指して建造された戦艦大和。

大和の建造は、軍最高の機密「軍機」扱いでした。

海軍・日本政府の最高幹部クラス以外は、知らないように秘匿されて、建造されました。

戦艦 大和(Wikipedida)

米海軍は、太平洋と大西洋を移動する際に、パナマ運河を通行する必要があります。

そのため、「パナマ運河を通行できるサイズ」が、米海軍艦艇の最大サイズとなります。

このサイズを超える大きさが、戦艦大和のサイズでした。

戦艦大和より
大きな戦艦は、米国はつくれない。

世界最強の戦艦を作るのだ!

世界最強の戦艦:大和

そして、海戦のモデルは、ロシアに対して完勝した日本海海戦でした。

戦艦三笠と東郷平八郎長官(Wikipedia)

「巨大戦艦の巨砲」で、「敵戦艦の砲弾が届かない位置から砲撃する」ことが目的でした。

さらに、

分厚い装甲で、
浮沈戦艦にするのだ!

という理念のもと、非常に頑丈に造られました。

名前は様々な案が出ましたが、最終的に「日本」の別の名前である「大和」に決まります。

「戦艦大和」の存在自体が「日本」の姿となり、「日本の守護神」としての役割を期待されました。

「最大の攻撃力と最高の防御力を併せ持つ」日本海軍秘蔵の戦艦大和。

ついに初陣となります。

戦艦大和の位置

米軍が総力を上げて、日本側の情報を集め、万全の準備を進める中、ミッドウェー作戦が発令されました。

山本五十六 連合艦隊司令長官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社)

私が大和に乗り込み、
主力部隊を率いる!

攻撃の主力は、山口司令官の所属する「機動部隊」です。

しかし、山本長官が率いるため、戦艦大和の部隊が「主力」となります。

ミッドウェー作戦地図(歴史人 2021年8月号 ABCアーク)

この「主力部隊」の位置が、大きな問題でした。

なんと、攻撃の最前線の空母機動部隊の遥か後方、約300マイル=約500kmに位置していたのです。

艦船の時速は、種類によります。

戦艦大和は重い船体のため、最高時速27ノット(50km)でした。

つまり「最高時速で向かっても10時間かかる」位置に、大和はいたのでした。

戦艦大和(Wikipedida)

戦いが始まってから、
大和は間に合うのか?

この「主力部隊が遥か後方にいる」理由は、諸説あります。

第一航空艦隊 旗艦 空母赤城(Wikipedia)

本来ならば、攻撃に弱い空母に対して、

戦艦大和が、
盾になってみせる!

くらいの男気が欲しいものでした。

しかし、逆に大和が前線ではなく「守られる」立場でした。

これは、戦艦大和の
出番があるのだろうか・・・

大和建造への思いと、
ズレてないだろうか・・・

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