悩むニミッツ長官〜圧倒的優勢だった日本海軍・ヨークタウン修理に必要な時間・90日を3日へ・米軍の底力・莫大な溶接電力と計画停電〜|山口多聞23・ミッドウェー・能力

前回は「少ない空母と小さな打撃力を問題視した山口多聞〜「二兎追うもの」から「三兎追うもの」へ・空母分散の結果・軍令部のメンツ・山本長官に振り回された軍令部〜」の話でした。

山口多聞 司令官(Wikipedia)
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悩むニミッツ長官:圧倒的優勢だった日本海軍

Chester Nimitz米太平洋艦隊司令長官(Wikipedia)

悔しいことだが、Japanの海軍は
強すぎる・・・

Japanは、
空母を10隻近く持っている。

ミッドウェー作戦計画が進む直前、日米海軍が南太平洋で激突しました。

空母 翔鶴(Wikipedia)

日本海軍は空母翔鶴が大破し、修理のために戦列を離れます。

そして、同様に大破した米海軍ヨークタウン。

実は、ヨークタウンは日本側は「沈没した」と考えていました。

米空 ヨークタウン(Wikipedia)

この大事な時に、
ヨークタウンが大破か・・・

Japanとの大きな戦いが、
近い・・・

なんとかヨークタウンを、
出動させたいが・・・

・・・・・

ヨークタウン修理に必要な時間:90日を3日へ

新教育紀行
真珠湾で修理される米空母ヨークタウン(歴史群像2002年2月号 学研)

ヨークタウンの修理には、
どのくらいかかる?

はっ!
90日ほど、かかります。

90日か・・・
それでは困るのだ・・・

90日では、
全然間に合わん!

・・・・・

3日だ!

90日を
3日?

ニミッツ長官は疲れてらして、
「3週間」と言い間違えたんだろう・・・

圧倒的に優勢だった日本海軍への対応で、ニミッツ長官が疲れ果てていることは、全ての米海軍将兵が知っていました。

ここで、ニミッツ長官に「確認のため」に一応打診します。

3週間ですか?

全然無理な
日数だけど・・・

90日から、3週間=21日は1/4以下の日数です。

この期間では、とても無理です。

No!

3日だ!

「90日を3日」というのは、絶対無理な話です。

「必要な日数・時間の半分」ならば、話し合いにはなり得ます。

ところが、「必要な日数・時間の1/30」では話になりません。

はっ?

一体どういうこと
なのだろう・・・

3日でヨークタウンを戦場に、
出せるように修理しろ!

いや、しかし・・・

これは、
命令だ!

ははっ!

軍隊では上官の命令は「絶対」です。

米軍の底力:莫大な溶接電力と計画停電

Midway島(Wikipedia)

そして、本気で、

こうなったら
仕方ない!

90日掛かる修理を、
3日でやろう!

と取り掛かり始めた米海軍将校。

頑張るぞ!

我がUnited States(米国)の
栄光のために!

連日1000人以上の作業班が、空母ヨークタウン修理を24時間体制で行います。

しかし、一度に大量の溶接を行うには、莫大な電力が必要です。

海軍に割り当てられている電力では、とても足りません。

突貫修理の人員は、
確保出来そうです。

ですが、
全然電力が足りません!

俺に
任せてくれ。

そこで、修理班の責任者は、思い切った策に出ます。

「電力会社と直接交渉」することに決めた担当者。

こちら米海軍!
電力会社社長を頼む。

ハワイの電力会社社長に連絡を入れます。

私が
社長で御座います。

我が海軍は、極秘で「ある作業」を
行う必要がある。

だが、
電力が全然足りないのだ。

我が海軍に、
電力を回して欲しい!

なんと、民間の電力会社に協力させて、電力を修理工場に重点的に回させようと考えます。

承知しました・・・
軍に協力いたします。

電力会社社長としては、

軍に協力するのは、
民間人として当然のこと!

我が社の余剰電力を
全て回す覚悟だ!

と考えていた社長は、海軍からの通達書を読んで、

なんだ、
この電力量は・・・

これは、
莫大な電力だ・・・

本気か・・・
一体何をやろうとしているのだ・・・

電力会社社長は海軍の要求電力を見て、驚愕します。

我が社の余剰電力では、
全然足りない・・・

・・・・・

足りない分は、
民間分から持ってくるしかない!

計画停電だ!

ハワイ在住の一般市民には「故障」の理由で、ハワイ全島を強引に「計画停電」させます。

そして、米海軍に優先的に莫大な電力を補給したのでした。

米国は、
大いなる底力を持っている。

新教育紀行

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