前回は「山口多聞 11〜かつての世界一の強国・英国との戦い〜」の話でした。

調子に乗る日本海軍
「騙し討ち」だったにしても、空前の真珠湾奇襲攻撃という大作戦を成し遂げた日本海軍。

そして、その後半年ほど「世界で敵なし」と言えるほど、連戦連勝を続けます。
もう米国にも勝てるな!
米海軍なんて、
大したことないわ!
我が日本海軍の敵は、
世界でも、いないぜ!
我が日本海軍の前では、
米国なんぞ、鎧袖一触よ!
もう戦争には勝ったも
同然だな!
あまりの連戦連勝っぷりに、日本海軍全体が調子に乗ってしまいます。
山本長官の狙い


米国には絶対勝てぬ!
と主張していた山本五十六 連合艦隊司令長官。
日本海軍の意外なまでの強さに、



これならば、米海軍を
もう一押しできるだろう。
と考えます。
真珠湾奇襲攻撃を立案した際、



緒戦で米国に
大打撃を与える!



そして、米国民の戦意を落として、
講和に持ってゆく!



短期決戦による
早期和平!



日本のとるべき道は、
これしかない。
と考えていた山本長官。


おそらく、山口司令官もまた、山本長官の意見に



米国民の戦意が簡単に下がるかは、
わからぬが・・・



「短期決戦による早期和平!」は大賛成!
だったでしょう。
ミッドウェーへ:山本長官の賭け
ここで、山本長官は



米海軍を、
完膚なきまで叩き潰す!
と意気揚々となります。



米海軍の主力空母を、真珠湾では
撃ち漏らした・・・



その主力空母を誘き出して、
一気に雌雄を決する!
一気に勝負に出る賭けに出ました。



ミッドウェー島を攻撃すれば、
米空母は出てくるだろう!


真珠湾奇襲攻撃と同様に、「極めて投機的な作戦計画」でした。
そして、南方資源地帯を攻めて「資源確保」を最優先する軍令部は猛反対します。





軍令部としては、南方の攻撃を最優先して
頂きたい!
絶対に譲らぬ姿勢の軍令部。





・・・・・



山本長官は、
少し急ぎすぎではないか・・・
優等生肌の山口は、同じく優等生肌の「山本の思考を理解できる」つもりでした。



性急は良くない・・・



「兵は拙速を尊ぶ」だ!



確かにそうなのだが・・・



準備もできてないのに、
拙速も何もないのではないか・・・
悩む山口司令官でした。