前回は「受かる方法・コツ〜守るべき防衛ラインを設定〜」の話でした。
僕が家庭教師をしたお子様の実話を元に、読者のお子様が合格を勝ち取る話です。
大学院生の時、小学校6年生のYくんの家庭教師をしました。
始めたのはYくんが5年生の10月頃でした。
成績は「中の下」くらいで、親御様の要望は「中堅校へしっかりと合格させるようにお願いします。」とのことでした。
主に算数、時々理科を教えました。
真面目な子で僕が教えたことを良く復習してくれたこともあり、少しずつ成績が伸びてゆきました。
そして、「やや高めの学校」の学校が視野に入ってきました。
親御様・お子様共々、僕と気があったので僕も教えがいがありました。
6年生の6月頃、いつも通り終えて帰り際にお母様に挨拶していると、Yくんのお母様から話がありました。
この子が先生のことが、
とても好きで・・・
先生の行っていた
武蔵中へ行きたいと言っています。
第一志望を武蔵中にしたいと思いますが、
いかがでしょうか。
と。

「好き」と言われて嬉しいですし、出身校を志望してくれるのも嬉しいので、僕も思わずニコリとしました。
しかし、内心は
まずいことになった。
というのが正直なところでした。
Yくんの学力として武蔵中に受かるレベルではなかったのです。
また、中堅校向けの教え方をしていたので、対応を大きく変更する必要があります。
当時、武蔵中は大学進学実績が急落し始めたころで、あえて偏差値で比較しますと、今よりも5くらい高い感じでした。
いかがでしょうか。
と言われたら、僕もYくんが好きでしたので、
分かりました。
合格するように
一生懸命お教えします!
とお答えしました。
翌週から武蔵を意識した内容に変更し、学力をより着実にあげる教え方にしました。
真面目なYくんは着実に学力をあげました。
武蔵中合格率80%へ届いたことは一度もなく、60%ほどが最も良い成績でした。
お母様・Yくんも合格率は高くはないですが、第1志望を変更することは全く考えていませんでした。
11月頃からは特に総合力を上げる教え方をして、記述試験に対する考え方を色々と教えました。
出願校決定時は僕も相談に乗らせていただき、第2志望校以降は少し安全になるようにしました。
1月末に最後の家庭教師を終え、帰り際にYくんとお別れです。
その時、僕はYくんに
直前期も
だいぶ学力が上がったから・・・
当日は思い切って
試験に取り組んでみて下さい。
武蔵中の記述は、自分の意見を
はっきり書くのが大事。
Yくんの持っている実力を全部出せば、
合格するから。全力でやってみよう。
と伝えました。
そして、Yくんは武蔵中学校に合格しました。
僕もとても嬉しかったです。
直前期の今、健康に配慮しながら「当日に自分が実力を最大限発揮して、思い切りやる」イメージを考えてみましょう。
そして、合格を勝ち取りましょう!