記述問題の増加傾向と対策・ポイント〜世界の教育と日本の教育・世界の流れと日本の中学受験・記述問題に対して準備する姿勢〜|記述への積極的姿勢3・中学受験

前回は「記述問題が得意になるコツ〜大人も難しい記述問題・「正確な答え」が存在しない社会の記述への姿勢・「自分なりの考えを表現」する姿勢〜」の話でした。

目次

世界の教育と日本の教育:記述問題の増加傾向

新教育紀行
東京大学(Wikipedia)

社会人・大人でも難しい記述問題。

記述式問題に関しては、今後「増加してゆく傾向にある」と考えます。

文科省によって「大学入学共通テスト」の一部記述式問題化が検討されましたが、

共通テストの
記述問題は難しい・・・

採点基準の統一化が
不可能だ・・・

結局「難しい」と中止になりました。

日本政府・文科省も内心は、

我が日本の丸暗記主体の試験は、
世界の潮流から大きく遅れている・・・

ことを認識しているのでしょう。

長い間検討された結果、「採点基準の標準化」が困難なため、中止となりました。

記述式試験の「採点基準の標準化は不可能」なのは明白な事態でした。

このことは必然の結果でしたが、

暗記主体ではなく、
考える力を!

と政府も本気で考えています。

その中、独立法人になりましたが、国公立大学〜中学はある程度、文科省の意向に沿う必要があるでしょう。

対して、私立中学・高校は、ある程度自由です。

この「自由なこと」が私立らしい「良いところ」です。

日本の中学受験に対して、絶大な影響を与え続けている大学受験。

それは、「大学受験の進学実績」が「中学受験の志願者の動向」に大きな影響を与えているからです。

そして、米国のハーヴァード大学やスタンフォード大学など超有名校が、ほとんど私立大学です。

対して、日本のトップ大学は全て国立大学です。

慶應義塾大学や早稲田大学など私立大学の力も大きいですが、日本は歴史的に「国立主体」の考えが強いです。

設置年大学名
1877年東京帝国大学
1897年京都帝国大学
1907年東北帝国大学
1911年九州帝国大学
1918年北海道帝国大学
1924年京城帝国大学(韓国、のちに廃止)
1928年台北帝国大学(台湾、のちに廃止)
1931年大阪帝国大学
1939年名古屋帝国大学
帝国大学設置年(Wikipediaより)

現在、日本の各地にある「旧帝大」と言われる7つの国立大学は、明治新政府によって作られました。

「帝国大学第一号」の東京帝国大学(東大)は、設立されてまだ150年経ちません。

海外のトップ校と比較すると「歴史が浅い」日本のトップ大学たち。

さらに、これら「7つの国立大学」は「文科省の完全支配下」にあります。

このため、「トップである国立大学の受験制度がなかなか変化しない」構造になっているのが実情でしょう。

東北大学などで「AO入試増加」などの傾向がありますが、まだまだペーパー試験主体の大学受験。

「ペーパー試験で学力を測る」こと自体は悪いことではないですが、「それだけ」が大問題です。

世界が急速に変わる中、「なかなか変化しない」日本の様々なことの一つが教育・受験制度です。

世界の流れと日本の中学受験

新教育紀行
武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

今後、中学受験でも記述式は増えるでしょう。

ただ、記述式試験は

確かに志願者の「考える力」を
見ることは、とても良いのだが・・・

採点する側も時間がかかり、
負担が大きい・・・

のが実情です。

そのため、採点時間の関係から「試験当日に合否発表」する学校では、

記述の採点など
不可能だ・・・

従来通りの形式が続くと思われます。

「合否発表が翌日以降」の学校は、

丸一日以上の時間があれば、
記述の採点は可能だ!

「これまでの傾向から記述式試験への比重が高まる」可能性が大いにあります。

この「記述試験」が増加傾向にあるのは、ネットの急速な影響力の増加を考えると必然となります。

海外のメディアは、「面白いことをしている組織」や「面白い人物」を探しています。

この中、日本の多くの中学・高校が声高に主張している大学進学実績。

うちの高校から
東大に〜名合格しました!

という「実績」は、海外メディアから見れば、

Todaiって、The University of Tokyoの
ことか・・・

ま、そのTodaiは、世界ランキングでも
まあまあ良いんだが、もっと上には上がたくさんいる・・・

その”Todai Ranking “は全く興味がないから、
何か面白い、特殊な教育はないのか・・・

海外から見れば「東大合格者ランキングは意味がない」指標に過ぎないでしょう。

記述問題に対して準備する姿勢

新教育紀行
武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

この世界的流れが強くなっている中、特に名門校・難関校・最難関校は、

「考える力・発想力のある力」のある
子どもが欲しい・・・

ことになります。

あるいは、現時点で必ずしも「名門校」でなくても、名門校を目指している学校は、

我が校が日本を革新する
礎となりたい・・・

そして、名門校と呼ばれる学校となり、
日本のために若い子弟を育てたい・・・

と考えるでしょう。

さらに「考える記述式が世界の流れ」である以上、その流れに合わせる方が学校としてもメリットがあるからです。

世界の流れには
合わせることが良い・・・

これまで「◯xや答えのみ」の問題ばかりの学校を志望校とする方の場合も、記述の出題可能性があります。

「合否発表が翌日以降」の学校を志望校とされる場合は、記述対策もやっておくと良いでしょう。

でも、急に「記述」と言われても、
何を書けば良いのか・・・

困って
しまうけど・・・

「対策」と言っても、「勉強する」よりも「考えて書いてみる」ことをしてみれば良いでしょう。

それまで「記述式が少なかった。ほとんど出題されなかった」学校で、突然多くなる可能性もあります。

前もって「書く練習をしているかどうか」は大きな影響が出ます。

理解したり考えたりすると、「ただ丸暗記」よりも暗記も確実になります。

「記述か選択肢・答えのみか」という二つに分ける勉強法は、あまり意味がなさそうです。

あまり肩肘張らずに、記述対策は「暗記問題対策にも役立つ」というスタンスが良いでしょう。

新教育紀行

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