重心・太さが一様でない棒:モーメント 3〜「重ね合わせる」と「ゆっくり引き上げる」と重心・異なる視点で考える姿勢・理解を深める〜|中学受験・高校受験・大学受験・理科

前回は「重心・太さが一様でない棒:モーメント 2〜重心とつり合い・日常生活と重心・重心と回転する力・モーメント・太さが一様ではない棒の重心・分からない長さ・量は未知数を設置・分からない対象・未知数への姿勢〜」の話でした。

目次

「重ね合わせる」と「ゆっくり引き上げる」と重心

太さが一様ではない棒・重さがある棒:つり合い(新教育紀行)

太さが一様ではない棒の左端・右端をそれぞれ引き上げている状況で、棒の重さを求める問題。

太さが一様ではない棒・重さがある棒:つり合い(新教育紀行)

状況を足し合わせると、

太さが一様ではない棒・重さがある棒:つり合い(新教育紀行)

太さが一様ではない棒を「左右で引き上げ、つり合った状況」になりました。

太さが一様ではない棒:ゆっくり引き上げた二つの状況(新教育紀行)

あるいは、「引き上げている反対側をゆっくりと、つり合いを保ちながら、引き上げる」考え方。

太さが一様ではない棒:ゆっくり引き上げた二つの状況(新教育紀行)

その結果、「同じつり合った状況」となり、棒の重さが分かりました。

太さが一様ではない棒:重心とモーメント(新教育紀行)

そして、今回は三つ目の考え方である「重心とモーメント」を考えて、棒の重さを考えます。

太さが一様ではない棒の考え方

・複数の(二つの)状況を「重ね合わせる」「足し合わせる」

・ゆっくり、つり合いを保ちながら、反対側などを動かす・引き上げる

・重心と回転する力(モーメント)

異なる視点で考える姿勢:理解を深める

「重ね合わせる」か
「ゆっくり引き上げる」が分かったなら・・・

もう、これ以上
同じ問題を考えなくてもいいよね。

私は「重ね合わせる」は、
ピンとこなかったけど・・・

「ゆっくり引き上げる」は、
よくイメージ出来たから、これでいいかな・・・

僕は「重ね合わせる」でいいから、
次の問題に行った方がいいのではないかな?

「問題を沢山解く」と「様々な考え方」が学べるので、学力が上がる傾向があります。

一方で、「同じ問題を異なる視点から考える・別解を考える」姿勢は非常に大事です。

特に、理科・算数では、「同じ問題を異なる視点・別解で考える」をやってみましょう。

理科・算数の学び方

・「たくさんの問題を解く」より、一つの問題(特に良問)をじっくり

・「同じ問題を異なる視点から考える・別解を考える」姿勢

算数の図形などの別解を考えることも、「異なる視点で考える」ことになり、理解が深まります。

例えば、図形問題で「面積比、辺の比のどちらに着目するか」は、全く異なる視点です。

図形問題:辺の比に注目・図形の外に出る(新教育紀行)

算数の「面積か辺か」は大きな違いであり、理科の上記の三つの考え方も大きな違いがあります。

それらの全く異なる(一部は共通点があります)考え方を、しっかり学ぶこと。

すると、問題・状況に対する視点が複眼的になり、見通しがスッと良くなるでしょう。

基本的考えを大事に:複数の未知数

太さが一様ではない棒:重心とモーメント(新教育紀行)

二つの条件のうち、左端の条件から「重心の位置」が分かりました。

「重心の位置」が分かったけど、
未知数が三つもあって、ちょっと・・・

未知数二つなら分かるけど、
三つになると難しい・・・

ここから先は、中学生〜高校生向けの話も含みます。

中学生〜高校生にはしっかり理解して頂き、中学受験生は「まあまあ分かる」くらいで良いでしょう。

太さが一様ではない棒:重心とモーメント(新教育紀行)

算数・理科は、「わかったこと」をどんどん描くようにしましょう。

確かに、
全体の長さは大事ね。

右の状況は「状況は異なる」のですが、「棒の重心の位置は同じ」はずです。

重心の「左の端、右の端からの比」が分かりました。

重心の位置が、棒の左から「①-300 : 300 」の比の位置です。

このように、部分的な長さの比がわかった時は、「全体の長さ」も考えましょう。

そこで、この「①-300 : 300 」の比で重心の位置を考えると、全体の棒の長さは、

(①-300) + 300 =① になります。

そこで、比を足すと「ちょうど①」になります。

そう言われたら、そうだけど・・・
なんか不思議だね。

でも、
確かにそうだね。

これは、実は「棒の重さを①」とおいたので、全体の長さを比で表すと①となります。

これで、「□と△の未知数」がなくなりました。

①だけになったから、
だいぶ簡単になったね!

これなら
できそう!

未知数同士の掛け算:式をじっくり観察

太さが一様ではない棒:重心とモーメント(新教育紀行)

右端を引き上げている時は、左側と同様な状況になります。

棒は「はかりからの力」「重心の重さ」「机からの力」の3つの力を受けます。

太さが一様ではない棒:重心とモーメント(新教育紀行)

今回は、「棒と机のつながる点(接点)」の周りの「回転する力」を考えましょう。

反時計回り・時計回りの「回転する力」を描いてみます。

描いた上で、「長さx力(重さ)」を考えてみましょう。

でも、長さは
分からないよ。

そうだわ。
「長さの比」しか分かってないわ。

棒の長さは80cmなので、「比から長さを計算する」のも良いでしょう。

もし全体の長さが分からない(不明)でも、「全体の長さに対する比」を考えてみましょう。

すると「比を、長さの代わりに計算してもOK」と分かります。

太さが一様ではない棒:重心とモーメント(新教育紀行)

「回転する力」が等しいので、式が出来ます。

これは、①を二回かける式で、
分からないよ・・・

そう・・・
これは、習ってないわ。

この式は、「2次式」と言って、中学の数学で最初の方で習います。

この方程式を、解ける方もいるかもしれませんが、「算数的に考える」をやりましょう。

でも、
難しそうだよ。

何か、「式が簡単になる」方法はないでしょうか。

あっ!
右と左で、同じ①をかけてる!

「同じ数字をかけて、同じ」だから、
「同じ数字」はなくてもいいのね。

共通する数字は、「割る」などして消しましょう。

太さが一様ではない棒:重心とモーメント(新教育紀行)

難しそうに見える式も、「式をじっくり観察」すると簡単になることがあります。

これで、簡単な等式になりました。

太さが一様ではない棒:重心とモーメント(新教育紀行)

棒の重さが、求まりましたね。

なんか、難しそうだけど、
いろいろな考え方は、楽しいね。

違う考え方で、同じ結果になるのは
不思議な感じね。

最後の「重心とモーメント」は、少し難しい考え方かもしれません。

太さが一様ではない棒の考え方

A.複数の(二つの)状況を「重ね合わせる」「足し合わせる」

B.ゆっくり、つり合いを保ちながら、反対側などを動かす・引き上げる

C.重心と回転する力(モーメント)

A,Bは、イメージするのが少し難しいですが、計算は楽でした。

対して、今回考えたCは「未知数が多く、計算が少し大変」でした。

Cは、ちょっと難しいけど、
回転する力=モーメントの基本だね。

未知数が三つも出てきたり、①x①が登場したり、
ちょっと難しい雰囲気だけど・・・

一番考え方が簡単なのは、
Cかも。

今回考えた「A,B,Cの考え方」に対して、それぞれ好みもあると思います。

僕はAの考え方が
好きかな・・・

私はCが
良いかも・・・

それぞれの子どもの個性によって、「考え方の好み」は必ずあります。

まずは「好きな考え方」をしっかり理解しましょう。

その上で、「他の考え方」も理解するようにするといいでしょう。

理科・算数は、「色々な考え方ができる」のを楽しむ姿勢も大事です。

受験生は、試験の成績などで頭が一杯になりがちですが、様々な考え方をしっかり学びましょう。

その姿勢が、応用力を上げて、「難しい問題も解ける」力と姿勢を養うでしょう。

新教育紀行

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