てこ・太さが一様でない棒:動いてつり合う状況のイメージ 1〜足し合わせる・重ね合わせる・静的イメージ・バネ・てこが動いてつり合うイメージ・動的イメージ・棒をゆっくり引き上げるイメージ・頭の中は自由にイメージ〜|中学受験・高校受験・大学受験・理科

前回は「机・地面から受ける力〜太さが一様でない棒・つり合いのイメージ・「自分に合う」考え方・少し曖昧にイメージ〜」の話でした。

目次

足し合わせる・重ね合わせる:静的イメージ

太さが一様ではない棒・重さがある棒:つり合い(新教育紀行)

太さが一様ではない棒の左端・右端を、それぞれ引き上げてます。

その状況を、「足し合わせる」「重ね合わせる」イメージの話をご紹介しました。

太さが一様ではない棒・重さがある棒:つり合い(新教育紀行)

この「足し合わせる」「重ね合わせる」イメージは、物理的発想です。

そこで、中学受験の小学生は、「なんとなく分かる」くらいで良いでしょう。

中学生〜高校生の理科系志望の方は、ぜひ「しっかり分かる」ようになりましょう。

このように「足し合わせる」「重ね合わせる」イメージは、力学に限りません。

物理現象(一部化学現象)を対象とする場合、同様に考えることができます。

「足し合わせる」「重ね合わせる」イメージ

・物理現象に限らず、様々な現象にも応用がきく考え方

・人や物の影が足し合わされるイメージ

この「足し合わせる」「重ね合わせる」イメージは、少し静的かもしれません。

上の状況をパパッと「足し合わせる」「重ね合わせる」のは、二つの写真を合成する感じでもあります。

確かに、左端を持ち上げている
写真と、右端を持ち上げている写真を合成すると・・・

なんか、合成写真みたいな
感じで、分かるような気がする。

バネ・てこが動いてつり合うイメージ:動的イメージ

てこのつり合い(新教育紀行)

上のようなてこの場合は、モーメント(回転する力)がつり合います。

てこのつり合い(新教育紀行)

つり合って、てこは水平のままです。

水平のままですが、実際には両側にモーメント(回転する力)がかかり、少し揺れることが多いです。

上皿てんびん(有限会社 八幡計器)

理科実験で、上皿てんびんを使った時を思い出してみましょう。

上皿てんびんは、「少しずつおもりを追加」することが多いので、「揺れてつり合う」状況です。

仮に「一気にピッタリ同じ重さの分銅を置いた」場合、やはり「揺れてつり合う」状況に至ります。

確かに、
そうだね。

てこのつり合い(新教育紀行)

上のようなてこの場合、支点に対して「左まわりのモーメント」の方が大きいので、つり合いません。

てこのつり合い(新教育紀行)

この場合、てこは「やや左側に傾いて」揺れながら、つり合い=静止する状態に至ります。

実際、バネ・てこや「モノが動く場合」は、このように「動いている」のです。

ばね:力のつり合い(新教育紀行)

バネも「伸びてつり合う」ため、動きがあります。

問題集・試験などでは、印刷なので、これらの「動き」は表現されないことが多いです。

印刷された「一つの状況」に対して、考えると「全て止まっている=静止している」ように見えます。

それは、実際には違っていて、「動いている」ことを改めて考えてみましょう。

言われてみれば、
確かにそうだよね・・・

てこ・バネは、
動いたり、伸びたりしているんだね。

こういう風に「動いて・伸びてつり合いが取れる」ことをイメージすると、理解が進むでしょう。

つり合いのイメージ:動的イメージ

・てこやモノは、つり合いが取れるまで動いて、つり合う・静止する

・バネは伸びて、かかる重さを引っ張り上げて、つり合う・静止する

棒をゆっくり引き上げるイメージ:動的イメージ

太さが一様ではない棒:棒の重さ(新教育紀行)

棒全体の「つり合い」をイメージして、かかっている重さ(力)を描きました。

この時、棒は「はかりに引っ張られて、机から力を受けて」止まって(静止して)います。

はかりは、内部のバネが少し伸びてつり合いが取れている状況です。

太さが一様ではない棒:棒をゆっくり引き上げる(新教育紀行)

今、この状況で、棒の反対側に「はかり」をつけます。

そして「重ね合わせる」ではなく、「ゆっくり持ち上げる」ことを想像してみましょう。

えっ?
「持ち上げる」の?

問題では、
「持ち上げる」話はないよ。

問題文にはありませんが、実験みたいに考えてみましょう。

ここで、大事なことは「一気にグイッと引き上げる」ではなく、「ゆっくり引き上げる」です。

棒をゆっくり、ゆっくり引き上げるイメージを描いてみましょう。

太さが一様ではない棒:棒をゆっくり引き上げる(新教育紀行)

「引き上げた直後」を考えましょう。

「直後」というのは、「どのくらい後」
なのかしら。

引き上げ始めて、「一瞬後」を考えましょう。

「一瞬後」って、
一秒後くらい?

ほんの「一瞬後」をイメージしてみてください。

「一瞬後」って、
難しいよ。

難しいかもしれませんが、大体のイメージでも良いでしょう。

実際に「持ち上げて一瞬後」をするのは非常に困難ですが、イメージしてみましょう。

「引き上げた直後」は、棒の端にかかっていた重さが「はかり」の重さに出ます。

そうだね。

机から、受けていた力で
釣り合っていたんだね。

太さが一様ではない棒:棒をゆっくり引き上げる(新教育紀行)

続けて、もう少し「ゆっくり引き上げて」みましょう。

どのような状況になりますか?

つり合う状況をイメージしてみましょう。

ゆっくり引き上げている途中:頭の中は自由にイメージ

太さが一様ではない棒:棒をゆっくり引き上げる(新教育紀行)

ゆっくり引き上げている途中は、「ずっとつり合っている」のです。

太さが一様ではない棒:棒をゆっくり引き上げる(新教育紀行)

ここで「ゆっくり引き上げる」のが大事です。

「ゆっくり、非常にゆっくり引き上げる」ので、「つり合っている」状況が変わらないのです。

棒の左の端をA、右の端をBとします。

Aは全く動かさずに、Bを少しずつ、ゆっくり引き上げてみましょう。

太さが一様ではない棒:棒をゆっくり引き上げる(新教育紀行)

Aを動かさないで、Bを引き上げるのって、
難しそう。

実際に実験でやるのは、難しいですが、イメージとして「Aは止めておく」と考えてみましょう。

イメージの世界は、
自分の思い通りになるからいいね。

「実際には難しいこと」でも、頭の中では自由です。

理科・算数のイメージ

・実際には、難しいこと(〜の重さがない、など)はイメージして、描く

・最初は、状況・問題の設定に応じて、描いて、しっかりイメージ

・頭の中でイメージを思い描けるようになり、頭の中では自由にイメージ可能

太さが一様ではない棒:棒をゆっくり引き上げる(新教育紀行)

そして、Bを持ち上げて、ABが水平になりました。

太さが一様ではない棒:棒をゆっくり引き上げる(新教育紀行)

この「Bを引き上げている間は、ずっとつり合っている」ことを考えてみましょう。

この「状況をしっかりイメージして」みましょう。

最後の状況も「つり合っている」状況です。

A、Bの「はかり」の重さはどうなっているでしょうか?

ずっと、
最初から、つり合っているんだよね。

ということは、
つり合い続けているから・・・

あっ、ひょっとして
「つり合っている」状況が続くのがポイントかな?

今回は、左端=Aを引き上げてみましたが、同様に右端=Bを引き上げることも考えてみましょう。

続きの話は、次回行うので、考えてみましょう。

新教育紀行

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