前回は「西郷隆盛 13〜開く扉・島津斉彬・庭方役〜」の話でした。

斉彬の構想

西郷に目をつけ、親しく話をするようになった島津斉彬。
普通は、藩主に近づいて話すことなどできない中、西郷は積極的に斉彬と接します。
優れた人物であった島津斉彬だからこそ、優れた西郷を見出したのでした。

西郷は
優れている・・・



さらに西郷は
信頼できる・・・



なんでも、おいどん(私)に
お任せを!



こういう人物は
稀有なのだ!
幕末、諸外国から様々な使節団が来ました。
日本の兄貴分的存在だった清国(中国)は、英国と戦争して、大敗北しました。



なんとか
しなければ!



まずは、薩摩単独で、
富国強兵!



そして、気の合う
諸侯と連携だ!
島津斉彬は、老中・阿部正弘、越前・松平慶永(春嶽)らに使者を出します。



西郷よ。
使者に向かえ!



ははっ!
薩摩の外へ
藩主・斉彬の側にいて、薩摩藩の将来を考えるようになった西郷。
斉彬の使者として、様々なところへ出かけることで、西郷の世界が非常に広がります。
それまで、薩摩から出たことがなかった西郷。



江戸に行って、
老中・阿部正弘殿に、この手紙を届けよ!



ははっ!



次は、
水戸の徳川家だ。



ははっ!
電子メールもなければ、電話もない当時。
手紙が、意思疎通の手段でした。
当時「飛脚」の方々によって、手紙が運ばれており、郵便事業は、ある程度確立していました。
広がる世界
手紙は人が運ぶか、精々馬に乗って運ぶので、時間がかかります。
さらに、「大事な手紙」は「大事な人物に任せる」必要があります。



斉彬様の使いの
西郷でごわす!





おお。
よく来たな。
本来、薩摩藩の下級武士である西郷は、阿部正弘と会うことなど出来ません。



この方が、
阿部様か・・・
いくら大大名の島津家当主・斉彬と言っても、身分上は旗本と同列です。
つまり、島津藩主・斉彬は、立場上は老中・阿部正弘の部下なのです。
薩摩藩士の西郷は、老中の部下(藩主・旗本)の部下なので、「陪臣(ばいしん)」という低い身分です。
西郷を信頼する斉彬は、次々と西郷に指令を下します。



次は、
越前・松平殿だ。





薩摩の
西郷でごわす!



おお。
その方が西郷か。



斉彬殿から
聞いておるぞ。
越前・松平藩は、会津・松平藩と同様、徳川家の親藩大名です。
こうして、様々な大名と接するうちに、各家の重要な人物たちと知り合います。
水戸藩に出かけた時は、藤田東湖に会って、非常に大きな影響を受けます。



世界は
広い!
薩摩以外の様々な国(藩)、そして人々を知り、西郷の世界は急速に広がります。