前回は「文章題を得意になる学び方〜大まかな数を押さえる・倍数と素数・対象を絞る・奇数か偶数か全体を見て和を考える・意識して「全体を見る」こと・問題 7(1)解法〜」の話でした。
今回は(2)の解法です。
問題 7(再掲載)
りんご、みかん、かきが何個かずつあり、個数の比は8 : 9 : 12です。
これらの果物をまとめて、1箱60個入りの箱に入れます。
最後の箱には、全て詰めるとは限りません。
下記問題に答えてください。(1)、(2)は別々です。
(1) 箱は6箱必要で、みかんの個数は奇数でした。
それぞれの個数を求めてください。
(2) それぞれの果物に同じ個数ずつ足したら、
みかんの個数と全ての個数の比は6 : 19になりました。
この時、全ての果物を入れる箱は9箱必要で、足した後の個数は全て偶数でした。
足した後の、それぞれの個数を求めてください。(オリジナル問題)
比が出てきたら未知数設定

まずは整数問題では、全体を見て対象を絞ることが大事です。
9箱必要ですから、9箱目は1〜60個です。
そこで、総数の範囲が分かります。
前回「未知数を置かずに」と書きましたが、「個数を足して・・・」と比が出てきました。
今回は、未知数を設定しましょう。
この時、元の個数・追加する個数それぞれ設定して、比を取ります。

ここで、「足した数」として、それぞれの3つ分になるのはポイントです。
慌てて3つ分を1つにせず、こういう時は
りんご、みかん、
かきがあって・・
と、明確にイメージしましょう。
急いでいると、
うっかり3種類分ではなく1種類分と勘違いしそう・・・
簡単な絵やメモを書く:「分かっていること」を表現
簡単な絵をメモ書きして、「それぞれに足す」イメージをきちんと持つとミスがなくなります。
特に、記述式の場合、そういう絵や「思考の過程」は書いておく方が良いでしょう。
ちょっとした勘違いをしてしまっても、
ここまでは、
わかっているよ!
と、表現することは大事です。
それぞれに足した数が、比の計算から求まり、足した後のりんご、みかん、かきの個数が求まります。
ここからは、「全体を見る」です。
11,12,15という数字が出てきて「それぞれが11,12,15の倍数」です。
「それぞれ」だけではなく、全体を見てみましょう。
「和をとって考える」話
と同じ!
「総数は11+12+15=38の倍数」です。
38も比較的特殊な数で、38=2×19ですが、19は約数のない数(素数)です。

2パターンに絞り込めました。
ここからは(1)と同様に「奇数か偶数か」が大事です。
足した後のりんご、みかん、かきが「全て偶数」ですから、下記のようになります。

整数と比の複合問題攻略法:木を見て森も見る
問題6と同様に、整数問題は約数や倍数は大事なポイントですが、「全体を見る」ことが大事なポイントです。
「木を見て、森も見る」考え方が良いでしょう。
これで多くの整数問題に対応でき、きちんと解くことができるでしょう。