前回は「算数実践 18 〜問題 7(整数)〜」の話でした。
今回は(1)の解法です。
問題 7(再掲載)
りんご、みかん、かきが何個かずつあり、個数の比は8 : 9 : 12です。
これらの果物をまとめて、1箱60個入りの箱に入れます。
最後の箱には、全て詰めるとは限りません。
下記問題に答えてください。(1)、(2)は別々です。
(1) 箱は6箱必要で、みかんの個数は奇数でした。
それぞれの個数を求めてください。
(2) それぞれの果物に同じ個数ずつ足したら、
みかんの個数と全ての個数の比は6 : 19になりました。
この時、全ての果物を入れる箱は9箱必要で、足した後の個数は全て偶数でした。
足した後の、それぞれの個数を求めてください。(オリジナル問題)
(1)解法〜全体をみよう〜
整数問題と比の問題の融合です。
まずは、大まかな数を抑えることが大事です。
6箱必要で、6箱目は1個〜60個の可能性があるので、全ての数の範囲が分かります。
また「個数の比は8 : 9 : 12」から、それぞれの個数を未知数にするのではなく、全体を考えましょう。
箱とりんご・みかん・かきの状況を描いてみましょう。
和の8+9+12=29がポイントになります。

8,9,12は2や3で割れる比較的「馴染み深い」数です。
合計した29という数字は約数がない(素数)ですので、特殊な数字です。
全体の数は「29の倍数」である必要があります。
ここまでできたら、大体見えてきます。
2つの候補をどう絞ってゆくか。
ここでポイントは「みかんの個数は奇数」です。
みかんは「9の倍数」ですから、奇数になるには「9x○」の○は奇数でなければなりません。

全体を見よう!
問題6と同様、整数問題では比が出てきても、すぐに①などの未知数を設定しないで「全体を見る」ことを心がけましょう。
「全体を見る」ことは算数のすべての問題に共通しますが、特に整数問題はその要素が強いです。
8,9,12は「分かりやすい」数字ですから、こういう数字が出てきたら「まずは和を取ってみる」のが良いでしょう。
整数問題は和をとってみたり、差をとってみることが「解く鍵」になることがあります。