前回は「歴史・地理の記述問題の考え方 6〜米国・ドイツ・日本の学校〜」の話でした。

単線型・複線型の学校制度に関して考えました。
問6に進み、日本国内、とりわけ関東地方一都六県の話です。

「都・県内の進学率」と「都・県外の進学率」の男女別の状況をまとめたグラフです。
社会のグラフにしては、かなり細かいグラフです。
こういう問題は、理科のように「じっくりグラフを読む」ようにしましょう。
一眼見て、左側の「東京以外」と右側の「東京」で大きく異なることが分かります。
この時、左右でグループ分けをして、「丸で囲む」などグラフに気づいたことを描くのも良いでしょう。
図と異なり、明確な数値のあるグラフは、「大きな傾向」を読み取りましょう。
単に「大きく違う」よりも「何が違うのか」を考えるのが良いでしょう。
何が違うのかな、
って考えるの?
あまり難しく考えずに、「グラフの大きな特徴」となる線を自分で引けると良いでしょう。
「グラフの問題」というと、理科の実験問題です。
理科の実験問題では、直線や曲線のグラフがあって、その線から「傾向」を読み取ります。
うん。
そうだよ。
グラフの線から、
傾向を読むのは出来るけど・・・
自分で「線を引く」のは、
難しそうだわ。
左右の大きく傾向が異なるグループの間には、明確な違いがあります。
そこに境界が見えてきませんか?
少し、考えてみて「線を引く」を考えてみましょう。

その線を描いてみましょう。

「都・県内の進学率=都・県外の進学率」となる直線を描いてみましょう。
この線は
分かりやすいね。
大きな傾向が、
よく分かるわ。
この線は、
どうやって引くの?
「縦軸と横軸が比例=同じ」となる直線ですから、同じとなる「20%同士」などの点と原点を結びましょう。
この直線が
二つのグループの大きな境界になるのね。
このように「大きな傾向を掴む」とグラフは良く分かります。
最近は、「情報」や「プログラミング」などの科目で「X軸とY軸」を勉強しているかもしれません。
すると、この直線は「X軸とY軸が同じ」あるいは「Y=X(X=Y)」ですね。
新たに引いた、この直線をもとに考えましょう。
直線の上はなんでしょうか。
「都・県外の進学率>都・県内の進学率」
だね。
直線の下側は、
「都・県外の進学率<都・県内の進学率」だわ。
そして、直線の下側は、
男女ともに東京だわ。
すると、一番大きな傾向は、
1.東京は男女ともに、都内の大学へ進学する割合が多い
2.他の6県は、県外への進学率が県内の進学率より高い
そして、「全国平均」のマークにも気をつけると、
3.他の6県は、全国平均よりも県外への進学率が県内の進学率より高い
です。
そして、この問題文のテーマになっている、「男女の違い」にも注目してみましょう。
全部、男子より女子の
進学率が低いわ。
そうですね。
4.関東全ての地域で、男子より女子の進学率が低い
これらを、自分なりにまとめてみましょう。