前回は「理科が得意になる勉強法〜基本的視点と知識を横断的に整理・性質はイメージして理解「同じ性質は友達」・化石は生き物の痕跡〜」の話でした。
理科を楽しんで成績アップする勉強法:磁石の現象をイメージ
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前回に続いて、(3)へ進みます。
前回同様「冒頭の内容を説明し、当てはまらない・間違っている選択肢を全て答える」です。
今回の「磁石」は、誰でも知っていることですが「説明する」となると、
磁石かぁ・・・
理科で最初の方で習ったね・・・
棒磁石で砂鉄が
引き寄せられる実験が楽しかった!
でも、そもそも
磁石って何だろう・・・
少し考えてしまう方もいるでしょう。
実験で使った棒磁石は
黒と赤の棒だったから・・・
「鉄などを引き寄せる
黒と赤の棒」でいいのかな?
「鉄などを引き寄せる黒と赤の棒」は✖️ではないとしても、△です。
なんで?
合ってるじゃん・・・
理科の問題では、何らかの現象の原因などを表現することが大事です。
また、棒磁石は「多くが赤と黒」ですが、「必ずしも赤と黒」でなくても良いです。
「現象の原因」というと、
鉄とかが引き寄せられる原因のこと?
磁石とは何か?を実験の経験などをもとに、考えてみましょう。
多くの方が経験した「棒磁石と砂鉄の実験」は、とても面白いです。
この時、ただ「砂鉄が引き寄せられる」ではなく、「引き寄せられた砂鉄が描く模様」が大事です。
そういえば、砂鉄が
曲線っぽくなっていたね。
ここで、そもそも「なぜ、砂鉄が引き寄せられるのか?」を考えてみましょう。
それは、磁石が砂鉄を
引き寄せる力を持っているからだね!
「磁石が砂鉄を引き寄せる力=磁力」を持っているのが磁石です。
もう一つ磁石には、大事なことがあります。
もう一つって・・・
あっ!NとSのことだ!
磁石は「ただ鉄などを引き寄せる」だけではなく、「N極とS曲の二つの磁極」を持つ性質があります。
磁石は「鉄などを引き寄せる磁力と二つの磁極を持つもの」が答えの一例です。
後で、「良い答え」と「良くない答え」をまとめます。
ア:「モーターに使われている」は○
イ:「地球は大きな棒磁石」は良いですが、北極はS極なので✖️です。
「北極」なので「北を示すN」と勘違いしがちですが、「Nを示すから反対の磁極のS」です。
ウ:「10円硬貨」は銅が多く、銅は磁石ではくっつかないので✖️です。
エ:「コイルに電流流して作れる」は○です。
この「コイルに電流流すと磁力が出来る」は小学生には難しいですが、知っておきましょう。
こういう時に、コイルの絵を描いて、
グルグル巻いたコイルに
電流流すと、磁力が出来るんだ!
と、磁力(磁場)が生まれるイメージを思い描きましょう。
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以上から、試験では別としても、学ぶ際は手元に上のように地球やコイルの絵を描くと良いでしょう。
鉄などを引き寄せる磁力と二つの磁極を持つもの(良い例)
鉄などを引き寄せる磁力と二つの磁極を持ち、同じ磁極は引き合い、異なる磁極は反発する(最も良い例)
鉄などを引き寄せる黒と赤の棒(良くない例:現象の説明がなく、黒と赤とは限らない)
NとSがある鉄の棒で、砂鉄を引き寄せる(良くない例:磁極の説明がない)
選択肢:イ、ウ
性質や現象を考える:身近なデンプンを理解
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次は、デンプンに関する問題です。
デンプンも、小学校などで実験した方もいらっしゃるでしょう。
デンプンは炭水化物の一種で、多数の食べ物に含まれる栄養です。
ジャガイモからデンプンを作ることが出来るので、作ったことがある方もいるでしょう。
「デンプンとは何か?」も「知っているようで、なかなか知らない」ことかも知れません。
デンプンは「炭水化物の一つで、じゃがいもやトウモロコシなどから作れるもの」が答えの一例です。
ア:「日光を当てた葉の中」は光合成のことで○
イ:「ヨウ素液で青紫」は○
ウ:「唾液で変化」は麦芽糖になるので○
エ:「植物の種子に蓄えられる」は、正しいので○です。
今回は全て○で、「ア、イ、ウ」は比較的優しいですが、エは少し難しいかも知れません。
ここで、「誤っている・間違っている」ものを選ぶことを考えましょう。
まず、「葉の中で光合成によって生成する」のがデンプンです。
すると、「植物の種子」に蓄えられるかどうかを知らなくても、
光合成によって
葉の中に出来るんだから・・・
「蓄えられる」かどうかは別としても、
種子の中にもあるはず!
こう考えると「エ:種子の中に蓄えられる」は○になることが分かります。
ss07Musashi22_s14mt炭水化物の一つで、じゃがいもやトウモロコシなどから作れるもの(良い例)
じゃがいもなどの食べ物に多く含まれる炭水化物で、ヨウ素液で青紫になる(良い例)
じゃがいもなどに含まれる栄養で、白い粉(良くない例:「栄養」では抽象的)
選択肢:なし(誤っているものはない)
「暗記科目」と考えられがちな社会において、「考えて解く」解き方を上記リンクでご紹介しました。
同様に、このデンプンや磁石のように「性質を問う」問題は、暗記だけではなく考えて解きましょう。
確かに「ただ暗記」だけだと、
出来ない問題があるね・・・
「知らないと解けない」だと
ちょっと困るけど・・・
少し考えて正しい答えに
到達出来るのはいいかも!
ある程度学んだ後でも、理科の基本的な事柄・事象は「意外と理解していない」ことがあります。
このように、理科の「基本的事柄・現象を説明しながら、問題を解く」と理科の本質が分かります。
そして、学力も上がるでしょう。
次回は下記リンクです。