歴史の事柄や出来事を考えるコツ〜年号ではなく前後の流れから推測・同時代の出来事を考えるポイント・時代の状況から推測〜|女子学院中2024年社会2・中学受験

前回は「社会選択問題の効果的勉強法〜出来ても出来なくても「しっかり復習」・問題文とキーワードを一つずつ理解して解く〜」の話でした。

目次

歴史の事柄や出来事を考えるコツ:年号ではなく前後の流れから推測

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女子学院中学 入試問題:2024年 社会(新教育紀行)

「井戸」をテーマにした女子学院中の問題の続きを考えてみます。

問2は「事柄を古い順に並べる」問題で、中学受験では頻出タイプの問題です。

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女子学院中学 2024年 社会:考え方(新教育紀行)

こういう問題は、まず「〜年」か「〜年ごろ」を
考えて、並べ替えれば、いいのかな・・・

歴史では「年号をある程度暗記する」必要がありますが、

西南戦争が
勃発したのは何年ですか?

など「年号を直接尋ねる」問題は、ほとんどなく「このように前後に並べ替える」問題が多いです。

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女子学院中学 2024年 社会:考え方(新教育紀行)

こういう問題で「〜年(頃)」と「数字に置き換えて、並び替える」考え方はやめた方が良いでしょう。

「年号が分かれば、解きやすい」くらいな発想で、基本は「前後関係を整理」することが大事です。

このような「事柄・出来事の前後関係」には、何らかのテーマがあることが多いです。

共通するテーマがなく、「ただ並び替えるだけ」の問題もありますが、共通項を探る姿勢が大事です。

今回は、冒頭に「に関する問題」と書いてあり、

水に関する
問題を答えてください!

と「出題者の意図」が明確に表現されています。

試験が始まると、「一分一秒が惜しい」気持ちで、

早く問題文を読んで、
早く解かなきゃ!

と気持ちが焦りますが、こういう「ハッキリしたキーワード」をしっかり頭に入れましょう。

「〜年(頃)」と分かれば良いのですが、冒頭「宋の影響」とあり「宋の頃」であることが分かります。

中国の様々な王朝は知っている方が多いですが、清・明の前は「ちょっとあやふや」な方が多いでしょう。

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宋のエリア(Wikipedia)

宋は960年から1279年に存在した王朝・国家ですが、概ね「1000~1300年頃」と覚えておくと良いです。

今回は「宋の時代が分からない」前提で、上手く並び替える考え方でゆきます。

パッとみて水・井戸がテーマなので、まずは「最も新しいこと」と「最も古いこと」を探しましょう。

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女子学院中学 2024年 社会:考え方(新教育紀行)

ア:「底部に結桶」とあり、どうやら技術力が進んできた感じで、中頃の時代です。

イ:「茶の湯」でパッと「戦国時代」と分かるようにしましょう。

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女子学院中学 2024年 社会:考え方(新教育紀行)

ウ:「側溝」「武家屋敷」が登場するので、これはかなり近代的な街の時代です。

エ:環濠集落は文字通り「(堀)を状に回した」村・集落で、初期の村なので「最も古い」です。

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女子学院中学 2024年 社会:考え方(新教育紀行)

ここで、

エが最も古くて、
ウが最も新しいな・・・

と、考えられるので、「エ:1、ウ:4」とメモして、

次はエの次と、ウの前を
関係づけよう・・・

と考えて、改めて、アとイを見てみます。

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女子学院中学 2024年 社会:考え方(新教育紀行)

ここで、「ア:底部に結桶」は高い技術ですが、「イ:茶人、名水」は歴史が流れた感じがします。

そこで、「エ→ア」と「イ→ウ」の流れが分かり、「エが最古、ウが最新」と組み合わせます。

答えは「エ→ア→イ→ウ」となります。

歴史の事柄や出来事を考えるコツ

・「年号が分かれば良い」と言う姿勢で、キーワード・テーマに沿って前後関係を考える

・まず、最新と最古を固めて、前後の流れで関係づける

この問題は、「集落・村・街」の成り立ちを「水・井戸の側面」からまとめています。

このような視点で歴史を学ぶことは、ほとんどないです。

そこで、こういう問題を解いたら、ただ「出来た」か「出来なかった」ではなく、

水・井戸から人が集まる
集落・村・街を考えると、こうなるんだ・・・

と、出題者の方の切り口による「歴史の流れ」を学ぶと理解が深まるでしょう。

同時代の出来事を考えるポイント:時代の状況から推測

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女子学院中学 入試問題:2024年 社会(新教育紀行)

問3は「斉明天皇や天智天皇の頃」とありますが、

えっ、斉明天皇って
知らない・・・

という方が多いはずで、斉明天皇(天智天皇の母)と記載されています。

おそらく、出題者の方は、かなりこの時代にも造詣が深い方ですが、

流石に小学生は
斉明天皇は知らないだろうから、注釈を・・・

と考えて「注釈を記載」したと思われますが、テーマは天智天皇です。

「知らない人」が登場しても慌てず、テーマとなる人物を押さえるようにしましょう。

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女子学院中学 2024年 社会:考え方(新教育紀行)

天智天皇と言ったら、

中大兄皇子、大化の改新、
645年!

と、多くの方が覚えているでしょう。

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天智天皇(Wikipedia)

天智天皇〜斉明天皇の在位期間を知らなくても、

中大兄皇子のお母さんと
中大兄皇子が大人になった頃だから、640〜680年頃・・・

と「大体の時期」を押さえましょう。

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女子学院中学 2024年 社会:考え方(新教育紀行)

ア:「金貨発行」は流石にこの時期は難しいので、Xです。

イ:中臣(藤原)鎌足は「中大兄皇子のお友達」なので、◯です。

これで一つわかりましたが、「答えは二つ」なので「あと一つ」です。

ウ、エ、オは大体の年号を知っていれば良いですが、

日本書紀っていつだっけ・・・
あと、東北の蝦夷と律令か・・・

と迷うことがあると思います。

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日本書紀(Wikipedia)

日本書紀は古事記と並ぶ最も古い史書で、720年完成の編年体の記述です。

史書の記述方法

・編年体:出来事・事柄を年代順に並べて記述

・紀伝体:人・国家に関する情報をまとめて記述

ここでは「720年は知らない」として、次の「東北の蝦夷に兵を派遣」です。

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征夷大将軍 坂上田村麻呂(Wikipedia)

「東北の蝦夷との戦い」と言ったら、坂上田村麻呂です。

797年に桓武天皇から「征夷大将軍に任命」され、蝦夷討伐(朝廷から見て)に向かいました。

この「797年頃」を知らなくても、

そういえば、800年〜900年頃に
坂上田村麻呂が東北に攻め込んだから・・・

いきなり「征夷大将軍」ではなく、
その前から戦っていたはず・・・

と考え、次の「律令」は「大宝律令」が頭に浮かびます。

701年成立の大宝律令ですが、年号を知らなくても、ここで共通点を探してみましょう。

どうも「日本書紀と律令は同時期」のように感じれます。

いずれも何らかの書物や律令・法律・条例が関わるので、文化の成熟の流れから「同時期」です。

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女子学院中学 2024年 社会:考え方(新教育紀行)

日本書紀と律令は同時期だから、
両方◯なら、「◯が3つ」で変・・・

ってことは、これらは
ちょっと違う時期で、蝦夷かな・・・

こんな風に考えてみて、答えは「イとエ」です。

これらは一つの考え方で、「年号を知っていれば良い」ですが「知らなくても解ける」考え方です。

同時代の出来事を考えるポイント

・書物や律令など文化の流れから「同時期の出来事」を推測

・知らない人物が登場しても「中心人物」から考える

「全て暗記」ではなく、歴史は流れが大事という思考で問題から学ぶと良いでしょう。

次回は下記リンクです。

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