前回は「地球の自転と公転の仕組み分かりやすく理解するコツ・ポイント〜3DCGで太陽の光をイメージ・昼と夜の長さ・異なる角度から地球と太陽を見るイメージ・地軸の向きと太陽光〜」の話でした。
理科が得意になる勉強法:基本的視点と知識を横断的に整理
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今回は、武蔵中学2022年理科の問題を考えてみます。
記述が抜きん出て多い武蔵中学の理科や社会の問題は、昔から良い問題が多いです。
一方で「記述がほとんど出ない」学校が志望校の方は、取り組むのは効果的でないかもしれません。
今回は「記号のみ」の問題ですが、筆者が「簡単な説明」という記述を追加して改題しました。
この問題は、理科のほぼ全ての分野を横断しており、非常に基本的な内容を問うています。
「基本的」ですが、「しっかり答える」には相応の学力が必要です。
問題には様々な難易度がありますが、「基本的で、しっかりした学力が必要」である問題は良いです。
この問題は、「当てはまらないものや間違いを含んでいるもの」を選びます。
理科や社会では、「正しいもの」か「誤っているもの」のどちらを選ぶのかは、非常に大事です。
そのため、
この問題は、
「当てはまらないもの」を選ぶんだ!
「間違っているもの」を
選ぶんだね!
問題文にマークするなどして、「何を答えるか」をしっかり理解しましょう。
このような問題を解いて、基本的視点と知識を横断的に整理する学びは非常に大事です。
考え方によっては、この問題は「知識を問う」問題で暗記問題かもしれません。
「知識が大事」ですが「ただ覚える」ではなく、「あるテーマに関して考える」姿勢は大事です。
「志望校の試験に記述がある・ない」に関わらず、「簡単な説明」を試みることは理解を深めます。
こういう「簡単な説明」は問題の解答欄によりますが、基本的には「一行程度の簡単な説明」で良いです。
「説明」って、
どうすればいいの?
意外と「自分で説明する」って
難しいかも・・・
「説明する」のは、意外と難しい面があります。
「説明できる」ならば、「分かっている・理解している」ことになります。
ここで「説明できない」ならば、「どこかが分かっていない」ことになります。
知識や暗記に関しては、参考書などを「ひたすら暗記」する傾向があります。
今回のような、「理科の性質」に関する学びは「時々説明することを考える」と良いでしょう。
そして「簡単な説明+横断的整理」をすると理解が深まるでしょう。
性質はイメージして理解「同じ性質は友達」
上の写真は、筆者が小学校六年生の時の理科のノートです。
当時から理科が好きだったことと、担当のN先生がとても良い先生だったのが印象的です。
「ノートにリトマス紙を貼っている」のは、N先生が、
みんな、今日の実験のリトマス紙を
ノートに貼ってみよう!
と指導したように記憶します。
月日が経って液体は蒸発し、すでに「元の赤いリトマス紙」ですが、これをみると、
この赤いリトマス紙が
青くなったりしたな・・・
と、「リトマス紙が青くなる」様子が脳裏に思い起こされます。
性質の問題は「丸暗記」や「語呂合わせ」も良いかもしれませんが、イメージして理解すると良いです。
早速、(1)に取り組んでみましょう。
この性質は「水溶液がアルカリ性である」が答えです。
ここで、単に「アルカリ性である」と答えても✖️ではないかもしれませんが、「水溶液」も大事です。
試験する対象が固体や気体では、リトマス紙が使えないからです。
ア:水道水は中性、炭酸水は名称通り酸性
イ:水酸化ナトリウムはアルカリ性、食塩水は中性
ウ:砂糖水は中性、塩酸は名称通り酸性
エ:石灰水とアンモニア水は、アルカリ性の代表格
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以上から、上記のようにメモ書きしてみましょう。
メモの仕方は、自分が好きなようにするのが良いでしょう。
上の例では、シンプルに「中性:中」「アルカリ:ア」「酸性:サ」と書いています。
「中」が簡単な漢字なので「中性:中」と書きました。
中性は頭文字のカタカナ「チ」、あるいは「中」なので「|」等の記号でも良いでしょう。
水溶液がアルカリ性である(一例)
選択肢:ア、イ、ウ
アルカリ性・酸性・中性という性質は、それぞれ「水溶液同士がお友達」のイメージが良いでしょう。
アルカリ性・酸性・中性などの説明は、上記リンクでご紹介しています。
固体の水酸化ナトリウムは、白い塊で飴みたいにも見えます。
「水溶液」として登場することが多い水酸化ナトリウムですが、固体のイメージも理解しておきましょう。
「食塩水・砂糖水は中性」は、しっかり理解しておくことが大事です。
アルカリ性または酸性は、「何らかの影響をもたらす」水溶液です。
対して、中性は「何も影響をもたらさない」水溶液です。
詳しくは中学の化学で学びますが、「食塩水と砂糖水は味がするだけ」というイメージが良いでしょう。
化石は生き物の痕跡
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次は「化石とは何か」を考える問題です。
博物館で、恐竜やアンモナイトなどの化石を見たことがある方が多いでしょう。
化石はたくさん見たことあるけど、
化石って何だっけ・・・
「化石とは何か」とは
考えたことなかったけど・・・
化石は「昔の生物などの死骸や活動の痕跡が地層に残ったもの」です。
「活動の痕跡」は、少し専門的で地学のエリアかもしれません。
小学生ならば、「大昔の生き物の死骸が堆積して地中に埋まったもの」で良いでしょう。
ア:軽石は、穴がたくさん空いている「軽い石」なので、化石とは無関係なので✖️
イ:「動物の死骸」は◯
ウ:「足跡」は少し専門的ですが、「活動の痕跡」なので○
エ:「木の葉」も生き物の植物の化石なので○
昔の生物などの死骸や活動の痕跡が地層に残ったもの(一例)
大昔の生き物の死骸が堆積して地中に埋まったもの(一例)
選択肢:ア
「木の葉」の化石は、あまり馴染みがなく「化石というと動物」のイメージがあるかもしれません。
化石は「生き物全体の死骸・活動の痕跡」と理解しておきましょう。
このように「何かの説明」は、自分で少しアレンジしても良いでしょう。
また、「ただ読んで理解」ではなく、声に出したり書いてみると良いでしょう。
次回は下記リンクです。