動く図形の面積を簡単に考えるコツ〜比較する図形を簡単にする・台形と長方形・減る面積を簡単な図形と比較・問題 11(5)解法〜|中学受験・算数実践73

前回は「動く図形の面積のポイント〜二つの図形が動く時・相対的位置・重なる面積の形を追いかける・少し動かして考える・増える面積と減る面積・問題 11(5)解法〜」の話でした。

目次

問題11(5)(再掲載)

比較する図形を簡単にする:台形と長方形

動く図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

重なる面積が増え続けた後の状況を、「Aの図形を少し右に動かして」考えてみました。

動く図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

「減る面積 > 増える面積」になりそうです。

そこで、「減る面積 > 増える面積」を説明することを考えましょう。

両方とも形は台形です。

動く図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

ここで、具体的に「10秒後から1cmAが移動した状況」を考えましょう。

動く図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

分かる長さを書いてみましょう。

A、Bの図形は、直角二等辺三角形があるので、重なると直角二等辺三角形が次々に生まれます。

なんとなく、
イメージは湧くけど・・・

ちょっと
難しいかも・・・

前回は「少し後」を考えましたが、今回は具体的に「1秒後」を考えます。

前回描いた図とは、「増える面積」と「減る面積」は見るからに大きさが違います。

やっぱり、減る面積の
方が大きい気がする!

動く図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

そこで、「増える面積」を大きめに考えてみましょう。

動く図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

増える面積は、上の図の青色の長方形より、面積が小さいです。

増える面積を
勝手に増やしていいの?

台形よりも長方形の方が「考えやすい」ので、少し増やして考えてみましょう。

最終的に「増える面積 < 減る面積」が分かるようにしたいです。

そこで、「増える面積を少し大きくして」比較します。

動く図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

分かる長さを描いてゆくと、「(4)で考えた直角二等辺三角形」が出てきます。

ここで、「前の問題がヒント」という
考え方が役立ちそうだね!

小問の構成

1.最後の問題のみだと難しいため、ヒントを作って解きやすくする

2.問題を分け、出来る部分を明確にして、採点の際に点数の差が出やすくする

動く図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

これで、青色の長方形の「長い辺の長さ」が分かりました。

動く図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

次は、青色の長方形の「短い辺の長さ」を考えましょう。

青色の長方形の左上の部分を拡大してみましょう。

動く図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

すると、直角二等辺三角形が現れます。

この直角二等辺三角形は(3)と似ています。

ここでは、「斜辺の長さが1cm」で、(3)では「等しい辺の長さ1cmのとき、斜辺の長さ①cm」でした。

そこで、この緑色の直角二等辺三角形の「等しい辺の長さ=1/①cm」です。

これで、青色の長方形の辺の長さが分かりました。

動く図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

面積を計算すると、4cm2となります。

これで、「Aが1cm右に移動した時、増える面積は4cm2より小さい」と分かりました。

減る面積を簡単な図形と比較

「増える面積を大きく考えた」ので、今度は減る面積を小さく考えましょう。

増える面積を大きくした面積=S、減る面積を小さくした面積=Tとします。

「S < T」が言えれば、「増える面積 < S < T <減る面積」となります。

比較する対象を変えるって
ことだね!

勝手に自分で大きくしたり、小さくしても
比較する対象の大将が分かればいいんだね!

「増える面積 < 減る面積」から、10秒後が面積の最大となることが言えます。

減る面積は、簡単な面積と比較するように考えましょう。

続きは次回ご紹介します。

新教育紀行

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次