前回は「明治維新の本質を理解する学び〜薩長肥の中核グループ・「さつま」の独特の漢字と音・薩摩志士の「お兄さん」有馬と大山〜」の話でした。
日本経済の根幹作った渋沢栄一:超親日国・台湾と日本
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問13に進み、今回は渋沢栄一が登場します。

新一万円札の
肖像になった人だね!
令和6年(2024年)7月に、新札が発行されたことを意識した問題です。
そして、前問までは「明治維新の政治・軍事」の話でしたが、今回は経済の話です。
この点で、本問は「多角的視点から明治維新・明治新政府の状況を描いている」のが、大変良いです。
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キーワードをマークしながら、読み進めてゆきましょう。
渋沢栄一は「実業家」の枠に収まらない「超実業家」ともいえ、日本経済の根幹を作った人物です。





越後から米が、
台湾からは砂糖が取れる・・・



アメリカの小麦粉、
インドの綿花を買いましょう。
ここで、「越後(新潟)から米」は現在も同じですが、「台湾から砂糖」が国内のように語られています。



そういえば、
この頃は、台湾は日本領だったね!
日清戦争で勝利した日本(大日本帝国)は、台湾などを清国から割譲されました。
当時、「後進地域」であった台湾において、



台湾を発展させて、
砂糖などの生産量を上げるのだ!
日本政府は、植民地政策と同時に地域振興に力を入れました。
その日本の台湾に対する姿勢が、現在の日台関係に表れています。





日本大好きです!
日本に何かあれば、駆けつけます!
我が国・日本にとって、極めて強い「親日国」である台湾。
日本で大きな地震などが勃発すると、真っ先に大きな支援を申し出てくれるのが台湾です。



台湾の皆さんは、
日本人にとって、有難いね!
このように現代の時事問題は、ほとんどの場合、歴史と密接な関係があります。
時事問題を学ぶ際には、歴史と結びつけて学ぶと理解が深まります。
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「台湾割譲」は「日清戦争の下関条約」であり、「佐渡の金山」は知っておきましょう。





佐渡から取れる金が、
我が上杉軍の超重要軍資金だ!
他の戦国大名と比較して、かなり経済力が高く、現金を多く持っていた上杉家。



足利将軍家にも
献金します!
合戦に多額の費用がかかる中、当時、長尾景虎という名前だった謙信は足利将軍家に多額の献金をしました。
その「上杉家の経済力の強力な原動力」の一つが佐渡金山でした。



昔は、日本は
生糸を外国に売っていたんだね・・・
綿花から生糸を作るのは、工場なので工業製品とも言えます。
昭和中期から「自動車産業などの工業国」となった日本は、明治の頃は「工業が弱い国」でした。



今の日本とは
だいぶ違うんだね。
「今の日本と、ある時代の日本の違い」を考えると、歴史の学びが深まるでしょう。
戦争と条約を理解する学び:日清・日露の戦いと日本の飛躍
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今回は、日清戦争・日露戦争で勝利した日本(大日本帝国)と条約を復習しましょう。
まず、それぞれの条約を締結してのは「日清・下関」「日露・ポーツマス」は覚えましょう。
この二つの点で、大きな違いがありますが、考えてみましょう。



日清戦争は、日本の
下関で条約締結・・・



日本が勝ったから、
清国が、こちら(日本)に来たんだね・・・



それじゃ、ポーツマスは
なぜ、日本じゃないの?
ここで、ただ「日露・ポーツマス」と暗記しないようにしましょう。
ポーツマスは、どこの国にあるか、参考書や地図を開いてみてみましょう。



ポーツマスって、
アメリカだね・・・



そうだね・・・
日露戦争だから、日本かロシアと思ってた・・・
日清戦争と同様の考え方ならば、日露戦争の講和も「日本で行われる」はずでした。
なぜ、日本でもロシアでもなく、「関係ない第三国」アメリカで条約を調印したのでしょうか。



そういえば、アメリカが
講和の仲介したからだね!





ま〜ま〜、Russia(ロシア)と
Japan(日本)のみなさん・・・



いかがでしょう、
このあたりで、講和をしてみては・・・



そして、戦争をもう
やめませんか・・・



我がUnited States(米国)が、
間に入りましょう・・・
ルーズベルト・アメリカ大統領が、当時の日露の間に割って入って、仲立ちしました。



それとも、私の提案を無視して、
United States(米国)を敵に回しますか?
風貌からして「ド迫力」だったルーズベルト大統領は、間に入りながら日露に圧力をかけました。
日露戦争に関する話を、上記リンクでご紹介しています。
この「ルーズベルトの仲介」は、日本から猛烈に働きかけたものでしたが、



あのRussiaが
新興国Japanに押されている・・・



あまりにJapanが
力をつけ過ぎるのも困る・・・



このあたりで、我が国の力で
講和させて、恩を売っておくか・・・
義侠心というよりも、ルーズベルト大統領には、様々な思惑があったが現実でした。
そして、アメリカの仲介により、「アメリカのポーツマスで話し合い・調印」となりました。
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日清戦争の時は、賠償金として二億両(テール)という巨額のお金を得た日本。
さらに、台湾、遼東半島、膨湖諸島など割譲を受け、朝鮮を清国の支配から外しました。
遼東半島に関しては、ロシア始めとする三国干渉を受けて、返還を余儀なくされた日本。



おのれ、ロシア、
フランス、ドイツめが・・・



我が国に圧力を
掛けおって・・・



だが、代わりに3,000両増えたから
良い面もあった・・・
日本は「遼東半島返還」の見返りに「3,000両の賠償金増額」を得ました。
三国干渉に関する話を、上記リンクでご紹介しています。
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この「日清・下関条約」の前例から、「日露戦争で勝った」日本は、賠償金が欲しいところでした。



ロシアとの戦いで
多数の将兵が亡くなった・・・



我が国家としても、
莫大な費用がかかった・・・



どうしても、少しでも
賠償金が欲しい・・・
日露戦争は「無理に無理を重ねた」結果の勝利であり、日本は多額の外債(借金)を負いました。
ところが、ロシアは、



我がRussia(ロシア)は、
Japan(日本)に負けたつもりはない!



賠償金をゴリ押しするならば、
戦争続行だ!
「賠償金を払うくらいなら、戦争続行」の強行姿勢でした。



ま〜ま〜、Japan(日本)のみなさん、
賠償金は諦めては、いかが・・・



・・・・・
あまりに多額の外債(借金)を背負い、「国家破綻」すらチラリと見えていた日本でしたが、



あまりゴネると、
私は仲介役辞めるよ・・・



これ以上、戦争を続行しては、
本当に国家が破綻しかねん・・・



賠償金断念は、
やむを得まい・・・



分かりました・・・
賠償金は断念しましょう・・・



それは、Japanが
大きな譲歩しましたね!



あとは、私が
Russiaに譲歩させましょう!
古来から、「領土を拡張し続けた」国家ロシア。
19世紀には、清国に無理難題を押し付けて、清国からも多大な領土を得ていました。



我がRussiaは、領土を得ることは
あっても、失うことはあり得ない!
「領土拡張主義」のロシアにとっては、「領土割譲」は「国家の根幹が揺らぐ」事態でしたが、



賠償金と領土割譲の両方を
Japanに呑ませるのは、あり得ん!



どうするんだ?
私が手を引いても良いのか?
ルーズベルト大統領は、絶妙の交渉術で日露両国に迫りました。



やむを得ません・・・
樺太の南半分ならば、呑みましょう・・・



それは、Russiaも
賢明ですね!
こうして、日露双方に譲歩させたルーズベルト大統領は、調印にこぎつけました。
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そして、「賠償金ゼロ」のポーツマス条約となりました。



やむを得なかったが、
これがベストか・・・
「下関の全権・伊藤博文+陸奥宗光」と「ポーツマスの全権・小村寿太郎」も知っておくと良いでしょう。
問1 (1)源義家 (2)和歌山 (3)高知 (4)川崎
(5)徳川吉宗 (6)参勤交代 (7)日露戦争 (8)徳川慶喜
問2 (1)源氏物語 (2)藤原道長
問3 (1)兵庫県 (2)北条政子
問4 (1)足利義満 (2)明
問5 水戸藩
問6 (1)三内丸山 (2)大森
問7 (1)福岡県 (2)佐賀県
問8 イ
問9 (1) 歌川広重 (2)ゴッホ
問10 (1)松下村塾 (2)出来事:萩の乱 中心人物:前原一誠
(3)多数の松下村塾の塾生たちが、萩の乱に参加したから
問11 (1)明治天皇 (2) ア
問12 (1)エ (2)エ
問13(1)下関条約 (2)イ
問14 ウ
問15 (1)ジュネーブ (2)ウ
問16 (1)南満洲鉄道 (2)大日本帝国 (3)松岡洋右
次回は上記リンクです。