前回は「日本の国土と諸外国との関係・記述・自分の意見〜日本周辺国との外交関係と領土・領土・島に対する日本政府の姿勢・国境が全て海上にある日本・極めて複雑な北方領土〜」の話でした。
社会選択問題の効果的勉強法:出来ても出来なくても「しっかり復習」
今回は過去問を解いて、学力を上げる具体的な方法をご紹介します。
「過去問はいつから?」という話がありますが、筆者は「過去問は今すぐ」と考えています。
ただし、この「過去問への取り組み方」は人それぞれなので、
過去問は、しっかり実力がある程度
ついた秋頃から・・・
と考えている方もいらっしゃると思います。
いずれにしても、過去問は「受験当日と同じように時間測って全問やる」でなくても良いと考えます。
大事なことは「過去問から学ぶ姿勢」であり、過去問は問題ごとにバラして解いても良いでしょう。
今回は、具体的に女子学院中の2024年社会の出題から、最初の2題を考えてみましょう。
このような選択肢の問題を解く時は、答えが合っていたら、
やった!
これは合っていた!
となり、答えが合っていなかったら、
あれ?答えが違った・・・
どこが違うのだろう・・・
となるでしょう。
ここで大事なことは、「答えが合っていても、合ってなくても、しっかり復習して学ぶ」ことです。
答えが合っていたら、
「出来ている」のだから、復習いらないんじゃない?
算数ならば答えが合っていれば、「考え方も合っている」可能性が高いので復習不要です。
一方で、理科・社会・国語の選択問題は、答えが合っていても「たまたま」かもしれません。
選択問題は、かなり巧妙に作成されているので「たまたま合う」のは少ないです。
それでも、「考え方が間違っていた」のに「合ってしまった」可能性はあります。
そこで、特に志望校の過去問に取り組む際は「出来ても出来なくても、しっかり復習」が大事です。
・出来ても出来なくても「しっかり復習」
・全問をまとめてやらなくても、少しずつでもOK
問題文とキーワードを一つずつ理解して解く
具体的に、この問題の解き方を考えてみましょう。
「縄文時代の井戸」がテーマで、なんとなく「暗記問題」に見えますが、「理由」を考えます。
こういう問題では、「最もふさわしいもの」「誤っているもの」などマークしましょう。
ここを間違えて、
あれ?
「正しいもの」がいくつかある?
と考えすぎたり、問題文を誤解することはないようにしましょう。
ここで「最もふさわしいもの」は「最も正しいもの」と似ていますが、少し異なります。
「ふさわしい」は「相応しい」と漢字で書く通り、「正しい」ではなく「理屈が合う」などの意味です。
ア「地形が分かる地図」は、「井戸が出るかどうか」などは地形が関わるので良さそうで○です。
イ「大工道具」は間違いではありませんが、技術的な話は唐突です。
さらに、縄文時代なので「大工道具」は登場してなさそうなので△です。
「大工道具」は解釈次第で、「家・住まいらしきものを作る道具」かもしれませんが、今ひとつ判然としません。
ウ「海抜」は「井戸が出るかどうか」と関係ありそうですが、「縄文時代」の話を聞いています。
縄文時代の話だから、
海との関係は別にいいかな・・・
「海との関係」は全時代共通であり、「縄文時代だから」とは関係なさそうなので△です。
エ「気温と降水量の変化」は地域によるので、ウと同様「縄文時代」かどうかではないので△。
このように考えて、「最もふさわしいアが答え」です。
次の問題は「分かることで最もふさわしいもの」を選びます。
こういう問題で「(1)で選んだものからわかる」と書いてあると、
(1)と関係あるから、
(1)が間違っていたら、これも間違うのかな・・・
と考える方がいらっしゃるかもしれません。
理科では「関係している問題は、正しいかどうかも連動」する傾向が強いです。
一方、社会では「関係していても、前の問題を間違えても解ける」可能性があります。
そのため、こういう記載があっても、しっかり具体的・合理的に考えるようにしましょう。
ここで、後に続く「井戸をつくらなかった理由として」が大事です。
尋ねていることは「井戸をつくらなかった理由」なので、
(1)と関係するけど、要するに
「つくらなかった理由」を答えれば良いんだ・・・
と考えると良いでしょう。
ア「水は重く・・・」は事実ですから間違いではないものの、縄文時代に関わらない事実なので「半◯」です。
筆者は、上で「◯だけど、ちょっと」というニュアンスの記号を付けています。
こういう記号は、自己流でも教わった通りでも良いですから、「自分だけの記号」は早めに固めましょう。
イ「技術が不足」は、「どの程度の技術か」や「技術のレベル」にもよるので△です。
ウ「気候が安定」は、場所・地域によるので△です。
エ「水が得られる場所に住んでいた」は正しそうで、表現が「縄文時代の全体的傾向を描写」しています。
以上から「最もふさわしいエが答え」です。
「縄文時代特有の理由」を尋ねているので、「縄文時代の様子」を描写している内容はぴったりです。
このように、問題文の内容とキーワードを一つずつ理解して解くと良いでしょう。
そして、こういう問題は「出来ても出来なくても、ちゃんと理解」するようにしましょう。
・問題文の内容とキーワードを一つずつ理解
・一気に正しい答えを狙わず、少しずつ正答に至る思考法
上記の考え方は「一つの考え方」で、問題集によっては異なる考え方もあるでしょう。
上の説明は少し丁寧で長めな点がありますが、慣れてくるとこういう問題に対して、
縄文時代のことだから、
これは△、これは○・・・
とパパッと素早く出来るようになるでしょう。
今回は、知識よりも「縄文時代・調べることへの理解」を問う問題でした。
暗記問題の場合は「知らないと難しい」ことが多いです。
一方で、こういう「理解を問う」問題は「しっかり考えれば出来る」傾向が強いです。
女子学院中志望の方に限らず、こういう問題は入試当日ぜひ出来るように学ぶと良いでしょう。
次回は下記リンクです。