前回は「算数実践46〜問題 10(3)(図形)解き方B・相似形と平行〜」の話でした。
問題10(再掲載)


(2)を利用して、黄色い部分の面積を求めましょう。
5点並んだ辺の比を求めてみよう
前回、DN :NIまで求めました。
下図において、一直線状に並んだD,M,N,J,Iがあります。

この直線上のDM : MN : NJ : JIを求めて、NJ : JIを求めてみましょう。
緑色の直線の長さは、二つに分割して求められDJ :JIが求まります。
たくさん名前をつけると混乱するので、新たな点の名前を振らずに、ご説明します。
さあ、もう一息です。
これで、DM : MN : NJ : JIに関わる辺の比がわかりました。

それぞれの比の和が5,5,23なので、最小公倍数の5×23=115を使って、比を按分しましょう。
DM : MI=1 :4→(23をかけて)→DM : MI=23 :92
そこで、全体DIの長さが23+92=115になるように、比を按分して、各辺の長さを求めます。
下記の通り、比が求まりました。

NJ : JI=19 : 50ですから、ここからは面積が求められますね。
(1)を利用したときと答えが一緒になりました。
根気よくやってみよう
ちょっと長い時間がかかり、(1)を利用した方が早くできますね。
こういうことも「実際にやってみたらわかる」ようになります。
そして、「これはこういう方向でやったらいいかな」という勘が磨かれます。
少し遠回りですが、こういう計算力は非常に大事です。
入試で、単なる計算問題や「穴埋め式の計算問題」がよく出されます。
ああいう計算問題よりも、「計算力を見る問題」は良い問題です。
「少し時間がかかっても、やり遂げる力を試す」姿勢です。
あるいは「地道な計算力が求められる」問題によって「計算力は測られるべき」と考えています。
今回、4つの連続する辺の比を求めるという少し、根気のいる解法を実践してみました。
特に最難関校志望の方は、ぜひ根気を磨いてみましょう。
根気を磨くことは、学力の大幅な増強になるでしょう。