図形の面積のコツ・ポイント〜「どの辺の比を求めるか」を明確に・上手い相似形が見つからない時・特徴的な方向を最重視・問題10(3)解法B〜|中学受験・算数実践46

前回は「相似三角形をつくるコツ〜「根幹となる図形」の性質・平行な線を補助線に・根気よく相似形をつくる・少しずつ解明・問題10(3)解法A〜」でした。

目次

問題10(再掲載)

図形の面積のコツ・ポイント:「どの辺の比を求めるか」を明確に

今回は(3)を、(2)で考えた面積から求める解法Bを考えてみます。

(2)で面積を求めた状況を振り返りましょう。

どの部分の比が分かれば、黄色の部分の面積が求まるでしょうか。

ええと・・・
HJ : JCの比が分かっているから・・・

この直線と交差する部分の
辺の比が分かれば解けそう・・・

図形問題は、「答えを求めるためには何が分かれば良いか」を常に考えましょう。

問題を解く姿勢

・「問題を解くには、Aが分かれば良い」という「Aを考える」姿勢

・「Aを知るためには、どのようなことが分かればよいか」を考える

・少しずつ、着実に答えに近づいてゆく姿勢

そして、「面積を求める際には、辺の比が二つ分かれば分かる」ことが多いです。

「どのような辺の比が分かれば、面積が求めるか」を考えて、しっかりと目標をはっきりしましょう。

図形の面積を求める姿勢

・近く又は隣接する「面積が分かる図形=基準となる図形」を基準に考える

・「面積が分かる図形=基準となる図形」と求める図形に関わる辺の比を求める(大抵二つ)

・辺の比は「一つは分かっている」ことが多く、もう一方は「分かっている比と交差する位置」

黄色の部分の面積を利用するためには、上のNJ : JIを知りたいです。

確かに、この比が分かれば、
黄色の部分の面積が分かるね!

すると、(2)の面積からHJ :JC=2 :21とNJ : JIで黄色の部分の面積が出ます。

上手い相似形が見つからない時:特徴的な方向を最重視

NJ : JIの比が分かれば、
解けるのは分かったけど・・・

NJ : JIの比って
分かるの?

パッと
相似形が見えてこないね・・・

NJ : JIを一気に求める相似形は、なかなか見えません。

自分でも色々と「ある辺に平行な線」を引いて、相似形を描いてみましょう。

この問題では、正三角形ABCが大事です。

正三角形ABCの「辺AB上に点を取って、新たに正三角形をつくっている」からです。

つまり、正三角形ABCは「この問題の根幹となる図形」と言っても良いでしょう。

図形問題の考え方

・正三角形・正方形など基本的な図形が「根幹となる図形」の時は、常にその図形に注目

・「根幹となる図形」のある辺と「平行な辺」があるときは、その辺に注目

この問題は「辺BCと平行な直線」が大事です。

上の図形では「水平・真横の直線」です。

図形問題を考えるときは、「特徴的な方向を最重視する」ことが大事です。

図形問題のポイント:特徴的な方向を最重視

・「根幹となる図形」の最も大事な辺を考える

・その辺が水平・垂直、あるいはそれらと60度など分かりやすい角度の時は、その方向を最重視

なかなか「辺の比が分からない」時は、「いくつかの相似形による辺の比」を考えましょう。

上の図で、DM :MI=1 : 4 はすぐに分かります。

確かに、
これはすぐに分かる!

AHと水色の線が平行なので、DNは△FAHの相似形から計算できます。

この問題では、
水平方向の補助線がキーポイントね!

そして、DN :NI も計算できます。

このように、「いくつか相似形を考えて」NJ : JIを求めましょう。

自分で試行錯誤する姿勢

・解答に至らない「無駄なこと」が大事

・「遠回り」や「無駄」を経験すると、試験で「何が大事か」の感覚が磨かれる

この問題の鍵は「水平方向の補助線」です。

「水平方向の補助線を引けば、辺の比がもとまり、面積がもとまる」はずです。

色々と補助線を引いて、考えてみましょう。

次回に解法をご紹介するので、手を動かして考えてみましょう。

新教育紀行

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