相似三角形をつくるコツ〜「根幹となる図形」の性質・平行な線を補助線に・根気よく相似形をつくる・少しずつ解明・問題10(3)解法A〜|中学受験・算数実践45

前回は「算数実践44〜問題 10(3)(図形)解き方A・辺の比のコツ〜」の話でした。

目次

問題10(再掲載)

相似三角形をつくるコツ:「根幹となる図形」の性質

(1)で求めた面積から、黄色い部分の面積を求めてみましょう。

LN : NHを求めてみましょう。

直感的にわかるかも知れませんが、きちんと求めてみましょう。

LN : NHを求めるためには、これらの辺が関係する相似形を見つけたいです。

相似形が
見つからないけど・・・

ところが、相似形がなかなか見つかりません。

平行な直線と相似形

・平行な直線があると、その周辺に相似形がある

・相似形が見つからないときは、自分で相似形をつくる

この問題では、正三角形ABCが大事です。

正三角形ABCの「辺AB上に点を取って、新たに正三角形をつくっている」からです。

つまり、正三角形ABCは「この問題の根幹となる図形」と言っても良いでしょう。

図形問題の考え方

・正三角形・正方形など基本的な図形が「根幹となる図形」の時は、常にその図形に注目

・「根幹となる図形」のある辺と「平行な辺」があるときは、その辺に注目

今回は、「辺BCと辺AH、AIが平行」であることが大事なポイントです。

図形:補助線(新教育紀行)

辺AB上のどの点を取って、正三角形HFCなどを新たに作成しても、必ずAHとBCは平行です。

そこで、「AH,HIと平行な線を補助線にすれば、相似形が見えてくるはず」です。

平行な線を補助線に

HIの長さがわかっているので、LからHIに平行な直線を引いて、相似三角形を作りましょう。

新しい直線が2本、
そして新しい交点が出てきた・・・

分からないことが
多くて、難しそう・・・

上の図のように「分からないこと」がたくさん登場してきても、驚かないようにしましょう。

「分かっていること」も多く、大事な辺と平行な直線を補助線にしたので、相似形があるはずです。

「相似形をつくる・見つけることが出来れば、問題は解けるはず」と考えることも大事です。

(1)からAL : LC=6 :19 と分かっているので、緑色の部分の長さは分かりそうです。

それでは三角形が閉じていないので、LN : NHを知るには、下図の水色の部分の長さが必要です。

あれ?
ダメじゃん・・・

ここで、諦めないようにしましょう。

図形問題は色々な考え方がありますが、少し遠回りしても、自分で考えれば解けることが多いです。

そのためには、「自分で相似図形を作る」です。

根気よく相似形をつくる:少しずつ解明

こういう時は、自分で「新しく図形を作ってでも、なんとか求めよう!」と考えましょう。

水色の部分の長さを求めるには、(2)と同様に図形の外に飛び出してみましょう。

先に進む前に、少し考えて下さい。

(2)と同様に外に図形を作りますが、必要な長さを求めましょう。

図形の外に出てゆく発想

・平行な直線のうち、一つまたは二つの直線を延長する

・平行ではない直線を延長して、新たな交点を作ると相似形が出てくる

思い切り外に出て、相似三角形を作ってみましょう。

そして、必要な長さを分割して計算し、足してみましょう。

問題を解く姿勢

・「問題を解くには、Aが分かれば良い」という「Aを考える」姿勢

・「Aを知るためには、どのようなことが分かればよいか」を考える

・少しずつ、着実に答えに近づいてゆく姿勢

図形問題で「ある長さを求める」時は、少しずつ「何を知りたいか」を考えることが大事です。

水色の部分の長さは、△DKBとその内部の小さな三角形が相似形です。

辺の比を求める考え方

・平行な線、相似形を探す・つくる

・相似比となる「対応する辺」の長さを計算

・「対応する辺の長さ」が分かりにくい時は、辺を分割して考える

そこで、上図の通り長さがもとまります。

整理すると、実は考えていた相似形の辺の長さが同じなので、LN=NHと分かります。

ここまで来れば、黄色い部分△NHJの面積は計算できます。

では、今度は(2)の結果から、面積を求めてみましょう。

同様に手を動かして考えてみましょう。

自分で試行錯誤する姿勢

・解答に至らない「無駄なこと」が大事

・「遠回り」や「無駄」を経験すると、試験で「何が大事か」の感覚が磨かれる

新教育紀行

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