電気・電流のわかりやすい考え方・コツ 5〜電熱線の抵抗(長さ)・色鉛筆・マーカーで色分け・滑り台〜|中学受験・理科

前回は「電気・電流のわかりやすい考え方・コツ 4〜抵抗・オームの法則・電気エネルギー・矢印・稲盛和夫〜」の話でした。

目次

電流の具体的イメージ:色鉛筆・マーカーで色分け

まずは「オームの法則」を理解して、この法則に基づいて考えてゆく電気・電流の問題。

電気・電流のように「物理的」な問題は、基本法則をしっかり理解すると全ての問題が解けるようになります。

本当に、
全部解けるようになるの?

全部解けるように
なったら嬉しいけど・・・

「全部解けるようになる」ためには、繰り返しになりますが、「基本をしっかり」です。

そして、力・電流など「目に見えないモノ」を描いて「イメージする」ことが大事です。

直列電池・並列電池をしっかり理解するにあたり、「電池が電流を持ち上げるイメージ」を描きました。

電池の直列つなぎ

・電流は、「電池の個数分の高さ=電圧」持ち上げられる

・電池の持ちは変わらない(流れる電流が同じ)

電池の並列つなぎ

・電流は、「電池1個分の高さ=電圧」持ち上げられる

・電池の持ちは、並列電池の個数分長くなる(流れる電流が減少する)

電流がは目に見えないですし、その電流を電池が持ち上げる(起電力)様子も見えません。

見えないですが、このように最初は色を分けて、電流や持ち上げる高さを描くのが良いでしょう。

鉛筆ではなくて、
色鉛筆とかで色分けした方がいいの?

少し面倒に感じるかもしれませんが、色鉛筆・マーカーなどで、ぜひ色を分けてみましょう。

上の図で僕は、電流・持ち上げる高さ(電圧)をそれぞれ赤・水色を使いました。

こういう色は、決まりがありませんので、好きな色で良いでしょう。

私が
好きな色で良いの?

「どんな色を選ぶか」も個性です。

「色を塗る」は、塗り絵などしたと思いますが、受験勉強では少ないと思います。

「色を塗る」と楽しくなり、脳が刺激されて学習効果も上がるでしょう。

ぜひ、色鉛筆・マーカーなどを使って、理科を勉強してみましょう。

慣れてきたら、鉛筆だけで考えると良いでしょう。

抵抗の具体的イメージ

抵抗は、文字通り「抵抗」であり、「あると困るモノ」です。

流れる電流は、抵抗・電球などの「抵抗」を受けて、ちょっと疲れてしまいます。

あなた自身が「電流になった気持ち」になってみましょう。

電池によって「エイッと持ち上げられる」と言うことは、滑り台に乗るイメージです。

滑り台(Wikipedia)

滑り台に登る時、少し疲れますが、この「登る」のを電池がやってくれます。

つまり、登る階段が「エスカレーターになっている」イメージです。

そして、滑り台の上からツルツルした滑り台を滑るときは、疲れません。

うん。
スーッと降りて、楽しいよ。

この感覚が、「抵抗がない(0、ゼロ)の回路」を流れる電流です。

抵抗が「完全に0(ゼロ)」と言う状況は、物理的に非常に難しいですが、仮にこう考えてみましょう。

滑り台を降りるときに、木の箱などの障害物があったらどうでしょうか。

ぶつかるから、
痛いね。

その「ぶつかる感じ」が「抵抗を受けること」だと考えてみましょう。

そういう
イメージなんだね。

電熱線の抵抗:滑り台が滑りにくい時

「抵抗」は電球などの抵抗だけではなく、電熱線自体も抵抗になります。

この電熱線の抵抗を「無視して、抵抗が電球だけ」と考えることもあります。

現実的には、電熱線を電流が走っている間も「常に抵抗を受けている」のです。

先ほどの「滑り台」で、時々「滑りにくい」時がありませんか。

ある!
雨が降って少し濡れている時とか。

そう言う時は、ズボンと滑り台がくっついてしまって、とても滑りにくいです。

その時は、滑り降りようとしている皆さんが、「滑り台から抵抗を受けている」ことになります。

「電熱線の抵抗」
ってそういうことなんだね。

電熱線の長さ・断面積で「抵抗の大きさが変わる」話があります。

それ、知ってるよ。
覚えているよ。

「オームの法則」のように数式ではなく、このような「性質」の話になると暗記に走りがちです。

「丸暗記・語呂合わせ」しがちな性質等の暗記ですが、内容を理解するようにしましょう。

この「電熱線の長さ・断面積」に関して、しっかりイメージして理解しましょう。

電熱線の抵抗:電線を描いてイメージ

具体的に「電熱線の抵抗」を考えましょう。

「抵抗」は豆電球を考えることが多いですが、電熱線も抵抗があります。

電熱線に電流が流れる時に、抵抗が掛かって、流れる電流が変化します。

それ知ってるよ。
電熱線の長さが長くなると、抵抗が大きくなって・・・

あれ?
小さくなるんだっけ・・・

電熱線に電流が流れるイメージを考えてみましょう。

電熱線の長さや断面積が変わるのを考えるので、細長い電熱線を拡大しましょう。

電熱線を大きく拡大すると、電熱線の中は真空ではなく、色々なモノがあります。

そのため、電熱線の中を流れる電流は、電熱線の中のモノに、ガンガンぶつかってしまいます。

それが「抵抗」となります。

そういうことだったんだ!
「抵抗」があるね。

電熱線の長さを長くする

電熱線の長さを長くしてみましょう。

先ほどと同じように、電熱線を拡大してみましょう。

「電熱線を長くしたら、抵抗はどうなるか」を考えてみましょう。

電熱線が長くなると、電熱線の中のモノに沢山ぶつかります。

電流が沢山モノにぶつかるので、「電熱線が長くなると抵抗が大きくなる」となります

電熱線の中のモノは、電熱線の長さに比例します。

そのため、電熱線の長さが2倍になると、モノが2倍、そして抵抗が2倍になるイメージを持ってください。

こう考えると、「抵抗が電熱線の長さに比例する」と
暗記しなくても、イメージで分かる。

暗記していると、

抵抗は電熱線の長さに比例?
反比例?

どっちだっけ・・・

と、悩むことがあるかも知れません。

このように、電気・力などの基礎的事項は「暗記する」のではなく、「基本を理解・イメージ」しましょう。

すると、「覚えよう」として覚えなくても、頭に入ってゆくでしょう。

暗記しようとしないで、
自然に覚えられるなら、嬉しい。

次回は、電熱線の断面積が大きくなるとどうなるか、少し考えてみましょう。

新教育紀行

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