電気・電流のわかりやすい考え方・コツ 4〜抵抗・オームの法則・電気エネルギー・矢印・稲盛和夫〜|中学受験・理科

前回は「電気・電流のわかりやすい考え方・コツ 3〜並列電池・矢印・電圧・抵抗・ボルト・対称性・算数と理科〜」の話でした。

目次

電池の直列・並列つなぎ

電気・電流の考え方:電池の直列つなぎ(新教育紀行)
電気・電流の考え方:電池の並列つなぎ(新教育紀行)

電池の直列つなぎ・並列つなぎの2つの場合で、しっかりイメージをしました。

電池は「電流をエイッと持ち上げる」役目をしていて、「持ち上げる高さ(電圧)が決まっている」です。

大事な性質をまとめると、

電池の直列つなぎ

・電流は、「電池の個数分の高さ=電圧」持ち上げられる

・電池の持ちは変わらない(流れる電流が同じ)

電池の並列つなぎ

・電流は、「電池1個分の高さ=電圧」持ち上げられる

・電池の持ちは、並列電池の個数分長くなる(流れる電流が減少する)

となります。

このあたりは、
知っていたけど、イメージできた!

なんとなく、
電流が流れるイメージが分かった気がする!

ハッキリしたイメージを持つ大事さ:稲盛和夫

これまで「イメージをもつ」大事さの話を何度かしました。

「イメージを持つ」というと、「芸術に属する特殊な人」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

実際には「具体的イメージを持つこと」は、多くの方にとって大事です。

著名な経営者・セラミックスの研究の第一線にいた稲盛和夫氏。

昨年亡くなってしまいましたが、非常に優れた経営者であり、技術者でありました。

優れた経営者・技術者だけではなく、人格的にも極めて優れていた稲盛氏。

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京セラ創業者 稲盛和夫会長(Wikipedia)

京都セラミックス(現、京セラ)を率いていたスーパー技術者・稲盛。

独自の技術で様々な画期的セラミックスを開発し続けた稲盛は、「あるイメージ」を持っていました。

実物が成功する前に、稲盛の頭の中にあったもの。

それは、「極めてクリアなイメージ」でした。

こうすれば、
上手くいくはずだ!

あとは
念ずるのみ!

この「具体的イメージ」が、数々の大きなブレイクスルーにつながったのでした。

このように、「イメージを持つこと」は非常に大事です。

電池の直列・並列のことは、簡単なこと、当たり前のことかもしれません。

これらの「当たり前のこと」をしっかり、具体的にイメージできると良いでしょう。

抵抗とは何か?

今回は、抵抗を考えましょう。

「電流は抵抗に反比例する」と教わります。

「抵抗に電流が反比例する」
って教わったよ。

「まずは、オームの法則を暗記」となると、電気の面白いところが失われてしまいます。

身近な電気。

電気なしでは、現代社会は成り立ちません。

そもそも、抵抗ってなんでしょうか。

「抵抗とは何?」とは
考えたことがないよ・・・

抵抗って、
日頃あまり使わないけど、何か「邪魔なもの」って感じ・・・

抵抗は「ない方が良い」ですね。

18年ほど前、政治の世界で、一時期「抵抗勢力」と言う言葉が流行りました。

私の意見に従わない
人物たちは、皆「抵抗勢力」だ!

「抵抗勢力」は
排除するのだ!

こうして「抵抗勢力」という言葉がメディアでよく使われた時期もありました。

「抵抗」は「邪魔者」であり、「あると困るもの」です。

ですから、「オームの法則で・・・」と法則を覚える前に、「抵抗」のイメージを持ちましょう。

電流・電圧と抵抗

電熱線に二つの豆電球があるところに、電流が流れてくることを考えましょう。

「電流の流れ」を実際に描いてみましょう。

下記のような矢印を実際に自分で描いてみましょう。

流れてくる電流が、豆電球でぶつかります。

豆電球というモノがあると、邪魔ですから、電流は困るのです。

豆電球=モノにぶつかった時に、「抵抗」を感じるから「抵抗」なのです。

みなさんが歩いていて、何かモノがあると歩きにくいことをイメージしてください。

そうかあ。
だから「抵抗」なんだね。

豆電球にぶつかった電流は、

なんだ、
ここにあるもの(豆電球)は・・・

邪魔者だな・・・

と思って、少しダメージを受けてしまいます。

抵抗・豆電球に引っかかって
痛かったから、ちょっと電流が減っちゃったよ・・・

そして、流れていた電流が少し減ってしまいますが、

ちょっと電流減ったけど、
頑張る!

電流さんは、頑張って続けて流れてゆきます。

また、豆電球=モノにぶつかりました。

またぶつかったので、「抵抗」があります。

また、
抵抗・豆電球か・・・

また、抵抗受けて、
疲れてちょっと電流が減っちゃったよ・・・

ぶつかる豆電球=モノが 多いと、抵抗が大きくなるので、電流はどんどん小さくなります。

このように、電流さんは、豆電球という「抵抗に合いながら、流れ続ける」のです。

そして、抵抗を受けて電流が減ってしまいますが、そのエネルギーで豆電球を光らせます。

電流から電気エネルギーをもらった豆電球は、その「電気エネルギーで光る」のです。

なんか、
分かった気がする・・・

豆電球はただの「抵抗」ではなくて、
電流からエネルギー・パワーをもらうのね!

この抵抗も矢印のイメージで考えてみましょう。

「二つの抵抗が直列で並んでいると、2倍の抵抗」とイメージできるでしょう。

「オームの法則」とか「抵抗」とか
難しそうだった。

電流の流れを考えると、
分かりやすいね。

電流と抵抗のことが、良く分からなかったけど、
イメージできた感じがする。

電気の問題は、しっかり「目に見えない電流」をイメージして、描いて考えてみましょう。

頭で考えてパパッと分かることも大事ですが、地道に描いてみるのは、もっと大事です。

そうして、一つ一つしっかり踏み固めるように学んでみましょう。

新教育紀行

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