前回は「電気・電流のわかりやすい考え方・コツ 5〜電熱線の抵抗(長さ)・色鉛筆・マーカーで色分け・滑り台〜」の話でした。
電熱線と抵抗のイメージ
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/battery111m-1024x724.jpg)
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/battery120m-1024x724.jpg)
目には見えない電流を「描いてイメージ」して、理解することは非常に大事です。
このように「電流が流れている」ことを手で描いてみると、「電流の動き」がイメージできます。
この「電流の動き」をイメージ出来るようになると、オームの法則も理解しやすくなるでしょう。
![f:id:Yoshitaka77:20220104093449j:plain](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/2022/04/20220104093449.jpg)
京セラ創業者・経営者・技術者である稲盛和夫。
稲盛は、非常にハイレベルな製品の製造において、「完成のクリアなイメージ」を持ちました。
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/2022/04/20220104093449.jpg)
このイメージで
いけるはずだ!
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/2022/04/20220104093449.jpg)
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/2022/04/20220104093449.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/2022/04/20220104093449.jpg?resize=80%2C80&ssl=1)
こうすれば、絶対に
上手くいくはずだ!
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/2022/04/20220104093449.jpg)
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/2022/04/20220104093449.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/2022/04/20220104093449.jpg?resize=80%2C80&ssl=1)
あとは
念ずるのみ!
このプロセスにおいて、稲盛がセラミックの焼成装置の前で、
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/2022/04/20220104093449.jpg)
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/2022/04/20220104093449.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/2022/04/20220104093449.jpg?resize=80%2C80&ssl=1)
ここで、こうなる
イメージだ!
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/2022/04/20220104093449.jpg)
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/2022/04/20220104093449.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/2022/04/20220104093449.jpg?resize=80%2C80&ssl=1)
そして、こういう
製品が完成するはずだ!
と考えた際、「描いたかどうか」は不明です。
大学生の時から、実験ノートなどをまとめる作業は必ずしていた稲盛。
すると、手で描かなくても「頭の中で描けるようになる」のでしょう。
それは、稲盛の能力が卓越していることもありますが、「描く経験」が大事です。
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/electricity108m-1024x724.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/electricity108m.jpg?resize=1024%2C724&ssl=1)
非常に細くて、「中身を見ることは、非常に高度な顕微鏡でないと不可能」な電熱線の内部。
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/electricity115m-1024x724.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/electricity115m.jpg?resize=1024%2C724&ssl=1)
上記のような状況を「実際に観察する装置」はあると思われますが、限られた研究所等になりそうです。
「実際に見ることは、非常に難しい」ですが、具体的にイメージすることは、理科の理解に非常に役立ちます。
電熱線の断面積を考える:顕微鏡で覗くイメージ
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/electricity109m-1024x724.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/electricity109m.jpg?resize=1024%2C724&ssl=1)
今回は、電熱線の断面積を変えてみましょう。
上の図のように、非常に細い電熱線を、大きく拡大して考えてみました。
「拡大してみることが
できない」のに、拡大してみたけど・・・
どうやって、断面の
大きさを変えるの・・・
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/50bf375353cef2d4ee1b3b028507b936.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/50bf375353cef2d4ee1b3b028507b936.jpg?resize=800%2C706&ssl=1)
小学校の理科実験の時に、顕微鏡で様々な植物やプレパラートを覗いた経験があるでしょう。
うん。
あれ、面白かったよ!
顕微鏡で覗いたら、非常に小さなモノが「ありありと分かる」感動があります。
あの「顕微鏡を覗く」イメージを持って、電熱線を拡大して、断面積・太さを変えてみましょう。
顕微鏡で
覗くイメージだね!
それでは、電熱線の断面積の大きさと抵抗・電流を考えてみましょう。
前回と同様に、「電熱線に電流が流れる」部分を拡大して考えてみましょう。
「電熱線の断面積が異なる状況」を考えるので、細い電熱線と太い電熱線を考えましょう。
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/electricity116m-1024x724.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/electricity116m.jpg?resize=1024%2C724&ssl=1)
細い・太い電熱線の両方とも、電熱線の中にモノがあって、電流が流れると抵抗が発生します。
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/electricity117m-1024x724.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/electricity117m.jpg?resize=1024%2C724&ssl=1)
「電熱線の断面積が大きい=太くなる」ので、太くなったらどうなるか、を考えてみましょう。
「電流が流れる面積=場所が大きくなる」ことをイメージしましょう。
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/electricity118m-1024x724.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/electricity118m.jpg?resize=1024%2C724&ssl=1)
流れる場所が広くなると、抵抗・モノにぶつかりにくくなります。
あっ、
そういうことか!
電流が実際に流れる時に、抵抗・モノに「ガンガンとぶつかるイメージ」を持ってみましょう。
電熱線の中の抵抗と電流
そのため、電流は「モノにぶつかりにくくなるので、スイスイ進む」ことになります。
厳密には、「電熱線の内部の抵抗の密度」が影響しますが、大まかに考えてみましょう。
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/electricity119m-1024x724.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/electricity119m.jpg?resize=1024%2C724&ssl=1)
電熱線が太くなると、モノにぶつかりにくくなって、「抵抗が小さく」なります。
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/electricity120m-1024x724.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/electricity120m.jpg?resize=1024%2C724&ssl=1)
そのため、「電熱線の断面積が大きくなると、抵抗が小さく」なります。
電熱線の断面積が2倍になると、「ぶつかるモノ・抵抗が半分になる」ので、抵抗は半分になります。
これで、「電熱線の断面積と抵抗の大きさが反比例するイメージ」が分かりました。
うん!
これで分かった!
こうしてイメージすると、
電熱線の長さ・断面積の大きさと抵抗がイメージできる。
暗記だと、電熱線の長さと抵抗の大きさが
比例か反比例か、間違えそうだよ。
こう考えれば、間違えないし、
暗記しなくても良い!
理解・イメージして習得する大事さ
理科は、暗記しなければならない分野も多いですが、ぜひイメージして理解してみましょう。
基本的事項は、暗記ばかりだと面白くなくなってしまいます。
イメージして考えると「自然と覚える」ことが多くなり、間違えません。
このように考えると、
抵抗は電熱線の長さに比例?
反比例?
抵抗は電熱線の断面積・太さに比例?
反比例?
どっち
だっけ・・・
こういう非常に大事なことを試験の際に迷うと、
困った・・・
これでは進まない・・・
となってしまいます。
これが「小問の一つ」であれば、
忘れたから、
他の問題を頑張ろう!
となりますが、「大問の一部」だと、こういう時の「気持ちの混乱」は悪影響が大きいです。
理科の力・電気(電流)・てこなどの基本的事項は、「暗記」ではなく「理解して習得」を目指しましょう。
てこの時に説明する「力と長さは逆比」も同様です。
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/Spring166m-1024x724.jpg)
![](https://i0.wp.com/www.e-voyage.net/wp-content/uploads/Spring166m.jpg?resize=1024%2C724&ssl=1)
この「逆比」は、原理的には難しくないことなので、「ただ逆比」とは覚えないようにしましょう。
「なぜ逆比なのか?」ということをしっかり理解する姿勢。
すこし遠回りに感じるかもしれませんが、これらの物理的性質を理解すると問題が解きやすくなります。
そして、一題一題学んでゆく過程で「考える力」が身につき、結果的に学力が上がるでしょう。
このような考え方で、様々な問題に取り組んでいると、実験問題に対する力もアップします。
理科の実験問題は、現象やグラフをもとに答えることが多く、「具体的イメージを描く」ことが大事です。
算数・理科は、「描いて学ぶ」と時間がかかってしまいますが、手を使うと不思議と脳に残ります。
それは「脳だけでなく、身体全体で学ぶ」感じになるからでしょう。
「目で見て理解する」と「分かった気になって終わり」のことが多いです。
「手で書く・描く」と、考え方や様々な事柄を「脳に書き込む・彫り込む」感じでしっかりと残ります。
イメージして理解して、基本〜応用問題を考えてみましょう。
次回は下記リンクです。