選択・暗記問題の解き方・コツ・ポイント 5〜選択肢を推測・イメージして暗記を増やす方法・徳川家光・島原の乱・キリシタン・鎖国・ポルトガル船・蝦夷地〜|中学受験・社会

前回は「選択・暗記問題の解き方・コツ・ポイント 4〜暗記問題を考える姿勢・方法〜」の話でした。

目次

「暗記だけ」ではなく、状況から選択肢を推測する

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開成中学校の2020年の社会第2問です。

次の問9を考えてみてください。

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今回は「正しいもの」です。

「正しいもの」と「誤っているもの」を間違えないように、しっかりマークしましょう。

順に見てゆきましょう。

アは、家康がキリスト教禁教令の話で、日本人の海外渡航は

海外渡航・・・
どうだったかな?

と、思うかもしれません。

海外渡航も禁じたのは徳川三代将軍 徳川家光です。

江戸幕府第三代将軍:徳川家光(Wikipedia)

そこでxですが、よくわからない場合は△にして進みましょう。

徳川家康は、亡くなる前年の1615年に、豊臣家を滅ぼします。

徳川幕府初代将軍:徳川家康(Wikipedia)

やっと、
豊臣を消した・・・

大人しく徳川に従えば、
存続させてやっても良かったのだが・・・

この時まで必ずしも徳川家が日本の代表ではなく、形式的には家康は豊臣家の家臣でした。

ですから、

そこまで家康が、
強権を振るうことはできないかな・・・

と、考えましょう。

大激戦だった島原の乱

島原の乱(Wikipedia)

イは、島原の乱は徳川幕府にとって大変衝撃的な事件でした。

1615年の大坂の陣以降、20年間は比較的平穏でしたから、感覚的には内戦に近いでしょう。

島原の乱(Wikipedia)

手を焼いた幕府は、なんと13万人もの軍勢を島原に派遣し、なんとかやっと鎮圧しています。

宗教で一致団結した
一揆がこれほど強いとは・・・

特にキリスト教は
注意しなければならない!

そして、「ポルトガル戦の来航を禁止した」のです。

ちょっとわからなくても、

ほとんど内戦だった、
島原の乱・・・

あの大変な事件のあとは、
キリシタン関係のポルトガルの来航を禁止しそう・・・

と、考えて、ほぼ○です。

島原の乱(Wikipedia)

ウは長崎に来航して交易することを認められたのは、オランダと中国のみで、朝鮮は対馬・宗氏を介しています。

xなのですが、このことを知らない場合

そうかも
しれない・・・

と考えると△となります。

世界地図:日本作成1840年(Wikipedia)

エは「江戸期を通じて」が気になります。

「通じて」ということは「江戸期ずっと」になります。

「少しの期間でもそうでなかった」可能性がありますから、xです。

実際は、蝦夷地が幕府の直轄となったのは、ロシアやアメリカなどの船が来て、防衛のために直轄地とした江戸末期です。

それまでは、松前藩が蝦夷地を管理していました。

歴史で否定することは難しいので、基本的にxというお話をしました。

このように「通じて」「ある期間ずっと」というのは、「必ずしもずっとではない」可能性が高いです。

そこで、xであることが多いです。

「異民族が住む地」という意味の「蝦夷地」は、1840年に日本で作成された世界地図に描かれています。

世界地図:日本作成1840年の一部拡大(Wikipedia)

上の日本で作成された地図の拡大でも、「日本を意味する黄色」が蝦夷地には塗られていません。

アイヌ先住民族がいたことからも、蝦夷地に対する視点は様々であったのでした。

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上記の様になります。

答えはイとなります。

出来事・人物を丸暗記ではなく、イメージも一緒に

多くの受験生の方が、日本歴史のまんがをお読みでしょう。

島原の乱では、徳川幕府が「かなり手を焼いた」ように描かれているでしょう。

そういうイメージは、ぜひ頭に入れておきましょう。

島原の乱は、
幕府にとって、とても大変な事件だったんだな・・・

というイメージがあれば、その反動で将軍が強硬策に出ることが想像できます。

実際、「血で血を洗う」ような死闘の果てに鎮圧した島原の乱。

「乱」と言っても、「戦争」に近い大規模な戦いでした。

「日本人の海外渡航を禁止」というのは、現代ほど人の流れがなかったとしても「かなり強硬な政策」です。

そういう「かなりのこと」を徳川家光が強行したイメージが大事です。

徳川家光が、

私は
生まれながらの将軍である!

と宣言した「強い将軍のイメージ」と重なります。

そういうふうにイメージをつなげてゆくと、暗記もしやすくなります。

直前期は大変で「ひたすら暗記」することも必要かもしれませんが、「きちんと頭に残ること」が大事です。

「量をこなさなくては」と焦る気持ちも分かりますが、明確に知識として定着することも大事です。

物理の「作用反作用の法則」と同じで、歴史では「何かの反動」が多いのが実情です。

大老 井伊 直弼(Wikipedia)

幕末、当時の総理大臣格であった、井伊直弼大老の暗殺事件・桜田門外ノ変。

これは、井伊直弼が実行した「安政の大獄」の「反動であった」側面があります。

徳川幕府に楯突こうと
する連中は全て消せ!

おい、ちょっと待て!
それは「やりすぎ」だろう!

関係ない!
大名なら蟄居、志士とかいう奴らは斬首!

おのれ、井伊め・・・
見ていろ・・・

このようにイメージを膨らましながら、知識をどんどん増やして暗記問題に強くなってゆきましょう。

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