前回は「算数の学習法・伸ばし方〜成績が上がらない時〜」の話でした。
中学受験算数の実践的解法・考え方のご紹介です。
女子学院中学校2021年の図形問題です。
問題 1
下記の図のように2つの長方形を重ねてできた図形において、
AB : BC =11 : 4、CD : DE =1 : 3
重なった部分の図形の面積=14.2cm2の時、
太線で囲まれた部分の図形の面積は何cm2ですか?

解答A

ADに補助線を引いて、△ADFの面積が長方形の面積の半分であることがポイントです。
この解法を学んで、 上記のポイントに気づくように学ぶのがベストです。
図形問題は様々な解法があります。
図形問題では補助線の引き方で、解ける・解けないが決まりることが多いですね。
自分で様々な補助線を試してみましょう。
「これは役立つかな?」と考えながら、補助線を引いているうちに、「良い補助線のコツ」が身に付いてゆきます。
解答B
では、下記のように補助線を引いたら解けないでしょうか。
少し考えてみましょう。

線が交差して、新しい交点が出てきます。
補助線を引くときは新しい交点は出ない方が良いことが多いです。
下記のように考えてみましょう。

△CEFの面積が、長方形の面積の半分であることは、すぐに気づくきます。
△BCDと△DEGの辺の比から面積を考えると、長方形の半分の面積が分かります。

重なっている部分の面積は、長方形の面積から△BCDと△DEGの面積を引いて求められます。
総評
解答Bは、解答Aよりも少し遠回りです。
時間はかかりますが、悪い解法ではありません。
模範回答を学びつつ、少し遠回りな別解を学ぶことで、図形問題に対する様々な視点が学べます。
実際の試験では、図形問題で難航した時「ひょっとしたら補助線が間違っているのでは?」と思って、焦ってしまうかもしれません。
「解に辿り着かない補助線」もありますが、見方を変えることで解く筋道が見えることも多いのです。
少し遠回りしても、解けることが大事です。
良問でいくつかの解き方を学ぶことは、そのような「解答にたどりつく」腕力を鍛えるためにも大変効果的です。