最難関校合格を目指す算数の勉強〜基礎と応用・思考力を養う学び方・筋肉トレーニングではない勉強・問題を解く「瞬発能力」と真の解決能力・発見する力〜|中学受験

前回は「より難易度の高い学校を子どもが目指したい時〜テンションを高く持ち続ける大事さ・「良い面」に目を向ける・第一志望校を目指す「明確な理由」をハッキリ・学校のイメージと個性〜」の話でした。

目次

最難関校合格を目指す算数の勉強〜基礎と応用〜

公園の桜(新教育紀行)

男子御三家志望の小学校6年生Jくんの親からご質問を頂きました。

ご質問

息子が御三家を目指しています。

毎朝6時に起床して、主に算数と理科・社会の暗記を勉強しています。

算数は、計算問題や基礎を強化する問題をやるようにしています。

塾のテキストが応用問題が多くなってきたので、応用問題もやってもらおうと思います

朝の時間に、基本問題と応用問題をどのように取り組むのが良いでしょうか。

ご意見お聞かせ下さい。

ご質問頂き、有難う御座います。

僕は「基礎を固めたなら、応用問題中心に学ぶ」と考えます。

本人の学力にもよりますが、算数は基礎が最も大事です。

基礎を毎朝学ぶことは「学力の基礎をガッチリ固める」ことになり、とても良いです。

ところが、あまり基本的な問題ばかり繰り返すと、

はあ〜、
同じような問題ばっかり・・・

同じことの
繰り返しは楽しくない・・・

本人が少し飽きてしまうかもしれません。

御三家・最難関校は「解ける」知識・能力よりも、子どもたちの「応用力」を見ようとする問題です。

ただ「難しい」や「複合的・応用的」であるというよりも、「算数の力」を試す試験です。

最難関校の出題者は、

算数の学力を測るには、
算数・数学への適性を知りたい・・・

ただ解法パターンを暗記して、
問題を解く姿勢ではなく、本質的力をみたい・・・

と考えています。

1時間程度のペーパーテストで、この「本質的力」をどこまで測れるかは議論があるでしょう。

それでも、「出来るだけ数学への適性を測ろうとしている」のでしょう。

そのため最難関校を目指す方は「基礎が大事」ですが、「応用力・発展力」を増強しましょう。

思考力を養う学び方:筋肉トレーニングではない勉強

動く図形の問題(新教育紀行)

最難関校出題者の方達が苦労して、「算数の根源的力・数学への適性」を査定しようと問題を作ります。

それは、問題を見るとよく分かります。

動く図形の問題(新教育紀行)

「中学受験の時に算数がよく出来る」ことは大変良いことです。

ところが、算数的発想は大事ですが、数学的発想とは根本的に異なります。

そのため、「算数が出来る方が数学が出来るようになる」とは必ずしも限らないのです。

出題者が考えていることは、

小学校6年生の時点の
算数の力は大事だ・・・

算数らしい柔軟な発想を
持っている方に入ってほしい・・・

もっと大事なことは、中学以降で学ぶ
数学への高い適性を持っていること・・・

と考えているでしょう。

それは、各学校の教育理念・校風が反映されています。

最難関校の出題者たちは、

我が中学高校で懸命に学び、
その後、大学〜大学院で羽ばたく人物に入ってほしい・・・

そして、学問の世界・社会で
大きく伸びる人物に、我が校に来てほしい・・・

と考えているでしょう。

その意味では、中学入試時点の学力というのは、大したこと問題ではないかもしれません。

むしろ「学ぶことへの姿勢」が問われているのでしょう。

筋肉トレーニングのように学ぶと「問題解決能力」は高まります。

そして偏差値が上がりますが、「それだけのこと」でもあります。

そのような、筋肉トレーニングを繰り返すような学びばかりしている方に対しては、

まあ、一生懸命学んでいるのは
良いのだが・・・

この「ひたすら問題を解く」姿勢を
続けたところで・・・

通用するのは、
せいぜい大学受験まで・・・

が本音でしょう。

「筋肉トレーニングのような学び方」をしてきた子どもの答案を見れば、採点者は

これは典型的な「ひたすら問題を解く勉強法」を
してきた子どもだ・・・

どの科目であっても、「その道のプロ」である教員の方達は、すぐに分かります。

学校の方針が「とにかく試験に強い子どもに入って欲しい」であれば、

こういう子に
入ってほしい!

となるでしょう。

ところが、独特のカラーを持つ出題をする麻布・武蔵・女子学院などの採点者は、

学力はある・・・
だが、我が校の教育方針には合わないかもな・・・

と考える可能性があるでしょう。

米国トップ大学が「ペーパー試験軽視」の姿勢を明確にした現在。

「筋肉トレーニング的学び=ペーパー試験最重視の学び」が良いかどうかは、よく考える必要あります。

この子はいいな・・・
ぜひ、うちに入って一生懸命学んで欲しいな・・・

と採点者が思うような学び方が良いでしょう。

それには、「ひたすら解く能力を上げる」ような姿勢よりも「思考力を養う学び方」をしましょう。

問題を解く「瞬発能力」と真の解決能力・発見する力

図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

基礎を固めるのは良いのですが、そればかりやると「瞬発力」ばかり鍛えられてしまいます。

そして、応用力や真の解決能力が養えない面もあります。

「瞬発力」があれば、「ある程度までの問題は素早く解ける」ようになります。

ところが、そういう「素早く解ける」のは「大学以降は、あまり意味がない」力でしょう。

「基礎と応用」をどう取り組むかは、受験生一人一人異なることです。

まさに個性ごとの「ケースバイケース」でしょう。

応用力も増強して、本人が勉強への興味を持ちながら、学力を強化してゆくのが良いでしょう。

そして「算数を本質的に学ぶ姿勢」をしっかりと身につけましょう。

図形の重なる部分の面積(新教育紀行)

朝に理科や社会の暗記、漢字などを、最後の10~15分程度やってみると良いでしょう。

これらの暗記は、ある程度「筋肉トレーニング的側面」があります。

暗記科目ではない算数や理科では、「真の解決能力」や思考力を養う「じっくり考える姿勢」が大事です。

ご本人が第一志望校に合格されることを心より願っております。

新教育紀行

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